【櫻井海音さん】「寂しがり屋なところも小心者なところも僕」メンタルヘルスの保ち方や“1日1食、焼き鳥生活”を語る！〈インタビュー後編〉

「【推しの子】」あらすじ
伝説のアイドル・アイ（齋藤飛鳥）の子ども【推しの子】として転生した、アクア（櫻井海音）と双子の妹であるルビー（齊藤なぎさ）。ふたりは、出産したことを隠してアイドル活動を再開したアイを応援しながら、彼女のもとで成長していく。そしてアイの人気は瞬く間に上昇し、アイが所属するグループ・B小町は東京ドームでのライブを控えていた。しかし、ライブ当日に熱狂的なストーカーがアイの新居を訪れ——。

——主演を務められたドラマ&映画「【推しの子】」は「この芸能界において嘘は武器だ」という登場人物のモノローグで幕を開け、伝説のアイドル・アイは「嘘はとびきりの愛なんだよ？」と言い放ちます。櫻井さんは、嘘についてどう考えていらっしゃいますか？

櫻井さん：エンターテインメントはフィクションなので、我々の仕事は嘘といえば嘘なのかもしれません。でも、見ている人をだまそうとしているわけではなくて、原動力になっているのは「楽しんでほしい」という想い。それは愛と呼べるものに近いはずなので、「嘘はとびきりの愛なんだよ？」というセリフは本当にそのとおりだなと思います。

生きていくうえでも、何をもって嘘とするかというところは難しいですけど、人と円滑に関係を築くうえで嘘は必要だと思っています。建前も嘘だというなら、僕自身も嘘をついていることになりますし。だって、もし初対面の方の口のにおいが気になったとしても、そうとは言えないじゃないですか（笑）。ただ、僕は人をだます嘘はつけないです。全部、顔に出てしまうので。

——yoiでは自分をいたわる「セルフケア」がひとつのテーマになっています。櫻井さんは、普段どんなセルフケアをされていますか？

櫻井さん：朝食と昼食を抜いて、夜に焼き鳥を食べるようにしています。ちょっと前までは毎日のようにそうしていたけれど、最近は自炊もするようになったので、週の半分くらいが焼き鳥です。ちょうど「【推しの子】」を撮影していた頃に始めて、もう１年くらい続けていますね。きっかけは、まず焼き鳥が大好きだったこと。そして、その焼き鳥を極限の空腹状態という最高のコンディションでたらふく食べるということをしたかったからです。

いざ始めてみたら、焼き鳥は高タンパク低脂肪で栄養価も高いので、僕は1日1食でもつらく感じることがなくて、体型維持にも役立っています。人によると思いますが、僕の場合は、それまで体調を崩しやすかったんですけど、“焼き鳥生活”を始めてからは風邪もひきにくくなった気がします。それに、空腹状態のほうが撮影現場での集中力も研ぎ澄まされるので、いいことづくめ。しばらくは続けようと思っています。

——心のケアについてもお伺いしたいです。気分が落ち込んだときや悩んだときは、どのように自分を立て直していますか？

櫻井さん：僕はメンタルが弱くて、小心者で、けっこう落ちやすいんです。その原因を自己分析してみた結果、寂しさからくるものだとわかったんですよね。だから、僕にとって一番のメンタルヘルスを保つ方法は、撮影現場にいること。現場には誰かしらがいるし、向き合うべきこともあるので、余計なことを考えなくていいんです。

撮影がないときは…週5で活動しているフットサルチームがあるので、そこに顔を出して、一緒にボールを蹴って、みんなで焼き鳥を食べに行って、寂しさを紛らわせています（笑）。

もっとつねにハッピーでいられたら…とは思うけど、そうなるにはいろんなことを無駄に考えすぎてしまう性格なんです。でも、そうやって自分自身を追い込んでいる反面、きっといい方向に働いている部分もあるはずなので、どんな僕も受け入れて、一生向き合っていければいいなと思っています。

——最後に、役者としての今後の目標を教えてください。

櫻井さん：スポーツのように、もし仮に役者の日本代表チームがあるとすれば、そこに選出されるように頑張りたいです。もちろん尊敬する役者さんはたくさんいるけれど、そこになぞらえるわけではなくて、自分が憧れられるような存在になりたいですね。

撮影／久野美怜（SIGNO）　スタイリスト／藤井晶子　ヘア＆メイクアップ／高草木剛(VANITÉS)　吉沢実希　取材・文／吉川由希子　企画・構成／福井小夜子（yoi）