yoiのティザームービーや本サイトにご登場いただき、女優としても唯一無二の存在感を放つSUMIREさん。出演映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』を通して感じた“人と人とのつながり”についての率直な想い、さらに気心の知れた仲間の前で見せる意外な素顔もお届けします!

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』出演 SUMIREさんと向き合う“人とのつながり”_1

SUMIRE

モデル・俳優

SUMIRE

すみれ●1995年7月4日生まれ、東京都出身。2014年より雑誌『装苑』の専属モデルとして活動し、2018年に映画『サラバ静寂』で女優デビュー。以降、数々の映画やドラマに出演。現在は、ドラマ10『群青領域』(NHK総合)に出演中。11月28日より連続ドラマW『いりびと-異邦人-』(WOWOW)の放送がスタート。

役名も偶然「スー」。普段の私は、彼女みたいに爆笑したりするんです(笑)

――SUMIREさんが出演されている映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』を拝見して、yoiのテーマのひとつでもある“人と人とのつながり”について改めて考えさせられました。SUMIREさんが演じられたスーも、短い期間ではあれ、主人公・佐藤(森山未來)の心を開き、つながったキャラクターだと思います。そんなスーという役を演じるうえで、どんなことを心がけましたか?

最初に台本を読ませていただいて、スーのバーで働いているときの表の顔と、友達といるときの気さくで純粋な女の子の表情のギャップにすごく惹かれたと同時に、そういうオンオフがハッキリしているところが私自身と似ているなとも思ったんです。私も友達の前では手をたたいて爆笑したり、趣味の話に夢中になったり、自由気ままな部分があふれ出ているので(笑)。
普段まわりから「スー」と呼ばれていることも含めて共通点が多かったぶん、役を演じているときも、いい意味で自然体な自分でいることができました。

――仕事の現場で見せる顔からは少し意外かもしれませんね! 

見た目の印象で、世間からはミステリアスとかとっつきにくいイメージで認知されているのは自分でもわかっているんです。
でも、実際はもちろん人間味も喜怒哀楽も、ちゃんとあります(笑)。仲よくなってから「こんな一面があるとは思わなかった」って言われることは多いですね。そういえば、この作品の現場でも、共演者の方から「意外とそういうキャラなんだね」って驚かれました。

作品のテーマである“人と人とのつながり”。 演じながら、つき合いの深い地元の友達を思い浮かべました

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』出演 SUMIREさんと向き合う“人とのつながり”_2

――SUMIREさんご自身は、今作との出会いや役を通して、“人と人とのつながり”について考えさせられることはありましたか?

この作品で描かれる甘酸っぱい青春のような感覚が、私に地元の友達を思い出させてくれました。保育園時代から一緒に過ごしてきた子もいれば、中学のときに仲よくなった子もいるんですけど、みんな今でも仲がいいんです。結婚する子も増えてきたので、つき合い方は変わっていきながらも、一緒にいるときの空気はずっと変わらないんですよね。
そうやって長く関係を保ち続けるのって、当たり前のようでいてかけがえのないことなんだなって、改めてまわりの友達の大切さに気づくことができた作品です。

――お仕事を始めてからの交友関係はいかがですか? 

同業者との交友関係は狭いほうなんですが、作品でご一緒させていただいた俳優さんや女優さんとはたまに連絡をとり合ったりしていますね。二階堂ふみさんとは、お互い動物が好きなので、「ワンちゃん元気ですか?」とか、そういう愛犬の近況報告をしています(笑)。

学生まではいつも「浮かないようにしよう」と思っていました

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』出演 SUMIREさんと向き合う“人とのつながり”_3

――劇中には、普通であることを嫌う佐藤の元彼女・かおり(伊藤沙莉)と「普通がいちばんいい」と言うスーが登場します。SUMIREさんは、どちらの考えに共感できますか?

私自身、大学生になるまでは周囲に合わせてなるべく浮かないような格好をしようと気を遣っていた部分があったんです。でも、服飾関係の大学に入ってからは、みんながファッションを自由に楽しみながら個性を表現している姿を見て、逆にこれが普通だよなって気づかされたんですよね。
私は趣味で絵を描くんですけど、そういうときは自分の世界観を出すようにしているし、そのいっぽうで身のまわりにある普通の幸せも大事にしたい。だから、どちらの気持ちにもすごく共感できるんです。

森山未來さん、東出昌大さん、共演者とのつながり。 そして、yoi読者へ届けたいメッセージとは――

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』出演 SUMIREさんと向き合う“人とのつながり”_4

――共演シーンの多かった森山未來さん、東出昌大さん、篠原篤さんの印象は、いかがでしたか?

森山さんは20代から40代まで(!)幅広い年代を演じられていたのですが、どのシーンも体ごと役に入られるというか、しっかり準備をされていて、俳優としても人としても尊敬できる方だなと思いました。
東出さんは、話しやすい雰囲気を積極的につくってくださって、優しくて、なんだかお兄ちゃんみたいでしたね。
篠原さんは、とても熱いものを持っていらっしゃる方。試写を見たあとにみなさんと少しお話ししたときも、「スー、最高だったよ!」って言ってくださったことが、とても印象に残っています

――最後に、yoi読者に向けてメッセージをお願いします。

この作品は、今見ても十分、90年代当時のファッションや音楽を楽しめると思いますが、時間がたてばたつほど味が出るというか、そんな作品になっていくんじゃないかと思っています。映画に描かれている時代を生きていない方にとっても、どこかに昔を思い出させてくれる、自分を重ねて心があたたかくなるシーンがあるはず。そして、今ある幸せを改めて大事だと思えるきっかけになれば、うれしいです。

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』出演 SUMIREさんと向き合う“人とのつながり”_5

映画情報

11月5日(金)より、シネマート新宿、池袋シネマ・ロ サ、アップリンク吉祥寺ほかロードショー&Netflix全世界配信開始! ©2021 C&I entertainment

映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』

1995年、佐藤(森山未來)はかおり(伊藤沙莉)と出会い、瞬く間に恋に落ちる。かおりの「君は大丈夫だよ。おもしろいもん」という言葉に支えられながら、ガムシャラに働き続けた4年間。けれど、唯一の心の支えだった彼女はさよならも言わずに去っていった。その後、バーテンダーのスー(SUMIRE)や恋人との出会いと別れを繰り返し、2020年。社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳の佐藤は、いくつかのほろ苦い再会をきっかけに、二度と戻らない“あの頃”を思い出す…。
●11月5日(金)より、シネマート新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかロードショー&Netflix全世界配信開始

【SUMIREさん】シャツ¥38500・パンツ¥38500・ベルト¥35200・イヤリング¥19800/全て FUMIE TANAKA(ドール) シューズ/スタイリスト私物

撮影/田形千紘 スタイリスト/沢田結衣 ヘア&メイク/石邑麻由 取材・文/吉川由希子 企画・編集/種谷美波(yoi)