【土屋太鳳さん】「女性のライフステージが変わる瞬間を演じることは魅力的だと感じています」〈インタビュー後編〉

──近年は役柄の幅がどんどん広がっていると感じています。“女性”の多様な生き方を演じる楽しさは？

土屋さん：あまり男性や女性で分けたくはないのですが、女性のライフステージが変わる瞬間を演じられることは、お芝居をするうえで魅力的だと感じています。

私自身はライフステージの変化があってから、仕事の内容が変わっていくことの驚きや、できなくなってしまった仕事への葛藤みたいなものを経験しました。そういった感情を知ることができてよかったと思っています。

──ライフステージが変化しても、さらに精力的にお仕事をされている印象です。立ち止まったり、お休みをするという選択はなかったのでしょうか？

土屋さん：昔は少し考えていたこともありました。仕事をすることは私にとって当たり前のことで、そのうえでプライベートも当然にある。

母から「親の生き方は子どもの滑走路になるよ」と言われているので、私なりの滑走路を、しっかりと作っていきたいと思っています。

──ご自身のInstagramには寝落ちする無防備な姿もアップされていましたね？

土屋さん：面白い顔をしてますよね（笑）。私は人前に出るお仕事をしているけれど、つらいときもあるし、寝落ちするときも、頑張らなければいけない瞬間もある。

たまにああいう写真を載せることで、見てくださる方がクスッと笑ってくださったらうれしいなと思って。応援してくださる方たちと一緒に切磋琢磨していける関係性でいたいと思っています。

──これから挑戦したいことは？

土屋さん：舞台を子どもに見せたいと思っても、静かにしていないといけない場合が多いじゃないですか。本当の意味で子どものためになる舞台ってなんだろうと、ちょっと考え始めたところです。

子どもはすごく素直だから、大人が感動するものにも全力で感動するんです。一方で、大人が子どもに教えたいと思って作るものは、意外に説教くさくなってしまうこともある。子どもが心から楽しめる舞台というものを作ってみたいです。

──プライベートでは何かありますか？

土屋さん：旅行に行きたいです。これまでは忙しくてあまり旅行に行けなかったのですが、年２回は旅行に行きたいと思っています。

──お忙しいなかで、フラットでいるために心がけている習慣はありますか？

土屋さん：走ったり、呼吸を意識して心がせかせかしないようにする作業が大事かなと思います。

走ると体温が上がるじゃないですか。そうすると脳の血流もよくなってセリフ覚えも早くなるんです。朝運動したほうが１日の思考のスピードが早くなる気がするし、元気になれると思っています。

難しい日は呼吸を意識する時間だけ作ることもあります。静かに心を整えて座ったら、背中に息を入れていくように呼吸をするんです。目や耳を手でおさえたりしながら、自分の感覚を整えていく作業。これは朝起きたときと寝る前のルーティンにしています。

出演：藤原竜也、土屋太鳳、河内大和、廣瀬友祐、井上祐貴、たかお鷹、吉田鋼太郎ほか
作：W.シェイクスピア
翻訳：小田島雄志
演出・上演台本：吉田鋼太郎（彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督）
音楽：東儀秀樹

【宮城公演】5月30日（金）～6月1日（日）仙台銀行ホール イズミティ 21 大ホール
【愛知公演】6月6日（金）～8日（日）刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
【広島公演】6月12日（木）～14日（土）広島文化学園 HBG ホール
【福岡公演】6月20日（金）～22日（日）福岡市民ホール 大ホール
【大阪公演】6月26日（木）～30日（月）梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

カーディガン￥59400、ドレス￥59400／CFCL（CFCL OMOTESANDO 03-6421-0555） ネックレス ￥42900／PLUIE（PLUIE Tokyo 03-6450-5777） イヤーカフ￥33000、リング￥49500／Hirotaka（Hirotaka 表参道ヒルズ 03-3478-1830）シューズ￥49500／MANA（株式会社コンコルディア info-concordia@mana-l.com）

撮影／垂水佳菜　ヘア＆メイク／尾曲いずみ　スタイリスト／藤本大輔（tas）　取材・文／松山梢