瞑想をはじめたことで、幸せの総量が増えたという空気階段の水川かたまりさんに、どのように瞑想を実践しているかを教えてもらいました。「瞑想は全人類が試してみるべき」と話す、かたまりさんの瞑想法は、日々の暮らしに忙殺されている人こそ真似できそうなものばかりです。
空気階段
1990年生まれ、岡山県出身。2012年に空気階段を結成。「キングオブコント」2021王者。2017年から放送しているTBSラジオ「空気階段の踊り場」が人気。第7回単独公演「ひかり」が5月8日から開催。詳細はHPをチェック。
皿洗いや犬の散歩の途中、いつでも瞑想はできる
——実際にどのように瞑想を実践していますか?
かたまりさん:上田さん(元ゾフィの上田航平さん)に何をしているときでも瞑想はできると教えてもらってから、皿洗いをしているときや犬を洗っているときにも瞑想をしてます。目の前の皿や、犬を洗うことにだけ全神経を集中させるっていう方法なんですが(笑)。
犬の散歩の際にも、公園のベンチに座って15分ほど瞑想をしていますね。ベンチに座り軽く手を開いて、呼吸をし、体の中に流れる空気を意識するやり方です。肺が膨らんでいるとか、鼻から抜ける息の冷たさなどに意識を集中させています。
その場に居合わせた人たちには「あいつ何やってんだ?」と思われているかもしれませんが、もうあまりそういうことは気にならなくなってきました。最初の頃は、犬に「早く散歩しようよ」とアピールされてリードを引っ張られてましたが、最近は慣れてきたみたいで、僕の瞑想が終わるまで犬もおとなしく横で待ってくれています。
仕事で地方に行っていたり、撮影などが重なったりして、犬の散歩ができないときは、食事やサウナのタイミングを瞑想タイムにしています。あと、最近毎晩欠かさずにしているのは、「ボディスキャン瞑想」。ベッドに横たわって、1回深呼吸をするんです。そのあとに足の指先、かかと、そしてふくらはぎというように順を追って、まるで体をスキャンするように自分の体へ意識を向けていく方法です。5分ほどでできるので手軽ですし、何よりこれをすることにより、安眠しやすくなりました。
健康でいないと、仕事にも集中できないし、家族のことも大切にできない
食事に意識を向ける「マインドフルイーティング」を実践する水川かたまりさん。
——何がきっかけで瞑想をはじめとしたセルフケアをするようになったのでしょうか?
かたまりさん:もともと僕のじいちゃんが健康法大好き人間だったので、わりとその影響を受けていますね。中学生の頃から、ウォーキングが体にいいと聞いたらすぐに試していましたし、睡眠の質を上げるために部屋を真っ暗にして寝ていました。
瞑想をはじめるきっかけにもなったように、スポーツ選手のインタビュー記事を読むのが好きなんです。そこで「俺は今こんなことをやっている」という話を読むと、まず試してみるというのが習慣になっています。体が資本である人たちが自分のためにやっていることは、絶対にいいものだと信じているので。
今、毎朝冷水シャワーを浴びているんですが、それもサッカー日本代表の三苫薫選手が、ルーティンとして紹介していたことがきっかけ。僕、本当になんでも影響を受けやすいんです(笑)。
あと、高校生の頃、隣の家が火事になってしまったことがきっかけで、不眠ぎみになってしまったことも、僕が健康法オタクになったことに関係しているかもしれないです。ずっと眠れない日が続いて、部活も思うようにできなくなってしまい、「このままではいけない」と、睡眠についていろいろ勉強したんです。自分のコンディションは、よい状態でキープしておかなければいけないという意識も、このときに芽生えました。
極論、仕事よりも家族よりも自分の健康が重要だと思っているんです。健康でいないと、仕事にも集中できないし、家族のことも大切にできないですから。
「誰かのマネをするなんて恥ずかしい」と思わずに、試してみる
かたまりさん:瞑想を続けていると体とコミュニケーションがとれると聞いたので、僕もそこまでいけるようになりたいです。調子が悪くなる前に、体の変化に気づけるようになれたら、さらに幸福感はアップしそうですよね。瞑想の源流である、仏教やヒンドゥー教も一度じっくり勉強したい。
上田さんや、考えが近そうなかが屋の加賀くん、ザ・マミィの林田くんとか誘って、最近気になっている、ピラティスとかヨガもはじめてみようかな。筋トレもいいですよね。自信につながりそうです。
自分の健康が人生の最優先事項なので、よいとされていることは積極的に取り入れていきたいです。僕はすぐに新しいことに飛びつくタイプなので、気になっている健康法を見つけたらすぐスマホにメモするようにしています。
僕も瞑想をはじめたのは、憧れているサッカー選手からの影響ですし、はじめるきっかけはなんだっていいと思うんですよね。「誰かのマネをするなんて恥ずかしい」なんて思わずに、試してみるのがおすすめです。結果、好きな人と同じことができて、自分も健康になれるなんて最高じゃないですか。
撮影/馬場わかな 取材・文/高田真莉絵 構成/渋谷香菜子