仕事、友情、妊活etc…20代後半から30代のyoi読者には、モヤモヤの種がいっぱい。簡単に解決することではないけれど、マンガを読んでちょっと心が軽くなったらうれしいですよね。『女子マンガに答えがある』などの著書で、マンガを通して生き方のヒントを提示してきたトミヤマユキコさんに、読者から寄せられたお悩みに効く“処方箋”のような一冊を選んでいただきました。

トミヤマユキコ マンガ研究家

トミヤマユキコ

マンガ研究者

トミヤマユキコ

1979年生まれ、秋田県出身。ライターとして日本の文学・マンガなどについての執筆を行いながら、東北芸術工科大学文芸学科准教授として、日本のマンガやサブカルチャーについての研究および、編集・ライティング関連の講義を行っている。著書に『労働系女子マンガ論!』(タバブックス)、『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)、『40歳までにオシャレになりたい!』(扶桑社)、『文庫版 大学1年生の歩き方』(共著、集英社文庫)、『パンケーキ・ノート』(リトルモア)など。

お悩み:太っている自分が好きになれない…

「太っている自分の見た目が好きになれません。
ダイエットをしてもうまくいかず、ますます自分が嫌いになります」

トミヤマ's 処方箋:縞野やえ著・企画協力 MB『服を着るならこんなふうに』

縞野やえ著、企画協力 MB「服を着るならこんなふうに」 漫画

縞野やえ著・企画協力 MB『服を着るならこんなふうに』(KADOKAWA)
(c)縞野やえ・MB/KADOKAWA

STORY
ファッションに無頓着な27歳の会社員・佐藤祐介が、同窓会をきっかけに服に興味を持ち始め、ファッション好きの妹・環のレクチャーのもと、新しい自分に出会っていく物語。メンズファッション実業家のMBが企画協力し、ファッションの基礎をわかりやすく解説している。

“変われる自分”を好きになって!

トミヤマさん:「太っている自分の見た目が好きじゃない」。この悩みは、多くの人が1度は抱いたことがある悩みなんじゃないかと思います。私は相談者さんの文章を読んだときに、「ますます自分が嫌いになる」という部分が気になったのですが、これって、“太っている自分”ではなく、“変われない自分”が好きじゃないのではないでしょうか。だからまずは、痩せる以外の方法で、“自分が変われること”、また、“変わること”がどれほど面白くて、ドキドキすることかを味わってみるとよいと思います

そんな相談者さんには、『服を着るならこんなふうに』を処方します。縞野やえ先生が作画で、ファッション業界で有名なメンズファッションプロデューサーのMBさんが監修に入った作品で、服に無頓着な男性がおしゃれに目覚めていく過程を描いています。

縞野やえ著、企画協力 MB「服を着るならこんなふうに」 漫画 ユニクロ

男性の主人公の姿から、きっと勇気をもらえるはず

MBさんは、ブランドショップで高いものを買えばおしゃれになれるわけではなくて、「ユニクロ」でも人はおしゃれになれる。ファッションにおいて重要なのは、自分のスタイルに合う服選びだと伝えています。例えば、パーカーに合わせたダボダボのボトムスをスキニーシルエットに変えるだけで、スタイルがよくおしゃれに見えるといったファッション理論を体系的に教えてくれるんです。

この作品は、主人公が男性というのもポイント。女性の主人公がきれいになる話だと、この人は私より痩せているとか、私よりきれいだ…とか、同性であるがゆえに比べてしまい、参考にするよりも前に落ち込んでしまうといったケースも多いと思います。しかし、この作品は、異性が変化する姿を描いているので、変に比べて落ち込むことを回避できると同時に、「彼らがここまで変われるのなら私も変われるかも」と思えるんじゃないかなと。

縞野やえ著、企画協力 MB「服を着るならこんなふうに」 漫画 ファッション

今の体型でも、あなたはきっと変身できる!

もしかすると、女性と男性で、着こなしのセオリーが違うのでは? と思う方もいるかもしれませんが、そんなこともないんです。この作品には、ファッション初心者でもすぐに実践できる理論や、豆知識が詰まっていて、私もとても勉強になりました。特に、1巻に出てくる「服にはドレスとカジュアルがあって、そのバランスを意識することが大切」というエピソードは、ものすごくためになりましたね。これを知っているだけでも、服選びのしかたが変わり、見た目が変わります!

ダイエットを考える前に、まずはこの作品を読んで、今の体型でも魅力的に変身できることを実感してもらえたらうれしいです

撮影/井手野下貴弘 取材・文/海渡理恵 企画・構成/木村美紀(yoi)