今秋スタートするNHKの朝ドラ『ブギウギ』など、話題作品への出演が続く俳優・片山友希さん。インタビューの前編では、美容との向き合い方や毎日のスキンケアルーティン、メイクで感じる心の変化などについて伺いました。後編では、“希望”をキーワードにさらに、片山さんの内面に迫ります。
仕事が思うように入らなかった時期は、“ダークな部分”しかなかった
――ご自身でも特に好きだというリップのカラーが際立った今回のルック、素敵です! 前編とはがらりと雰囲気が変わりましたね。
片山さん:メイクルームでずらりと並んだリップを見て、今つけているオレンジ系のレッドカラーに特にひかれました。主役のリップに合わせたチークやシャドウも、「こう掛け合わせるんや!」と意外だったし、なんだかお花畑みたいな雰囲気で可愛かったです…!
メイクの解説は記事の最後をCHECK
――今回は、「『美しさ』ではなく、『希望』を掲げる」がコンセプトのビューティブランド『KANEBO』のコスメを使用しています。片山さんにとって「希望」を感じた瞬間はどんなときでしょうか。
片山さん:秋から始まるNHKの朝ドラ『ブギウギ』に出演させていただくのですが、ヒロインである俳優の趣里さんは、これまでもポジションの大きさに関わらず、どんな配役でもコツコツと経験を積まれてきた方というイメージがあります。私もデビューしてすぐにたくさんの役をいただけていたわけではないので、趣里さんがヒロインに選ばれたことにすごく勇気と希望をもらいました。やっぱりこの仕事って波があるし、よいことも悪いこともあるけれど、どんなことでも自分の力になると思っています。
――俳優として、なかなか願い通りにいかない時代があったんですね。
片山さん:小学生の頃にテレビに出る人になりたいと思ってから、うまくいかなかったり、仕事が思うように入らない時代は長かったと思います。その頃の自分の心の中には“ダークな部分”しかなくて、「コノヤロー!」っていつも思っていました。
それでも辞めなかった理由は、“意思の強さ”だと思います。負けず嫌いでもあるから、一回「俳優になりたい」と決めた手前、簡単にあきらめたくなかった。今思えば、その思いの強さが私の中の「希望」だったのかもしれないですね。
小学生の頃、バレエを習っていたという片山さん。朝ドラ『ブギウギ』でも、ラインダンスを披露しているそう。
自信をなくしてしまったら、「想像する」こと。悩み抜いた最後には、自分を褒めると決めている
――7月7日公開の映画『1秒先の彼』、8月6日より放送のドラマ『何曜日に生まれたの』(ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネット)など、さまざまな作品にご出演されている片山さんですが、そんな中でもふと希望が持てなくなったり、自分に自信をなくしてしまったりすることはあるのでしょうか?
片山さん:もちろんあります。私は結構考込むタイプなので、何かあると何日もずっと悩んでしまうんですよね。友達に悩み相談をされても、親身になりすぎて数日間考え込んでしまったり…。後日その友達に会ったら向こうはあっさり忘れていたりして、「なんやねん!」って思ったりすることもあるくらい(笑)。
でも、こんなに悩んで考えたなら、最後はもう“勝ち”だなって思っていて。「これだけ悩みに向き合えた私すごい! 偉い!」って、最終的には自分を褒めると決めているんです。そして、心が動く中で見えてきた感情を、仕事にも生かす。とことん考え抜くことで、次に進めるんだと思います。
あとは、自分に自信がなくなったり、悩みから抜け出せなくなったりしてしまったら、“想像”すること。目の前に、比喩ではなく実際に大きな壁があって、それを自分の力でよじ登って、超えていく姿を想像するんです。
以前、仕事で落ち込んで、すごく不安な気持ちが大きくなってしまったことがありました。そのときも、「これは、神様がチャンスを与えてくれているということだ」と思い、壁を登る姿を想像しながら闘志を燃やした記憶があります。心の中に漠然とあった「怖い」という感情も無視せず受け入れて、それを超えていく想像をしたら、不思議と怖くなくなったんです。
もちろん、色んな人から支えられたり助けてもらうこともたくさんありますが、最後は自分自身の力で乗り超えていく。そういう強い気持ちを持って挑むことが大切だと感じます。
どんなことがあっても、自分自身を肯定できる人でありたい
――素敵なセルフラブの方法ですね! そんな片山さんは、「今後こういう姿になっていきたい」という目標はありますか?
片山さん:どんなことがあっても、自分を卑下しない人です。後ろ向きになってしまう瞬間もあるけれど、自分のいいところを認めて、好きでいられる人でいたい。最終的にはいつも自分を肯定できる人間でありたいと思っています。
希望を表現する「カラーメイク」を解説
使ったコスメはこちら
(A)カネボウ ライブリースキン ウェア 全8色 30g 各¥11000・(B)同 アイカラーデュオ 20 ¥2530・(C)同 レイヤードフェースカラーズ 04 ¥5500(セット価格)・(D)Nールージュ 153 ¥4400/カネボウインターナショナルDiv.
♦︎SKIN
Aのクリームファンデーションを目の下の頰、広い部分にヴェールのようになじませ、素肌感を生かして。
♦︎EYE
Bのアイシャドウの、パープルaを指でまぶた全体から眉下あたりまで広めにのせ、bのグリーンを目頭だけに指で重ねる。アイライナーやマスカラはあえて使わず、引き算を。
♦︎CHEEK
Cのチークは、左のピンクを目尻から目の下に広くブラシで広げ、右のオレンジをその上部に重ねる。
♦︎LIP
リップブラシにDをとり、唇の内側にトントンと置くようにのせる。そうすることで自然と輪郭がぼけた仕上がりに。
新ドラマ『何曜日に生まれたの』(8月6日(日)よる10時スタート/ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネット)
脚本家・野島伸司が、5年ぶりに地上波連続ドラマに挑むオリジナル作品。27歳の黒目すい(飯豊まりえ)は、漫画家の父・丈治(陣内孝則)と二人で暮らす、ほぼ引きこもりの家事手伝い。彼女が部屋に閉じこもってから10年が過ぎた頃、丈治の連載の打ち切りが決定した。担当編集者の来栖久美(シシド・カフカ)は、生活のために「なんでもやります」とすがる丈治に、大ベストセラー作家の公文竜炎(溝端淳平)が原作を書き、丈治が作画を担当する、コラボを提案する。公文からの条件はただひとつ、すいを主人公のモデルにすることだった。
取材・文/森山和子 撮影/松岡一哲 スタイリスト/髙山エリ メイク/有泉志乃(TRON) ヘア/佐藤知子(mod’s hair) 企画・編集/種谷美波(yoi) 衣装/ドレス¥50,600/フェティコ(ザ•ウォール ショールーム・03-5774-4001) 他スタイリスト私物