202410月からスタートした、「yoiと集英社の7つのファッション・ビューティマガジンのコラボコンテンツ「集英社yououriロジェクト」。「Seventeen」と「non-no」の編集者とともにお送りする第3回は、女子高生&大学生の恋愛事情にフォーカス。近年、話題を呼んでいる“若者の恋愛離れ”は本当に起きているのか!? 読者アンケート調査によって、意外な事実が判明しました。

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「集英社yououriプロジェクト」とは?
2024
10月から、「yoiと集英社の7つのファッション・ビューティマガジンのコラボコンテンツ「集英社yououriロジェクト」がスタート。yoiの理念である「you(あなた)i(わたし)でour(わたしたちの)社会を創る」のもと、yoi編集部と各媒体の編集者がエンターテイメント性と社会的意義やウェルネスを両立するコンテンツを創出します。『Seventeen』『non-no』とのコラボは女子高生と女子大生のインサイト、『MORE』『BAILA』とは働く女性のウェルネス、『MAQUIA』『SPUR』とはフェムテック、『MENs NON-NO』とは男性視点のジェンダーや妊活などをテーマにお届けします。

高井佳子

yoi編集長

高井佳子

入社以来、『non-no』『BAILA』『Marisol』『eclat』と、幅広い年代の女性誌媒体に編集者として携わる。2021年@BAILA編集長に就任、2023年6月より現職。認定フェムテックシニアエキスパート(日本フェムテック協会認定資格1級)。

青柳

集英社yoiエディターズ Seventeen編集部

青柳

女性誌、文芸誌、少女漫画など、各編集部から選出されたyoi委員会メンバーの一人。入社以来Seventeen編集部所属で現在6年目。主にファッションページを担当。出産を機にフェムテックやウェルネスへの興味が高まっています。

石井

集英社yoiエディターズ non-no編集部所属

石井

女性誌、文芸誌、少女漫画など、各編集部から選出されたyoi委員会メンバーの一人。入社3年目で現在はnon-no編集部に勤務。主にビューティやインタビューページを担当。yoi委員としての仕事を通して、フェムテック&フェムケアやウェルネスに関する知識を日々習得中。

大学生と女子高生の半数以上が恋している!

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高井:近年、若者の恋愛離れが話題を呼んでいますよね。ということで、今回は女子高生と大学生の恋愛事情と意識を深掘りしたいと思います!

石井:『non-no』は、『令和の大学生の“自分軸恋愛”事情』(2025年1・2月合併号)という企画でのアンケート結果を元にお話しします。まず、「今、恋していますか?」という問いに対して、「はい」と回答した人は53%でした。

青柳:『Seventeen』の2024年夏号に掲載された女子高生の恋愛事情を参考にすると、「好きな人はいる?」という質問に「はい」と回答したのは55.1%でした。

高井:女子高生と大学生のどちらも、半数以上ですね。想像していたよりも高い割合!

青柳:
恋人の有無は「いる」が21%。つまり、好きな人がいる人の半分以上は片想いということになります。 

石井:『non-no』では、恋人がいる人は34%でした。

SNSネイティブ世代は、インスタグラムも出会いのきっかけに

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高井:大学生のほうが、交際率は少し高めですね。交際相手は同世代なのでしょうか?

石井:恋人との出会いは、回答者の多かった順に、大学のクラス/サークル、高校生の同級生、大学のゼミでした。同い年から上下3歳ほどの同年代との交際がほとんどでした。

青柳:『Seventeen』では、同い年が89.5%、年上が7.2%、年下が3.3%。出会いは高校、地元、インスタグラムの順で多かったです。

高井:インスタグラムで出会うって、どういうこと!?

青柳:共通の友達の投稿を通じて知り合い、DMで連絡を取り合ったり、対面で紹介してもらったり……インスタグラムが出会いのきっかけになっている人が増えているようです。

高井:なるほど〜! 高校生は未成年だから、マッチングアプリを使えないですもんね。大学生は、マッチングアプリを使っているのかな?

石井:使ったことがあるという人は20%でした。そのうち、マッチングアプリで出会った人と交際したことがあるという人は、わずか23%。使っていないという人に理由を聞くと、メッセージのやりとりが面倒、いい人に出会える気がしない、といった回答が多かったです。

高井:意外! yoi世代ではマッチングアプリを通じて出会い結婚したという人が年々増えている印象があるから、てっきりスマホネイティブ世代にはもっと人気だと想像していました。

時間もお金もかかる推し活が、恋愛の優先順位に影響

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石井:大学生は、授業のほかにもサークル活動やアルバイトなど、出会いの場が多いことが理由のひとつかと。また、「恋人が欲しいと思いますか?」という問いに対して、「積極的に欲しい」と回答した人はわずか11%。「欲しい」と合わせても39%という結果で、“何がなんでも恋人が欲しい!”と考える人は、少ない印象を受けました

高井:
そうなんだ! 恋愛の優先順位が低いのかな?

石井:「友人・家族・学業・趣味・推し活などと比べて、恋愛の優先順位は?」の回答で最も多かったのは、「恋愛の優先順位はかなり低い」で50%。「他と同じくらい恋愛も大事」が48%、「恋愛が何より大事」が2%でした。

青柳:恋愛していない『Seventeen』読者に理由を聞くと、「受験に向けて勉強を頑張っているから」、「好きな人がいないから」、「推しを超える人がいないから」という回答が目立っていました。女子高生も、無理に恋人を作ろうとする意識は希薄な印象です。

高井:「推しを超える人がいない」って理由、すごく今っぽい!

石井:『non-no』でも、恋人は「いらない」・「いなくてもよい」と回答した人に理由を聞いたところ、「推し活で充実している」が3位にランクインしていました。

高井:え〜!! 今ってアイドルもSNSを使っていて、すごく身近な存在に感じられるもんね。つねに情報がアップデートされるから、追いかけるのに時間もかかるし。

石井:推し活は、お金もかかりますよね。恋愛のメリット・デメリットについても聞いたのですが、デメリットとして最も多く上がったのが「自分のために使えるお金と時間が減る」でした。

恋愛のメリットは自分の成長! 外見よりも優しさを重視

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高井:ちなみに、メリットはどんな回答が多かったですか?

石井:「人間的に成長できる」、「価値観が広がる」、「外見も中身も自分自身を磨ける」、「自己肯定感が上がる」、「頑張ろうと思うモチベになる」などが多かったです。

高井:すごく地に足がついた回答……! 恋愛のドキドキを味わえる、とかじゃないんだね。

石井:「恋人に求める条件」も、1位から順に「優しく、思いやりがある」、「一緒にいて落ち着く」、「一緒にいて楽しい」と内面を重視する人が多く、とてもまじめかつ真剣に恋愛と向き合っている印象を受けました。

青柳:同じ質問に対して、『Seventeen』読者の回答は1位「優しさ」、2位「誠実さ」、3位「安心感」でした。『non-no』と似ていますね。

高井:女子高校生も、すごく冷静! 私が高校生の頃は、見た目の要素が大きかった気がするんだけど……。

石井:見た目を重視する人もいましたが、「自分の好きな顔」と回答していましたね。誰もが好きな外見ではなく、大事なのは、自分が好きかどうかなのかなと。

“モテる”のは面倒? デートは割り勘がスタンダード

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高井:なるほど〜! 今、みんな”モテたい”っていう気持ちはあるの?

石井:「モテたいと思いますか?」と聞いたところ、「自分が好きな相手からだけに好意を寄せられたい」がダントツで64%。「モテたいとは思わない」とキッパリ回答した人も7%いました。

青柳:前回も話題になりましたが、メイクをするときに誰の目線を意識しているか、という質問で「異性の目線」と回答した人が9%しかいなかったように、『Seventeen』読者もモテを重視している人は少ない印象です。

高井:モテることに価値を感じなくなったのは、どうしてなんだろう?

石井:同じテーマで大学生4人の座談会が掲載されているのですが、記事の担当者いわく「恋愛対象外の人からモテても、断るのは気を使うし困る」、「奢られたりして、対等な関係性でなくなるのは嫌だから、好きじゃない人とのデートはお金と時間の無駄」といった声が上がったそうです。


高井:今って、デートは割り勘が当然?

石井:「割り勘」が43%、「相手が多く払う」が45%。「相手が全額払う」と回答した5%の人は、恋人が社会人でした。

青柳:『Seventeen』は75.7%が「割り勘」と回答しました。

高井:恋人に奢ってもらいたい、という感覚はないのかな?

石井:2015年に『non-no』の特集内で“普段のデートでの支払いは?”と聞いたときよりも、今回「割り勘」の割合が14%ほどアップしていて、そういった感覚を持つ人は減ってきている気がします。奢られると相手にイニシアチブを握られていると感じたり、対等な関係じゃないと感じる人が多いようです。

青柳:『Seventeen』読者も、割り勘が当たり前、という感覚の人がほとんどですね。

大学生と女子高生それぞれ6割強が「恋愛離れは感じない」

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高井:恋人と対等であることを大事にする人が増えているのか〜。素晴らしい意識の変化ですね! 女子高生も大学生も、恋愛をとても現実的に考えているように感じました。恋愛を楽しむ、という気持ちはあるのかな?

石井:恋愛をするうえで、「メリットの方が大きい」と答えた人が71%と群を抜いていた結果からも、恋愛に対してネガティブな意識はないように感じます。「恋バナは好き?」という質問に対しても、「好き」と「まあまあ好き」という回答が84%にも上りました。

青柳:私も、『Seventeen』読者との会話やアンケート調査の結果に、恋愛に対するネガティブな意識はあまり感じません。ウェブアンケートで「自分を含めて、周りの世代は恋愛離れしていると思う?」と聞くと、64%が「思わない」、20%が「どちらとも言えない」、16%が「そう思う」と回答しました。恋愛至上主義の人は確かに少ない一方で、恋愛をまったくしないわけではないのかな、と…!

石井:『non-no』では同じ質問に対して、「思わない」と「全く思わない」と回答した人が64%でした。

高井:恋愛に対する意識や恋人との関係性が変化しただけで、恋愛への熱量は変わっていないんですね。勉強になりました! 彼女たちが大人になったとき、また大きく社会が変わりそうでワクワクします。

イラスト/MIDORI KOMATSU 構成・取材・文/中西彩乃