近年、すっかり日本でも生活に浸透してきたCBD(カンナビジオール)、あなたは活用していますか? 精神を落ち着かせるリラックス効果、痛みや炎症を軽減する作用などから、愛用している人が増えているよう。yoiエディターや連載「SELF-CARE RELAY」に登場いただいた方々のあいだでも、リピート決定となった愛用品はオイルやロールオンのみのみならず、コスメ、食品、サプリメントまで多岐にわたります。そんな「実際に使った人がすすめるCBDの人気アイテム」を、ブランド別にまとめてご紹介。
さらに、CBD研究の専門家による基礎知識から、最新の臨床研究でわかったCBDの驚くべき効果、「信頼できるCBD製品の選び方」まで、CBDについて知っておきたいこと、全部まとめました!
※ご紹介の順番はブランド名のアルファベット順です。
- 日本生まれの『CBDAYS(シービーデイズ)』
- CBDをバスタイムにも!『CBDfx(シービーディーエフエックス)』
- 100%オーガニック『ENDOCA(エンドカ)』
- 世界的CBDブランド『HempMeds(ヘンプメッズ)』
- 肌本来の力を呼び覚ます『NowLd(ノルド)』
- 手軽に試したいCBDスキンケア『RITTO(リット)』
- 美容皮膚科医がプロデュース『Takako Style(タカコ スタイル)』
- 国内製造のCBDスキンケアブランド『WALALA(ワララ)』
- 人気の広がる「CBD」。その効果と実態とは?
- 目的に合わせて選びたい、CBDの種類いろいろ
- 信頼できる製品はどう選ぶ? CBD製品を購入するときに気をつけたいこと
- 睡眠美容のエキスパートが語るCBDの効果とは?【最新・CBDの基礎知識 Vol.1】
- CBDオイルってどんな症状に効くの? 依存性は? 臨床例をドクターが解説【最新・CBDの基礎知識 Vol.2】
- カンナビノイドが人に効果を発揮するのはなぜ?【最新・CBDの基礎知識 Vol.3】
日本生まれの『CBDAYS(シービーデイズ)』
『CBDAYS(シービーデイズ)』は日本発のCBDブランド。緊張を緩めたいときの”DEEP SILENCE”、不安を払い、前向きになりたいときの”POSITIVE FLOW”、愛しい気持ちを高めあいたいときの “EROTIC POETRY”と、3つのオケージョンに合わせて自分の心と体を整えるプロダクトがそろいます。
▼シービーデイズ モーメント ロールオンオイル DEEP SILENCE
シービーデイズ モーメント ロールオンオイル DEEP SILENCE (5ml) ¥5,390/クオルス 088-678-9015
CBDをバスタイムにも!『CBDfx(シービーディーエフエックス)』
『CBDfx(シービーディーエフエックス)』は、世界20カ国以上で親しまれているカリフォルニア発のCBDブランド。オイルやグミなどの「食べるCBD」、バームやフットクリーム、フェイスマスク、入浴剤などスキンケア関連の「塗るCBD」のほか、「ペット用CBD」も展開しています。
▼バスボム(CBD200mg)ユーカリ
バスボム(CBD200mg)¥2,480
「こちらのユーカリ&ペパーミントは、すっきりとした香りが、集中力を高めて頭の中をクリアにしてくれるそう。オーガニック栽培されたヘンプを使用し動物実験も行なっていない、地球に配慮して作られたプロダクトです。筋肉の痛みもやわらげてくれるらしく、筋トレなど、体を酷使した日に使ってもよさそう!」(クリエイター/Chii)
100%オーガニック『ENDOCA(エンドカ)』
『ENDOCA(エンドカ)』は、北欧デンマークで設立された、世界初の国際的なCBDオイルカンパニー。舌下用のオイルや、CBDオイルの味が苦手な人にもおすすめのカプセル、フェイス&ボディオイル、ボディバターなどのスキンケア、ガムなどの製品はすべてオーガニックで認証を受けた原料をもとに製造されています。
▼CBD チューインガム
(右上)CBDチューインガム 100mg CBD ¥1,836/ENDOCA
(その他の紹介アイテム・左から時計回りに)仁丹瓶入/森下仁丹 ハニードロップレット マヌカハニーUMF15+/Honey Japan ハニードロップレット マヌカハニーUMF10+/Honey Japan
▼ヘンプボディ バター 1500mg CBD
(左)ヘンプボディ バター 1500mg CBD ¥15,400/ENDOCA
(その他の紹介アイテム・中央と右)ハーブオイル33+7 ボディミスト/nahrin モイスチャー ミストローション/F organics
▼CBD リップ&スキン 20mg CBD
(右)CBD リップ&スキン 20mg CBD ¥1,650/ENDOCA
(その他の紹介アイテム・左から)uka nail oil 7:15 /uka ハーブオイル33+7 ロールオン/nahrin
世界的CBDブランド『HempMeds(ヘンプメッズ)』
2012年創業、ヘンプ由来のCBDを初めてアメリカで発売したCBDのリーディングカンパニー。CBDオイル、パウダー、リキッド、ボディケア製品などを世界50カ国で展開しています。
▼アクティブリリーフロールオン
CBDやメントール、カンゾウなど、天然成分を配合したロールオンで運動後の体をクールダウン。
アクティブリリーフロールオン 88ml/450mg CBD ¥7,370/HempMeds 050-8881-4155
肌本来の力を呼び覚ます『NowLd(ノルド)』
『NowLd』とは、“now=現代との調和”と“old=原点回帰”をかけ合わせた造語。美容業界に20年以上も携わってきたふたりのヘアメイクアップアーティストによるブランドで、自分に自信が持てるようになるためのスキンケアアイテムを展開しています。
▼NowLd バウンススティック
バウンススティック(部分用美容液)(7.1g)¥5,940/NowLd
手軽に試したいCBDスキンケア『RITTO(リット)』
CBDをもっと身近なものとして楽しんでもらいたいと、2022年にデビューしたスキンケアブランド。気分が上がる可愛らしいパッケージ、手に取りやすい価格も魅力。
▼RITTOローション・RITTO美容液・RITTOクリーム・RITTOフェイスマスク
(左から)RITTO CBD FACE MASK(3枚入り)¥1,430・RITTO CBD CREAM(200g)¥2,200・RITTO CBD SERUM(30ml)¥3,300・RITTO CBD LOTION(120ml)¥1,540/RAD
美容皮膚科医がプロデュース『Takako Style(タカコ スタイル)』
「松倉クリニック代官山」の貴子院長が「本当によいものだけを届けたい」という想いでプロデュースするブランド。品質の高い高濃度のサプリメントシリーズのほか、パーツケアに着目したコスメシリーズなども展開しています。
▼ザ シービーディー リバランス
ザ シービーディー リバランス¥2,750/Takako Style 03-6455-0021
国内製造のCBDスキンケアブランド『WALALA(ワララ)』
『WALALA』は、東京を拠点とするウェルネスブランド。植物由来ではなく、製薬会社で研究開発され生産された有機化学合成CBD成分のみを使用し、国内生産で100%合法のCBD製品を製造しています。
▼CBD ポイントクリーム
CBD ポイントクリーム (50g) ¥7,500/WALALA
▼CBD ウェルネス・サプリメント
CBD ウェルネス・サプリメント 30粒入り¥6,800 /WALALA
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人気の広がる「CBD」。その効果と実態とは?
体やメンタルにいい影響を与えるとして、最近注目されている「CBD」。世界中の医療・美容・健康分野で研究が進んでいます。CBDの正式名称はカンナビジオール(Cannabidiol)といい、麻の茎や種子から抽出されるカンナビノイドと呼ばれる成分の一種です。麻は別名・大麻草とも呼ばれ、マリファナの原料になることもあるため、CBDについても「摂取するとハイになるのでは」「法的に問題視されているのでは」といったイメージを持っている人もいるでしょう。
でも、心配ご無用。カンナビノイドの成分の中で精神を“ハイ”にする作用があるのは、テトラヒドロカンナビノール(THC)という成分です。日本の法律ではTHCは違法な成分ですが、CBDは法的に認められた成分。THCが含まれていなければ、CBDが配合されている製品を持っていたり、使用していても問題ありません。
またCBDは、“ハイ”になるのとは逆に、精神をリラックスさせる成分を持っています。近年日本でもメンタルヘルスに役立つとして注目されており、CBDが含まれるさまざまな製品が流通しています。なかでも代表的なのが、CBDオイルです。
目的に合わせて選びたい、CBDの種類いろいろ
CBDオイルとは、ベースとなるキャリアオイルにCBDを配合した製品です。おもな使用法は「舌下摂取」で、口内の舌の下部にCBDオイルを1~2滴垂らし、30秒~2分ほどそのままにしてから飲み込みます。舌下部分にCBDがあるあいだに、毛細血管から直接CBDが取り込まれることで全身に効果が広がります。
CBDオイルのほかにも、以下のようにいろいろなCBD製品が登場しています。
・CBDエディブル(CBDグミなど)
CBDの入った食品や飲料の総称。チョコレートやクッキー、お茶やエナジードリンクなどがあり、近年ではグミが人気! 気軽に摂取できるが、肝臓で代謝されるため吸収率が下がるというデメリットも
・CBDクリーム/CBDジェル/CBDバーム
皮膚に直接塗布しやすくした製品。全身への効果はないが、塗った箇所への局所的作用が期待できる
・CBDリキッド/CBDワックス
VAPEなどの電子タバコを用いてCBDを摂取する製品。肺の毛細血管から吸収されるためすぐに効果を実感できる反面、持続時間は30分~1時間程度と短い
・CBD化粧品
CBDをファンデーションなどの化粧品に配合した製品
・CBDパウダー
CBD成分だけを分離させてできたパウダー状の粉末。食品や化粧品に混ぜたり、舌下摂取するなどいろいろな形で摂取が可能
信頼できる製品はどう選ぶ? CBD製品を購入するときに気をつけたいこと
気をつけたいのは、CBD製品は海外製のものが多く、大麻製品に対する基準が日本の基準とは異なる場合があること。特に注意したいのが、THCが含まれる量です。日本ではわずかに検出されただけでも違法となるので、CBD製品を購入するときには必ずTHCが含まれていないことを確認しましょう。
また、現状流通しているCBD製品の中には粗悪な品がないとも言いきれないので気をつけたいところ。そういった製品は、含まれているCBDの質が悪かったり、有害な物質が含まれている可能性もあるといいます。
海外のメーカーから個人輸入する場合や、フリマアプリなど個人で取り扱っているものを購入する場合は、要注意。CBDや大麻の専門知識があまりない状態で購入するのは控えたほうが無難です。信頼できるCBD製品を購入するには、日本の正規輸入代理店で購入するのが安心。海外のメーカーから公認を得て、日本で流通可能な安全な製品を取り扱っています。
また、良心的なメーカーであれば、研究所などの第三者機関に自社製品の検査を依頼したり、製品のラベルやWebサイトに成分表を掲載し、カンナビノイドがどの程度含まれているかも記載しています。販売している製品の品質や安全性についてきちんと開示していることも、信頼性を判断するポイントになりそうです。
以上のことに気をつければ、CBDは日々の体や心の調子をよりよく整えてくれるもの。不調に合わせて上手に取り入れてみると、思わぬ効果をもたらしてくれるかもしれません。
睡眠美容のエキスパートが語るCBDの効果とは?【最新・CBDの基礎知識 Vol.1】
日本カンナビノイド学会認定登録医、日本睡眠学会会員で皮膚科専門医でもある岩本麻奈先生の講演から、先生が提唱する“睡眠美容”に役立つCBDオイルの活用方法についてご紹介します。
岩本先生によれば、人間の体には“ホメオスタシス”を司る「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」というマスターコントロールシステムがあり、これが生命の存続、健康維持にとって非常に重要なのだとか。
医療や美容業界など、近年さまざまな分野で注目されている成分「CBD(カンナビジオール)」は、100種類以上あるフィト(植物性)カンナビノイドのひとつで、日本では麻(大麻草)の茎や種子から抽出される成分のみが流通しています。CBDには精神を高揚させる作用や中毒性がなく、ストレス緩和やリラックス効果があることが知られています。
ECSを向上させるためには、運動や食事、鍼灸、マッサージ、呼吸法、瞑想に加えてやはり質のよい睡眠がもっとも効果的。そして、体外から摂取する植物性カンナビノイドも、ECSの働きに作用することがわかっています。CBDの摂取によってもたらされる深い睡眠は、ECSの働きを活性化させ、健康維持や美容にも効果を発揮すると岩本先生は言います。
ストレスや環境の変化、体の不調などいろいろな要因で眠れない状態が続くと、精神的にも身体的にもつらいですよね。とにかく眠るために睡眠薬を処方してもらうというケースもありますが、睡眠薬や寝酒に頼る前に、CBDに精通した医師のいるクリニックに相談してみるのも解決策のひとつ。
岩本先生が提唱するのは、細胞再生や血行改善、自律神経の調整といった睡眠の恩恵を健康と美容に役立てる“睡眠美容”。先生の勤務するクリニック(「ナチュラルハーモニークリニック表参道」「グランプロクリニック銀座」)では、カウンセリングののち、ライフスタイルの見直しやサプリメントの処方、栄養ホルモン検査やアレルギー検査、睡眠に効果的な入浴法などの指導に加えて、CBDオイル(経口吸収)、CBDバーム(経皮吸収)の処方も行なっています。基本的に、CBDには重篤な副作用がなく使いやすいものの、個人のカンナビノイドトーン(エンドカンナビノイドの欠乏度合いの違い)によって摂取すべき適量が異なり、一日の標準摂取量は20~200㎎。薬やサプリを常用している人は薬物相互作用などもあることから、CBDに詳しい医師に相談するのがおすすめだそう。
CBDオイルってどんな症状に効くの? 依存性は? 臨床例をドクターが解説【最新・CBDの基礎知識 Vol.2】
実際の医療の現場での効果や臨床結果について教えてくださったのは、内科・心療内科・精神科・オーソモレキュラー療法(食事やサプリメントで栄養バランスを整え、人が本来持っている治癒力へアプローチする治療法)を行う「ナカムラクリニック」院長の中村篤史先生です。
中村先生がセミナーで紹介したのは、まず、帯状疱疹を発症して治療をしていた50代の女性の臨床例。塗り薬と飲み薬で皮膚症状は治まりましたが、足の痛みが強く、ひどいときは歩けないほど。歯の痛みと頭痛もあり、神経内科を受診したところ、帯状疱疹後神経痛(皮膚症状が治ったあとも続く痛みで、最も発症頻度の高い帯状疱疹の合併症)との診断で、痛みの原因は神経節に潜んだヘルペスウイルスでした。処方された薬はあまり効果がなく、神経ブロックの注射を打てば少し痛みはラクになるものの、注射での治療が一生続くのかと思うと暗い気持ちに…。ビタミンやサプリメントで痛みを軽減できないかと、中村先生のクリニックを訪れたのだそう。
クリニックの処方で、CBD 2700mg含有のCBDオイルを1回0.5ml、1日2回服用したところ、1週間で明らかな効果が見られました。「驚いたことに、飲んで数分で痛みがすっかりなくなっていることに気がつきました。3年間悩みつづけた痛みが、3分で消えたんです」とその女性。でも、痛みが消えるうれしさが手伝って、CBDオイルに依存してしまうおそれはないのでしょうか?
この懸念について、「CBDには依存性の心配はありません」と中村先生は言います。
「そもそもCBDオイルには、“ハイになる”といった劇的な精神活性作用のある大麻草の成分、THCが含まれていないので依存性はなく、お酒やタバコ、砂糖、コーヒーなどのほうが依存度は高いといえます。CBDオイルは、むしろアルコール依存など依存症に対する治療薬として使える可能性もあるのです」(中村先生)
セミナーでは、長年悩まされてきた体の不調がCBDで改善したという症例も紹介されました。中村先生のクリニックを受診し、CBD10%のオイルを1回0.5ml、1日2回服用。すると、吐き気がなくなったおかげで食事がとれるようになり、立ちくらみもなくなったそう。
また、クリニックでは、食欲不振からくる吐き気やパニックに悩む患者さんに、CBDオイルを食事の前に舌下に1滴入れるようにしてもらったところ、一瞬だけ吐き気を感じたものの、徐々にのどの違和感がなくなり、お米など通常の食事がとれるようになったというケースが紹介されました。
「CBDオイルは、不眠や疼痛、嘔吐、食欲減退などに効果があるほか、抗てんかん作用、免疫調整作用、抗炎症作用などがあることが確認されています。不安や慢性ストレスで悩む人にも効果が期待できます。0.4%程度の低い濃度や0.5mlといった少量であっても不調に劇的に効く場合がありますので、一度試してみるのもいいのでは」と中村先生。なかなか改善されない体の不調に悩んでいる人には、期待の持てる選択肢のひとつといえそうです。
カンナビノイドが人に効果を発揮するのはなぜ?【最新・CBDの基礎知識 Vol.3】
CBDの歴史と、効果的に使用するための健康法について、メディカルストレスケア飯塚クリニック院長で精神科専門医、臨床CBDオイル研究会代表の飯塚浩先生の講演からピックアップ。
1万年以上前から、人類は大麻草を多くの目的で利用してきました。茎から繊維をとって縄・布・紙などに利用したり、種子から油を取ったり、食用にしたり。花や葉、種子、根を薬用として利用したりもしています。麻の種子(麻の実)は栄養が豊富で、脂質25~35%、タンパク質20~30%、食物繊維20~30%のほか、鉄・亜鉛・マグネシウム等のミネラル、ビタミン類も豊富に含んでいます。
インド医学では、紀元前1000年頃から、鎮痛、抗痙攣、抗菌、下痢、胃腸炎、食欲刺激、気管支炎や喘息などに用いられ、欧州では1839年にアイルランドの医師が、その医療的な知見を欧米に紹介しました。昔から人間のいろいろな不調に効果が認められてきた大麻草ですが、そもそもなぜ人間に効果を表すのでしょうか?
「それは、大麻草に含まれる成分(カンナビノイド)が、人間の脳や体の機能を調節する生理的システム(エンドカンナビノイドシステム:ECS)の受容体に何らかの影響を与えるからです。受容体は刺激を受け取り、それを情報に変換して生体反応を引き起こす仕組みになっています。体内の内因性物質(内因性カンナビノイド)と同じように受容体を刺激する場合を"作動薬"、受容体をふさぎ内因性物質の邪魔をする場合を"拮抗薬"といいます」(飯塚先生)
大麻草の薬効の中心は、カンナビノイドと呼ばれる大麻草独自の約100種類のポリフェノール。CBDはその中でも主要な成分でテルペン類も多くの薬効を持っています。
「複数のカンナビノイドやテルペンなどの成分は、それぞれ個別の薬効を持っており、別々に摂取するよりも一緒に使用するほうが相乗効果を発揮します。これをアントラージュ効果といいます。カンナビノイドの働きを知ることは、人間の恒常性維持機能“ECS”の理解にもつながります。これらを理解し、活用することは、次世代の医学と健康の向上にとってとても大切だと考えています」(飯塚先生)
とはいえ、すべての不調にCBDが劇的に効くわけではなく、また、使用を続けるだけで効果を発揮するわけでもありません。飯塚先生によれば、近代西洋医学と代替療法や伝統医学を組み合わせて、患者一人ひとりに合わせた多種多様な治療を行なう「統合医療」を支える多くの健康メソッドは、すべてECSの働きに関係するのだそう。
CBDは不眠や食欲不振、体の痛み、精神的不調などにも作用を期待できますが、それらの不調や慢性病の治療・予防をしたい人は、現代の生活が人間に与えるダメージとその対処法をまず知ってほしいと飯塚先生は言います。
「不適切な食事や生活習慣、もののとらえ方(マインドセット)など、普段の生活のさまざまな面で、“当たり前”という思い込みには大きなリスクがあります。つらくてもそれが当たり前だからという考え方は、健康的ではありませんよね。いつも“機嫌よく”いられる人は、きっとECSがうまく機能している人。そのためのマインドセットや、栄養状態を保つ食事、サーカディアンリズム(体内時計)、運動など、自分なりの生活習慣つくり上げていきましょう」(飯塚先生)