yoi編集部員のK&Tと、ライターRの3人が、個人的に「yoi!」と思うアイテムやエンタメなどを紹介する連載「yoiチョイス!」。第15回は、「ゴールデンウィークに観たい映画」をテーマに語り合います。
♡メンバープロフィール♡
エディターT:1993年生まれ。yoi編集部員。家で配信を見るより映画館派。新作を見た後に、考察のPodcastやYouTubeを観るのが至福。
エディターK:1992年生まれ。yoi編集部員。「Netflix」「Amazon Prime Video」「U-NEXT」「Disney+」「Hulu」「Apple TV」に加入している。
ライターR:1991年生まれ。ドキュメンタリーと、音楽のセンスがいい映画が好き。最近、心が震えた作品は『パスト ライブス/再会』
香港、フランス、インド、NY……旅気分を味わえるショートトリップ映画
エディターT:今年のゴールデンウィークは遠出できなさそうで……、旅気分に浸れるおすすめ映画を教えてほしいです!
ライターR:じゃあ、『場所はいつも旅先だった』はどうかな? 文筆家、書店オーナー、「暮しの手帖」元編集長など、さまざまな肩書きを持つ松浦弥太郎さんが初監督を務めたドキュメンタリー映画で、アメリカのサンフランシスコ、スリランカのシギリア、フランスのマルセイユ、オーストラリアのメルボルン、台湾の台北&台南といった、世界5カ国・6都市にて、現地の人々の日常の営みを収めた作品です。脚本家・演出家の小林賢太郎さんによる、松浦さんの言葉の朗読もすごく心地よくて。「あ〜まだ見ぬ世界を旅して、五感をフル稼働させたい!」と思わせてくれます。
エディターT:予告からして惹き込まれる〜!!
松浦弥太郎初監督映画『場所はいつも旅先だった』予告篇フルバージョン
ライターR:でしょう〜。縁側で旅エッセイを読んでいるような感覚になる作品です。あと、ドキュメンタリーなら『聖者たちの食卓』もいいかも。インドのシク教総本山にあたる黄金寺院が舞台で、ここでは毎日約10万食が無料で巡礼者や訪問者のために提供されているそう。チャパティを作るシーンはずっと観ていられるし、「食べること」の尊さを再認識した。
映画『聖者たちの食卓』予告編
エディターK:アジアの持つカオスなムードを感じるなら、やっぱりウォン・カーウァイ作品じゃない? 香港映画の黄金期に作られた『恋する惑星』『花様年華』『天使の涙』とか、彼の映画はどれも画が美しくて、これぞ映画って感じがする。
ライターR:最高ー‼︎ トニー・レオンや金城武のカッコよさ、フェイ・ウォンのチャーミングさが半端ないよね!!
『恋する惑星』レストア版
©1994, 2008 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.
U-NEXTで配信中
エディターK:あと、1993年に開催された第46回カンヌ国際映画祭にて、中国語映画では史上初のパルム・ドール賞受賞という快挙を成し遂げた一大抒情詩『さらば、わが愛 覇王別姫』も最高。京劇やレスリー・チャンの美しさにうっとりする。
ライターR:あぁ…この作品も本当に素晴らしいよね! 名優たちの演技に胸を打たれる。
エディターK:傑作だよね。物語の時代は、国民党政権下の1925年から、文化大革命時代を経た1970年代末までの中国激動の50年。主人公は、京劇の俳優養成所で兄弟のように支え合って、厳しい稽古に耐えてきたチョン・ティエイー(レスリー・チャン)とトァン・シャオロウ(チャン・フォンイー)。彼らは、やがて人気演目「覇王別姫」を演じる大スターにのぼり詰めるまでに成長します。女形を演じるティエイーは、覇王役のシャオロウに特別な感情を抱いているんだけれど、シャオロウは娼婦のチューシェン(コン・リー)と結婚してしまい…といった内容です。
映画『さらば、わが愛/覇王別姫 4K』予告編【7月28日(金)公開】
ライターR: 最近の香港映画なら、ウォン・カーウァイや香港スターなど、80年代のアジア文化へのオマージュ満載の『29歳問題』(2018年公開)がおすすめ。30歳を迎える対照的な二人の女性の物語で、パリに行きたくなるし、生き方を考えるきっかけにもなるんじゃないかなと。
エディターT:パリで思い出したのですが、北フランスのリールが舞台の『アデル、ブルーは熱い色』。舞台になっている街に学生時代に住んでいたことがあって、特別な思い入れがある作品です。作中に何度もボロネーゼのパスタを食べるシーンが出てくるのですが、それが本当においしそうなんですよねえ…。
アデル、ブルーは熱い色
ライターR:あと、ニューヨークの風を感じたいならジョン・カーニー監督の『はじまりのうた』がいいかも。恋人に裏切られた主人公のグレタ(キーラ・ナイトレイ)が、落ちぶれた音楽プロデューサー(マーク・ラファロ)と偶然出会い、ニューヨークの街中でレコーディングしたアルバムを制作するという内容です。ふたりが、街中を練り歩くシーンが最高で! お気に入りの音楽を聴きながら、散歩したくなる映画でもあります。あと、この監督が手がけた、アイルランドのダンブリンが舞台の映画『シング・ストリート』も素晴らしい。どちらも曲中で流れる音楽が良いところも魅力です!
「はじまりのうた」
©️2013 KILLIFISH PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
U-NEXTで配信中
脳の休息にぴったり!! ワクワクドキドキのファンタジー作品
エディターK:シリーズものの映画で、ゴールデンウィークにおすすめの作品ってある?
エディターT:ゴールデンウィークは、仕事で疲れた脳を休ませたいので、社会派の作品よりは、ワクワクドキドキするファンタジー系のシリーズものが観たいかも。そうなると、やっぱり『ハリー・ポッター』シリーズ?
ライターR:何度観ても飽きないよね。ダイアゴン横丁でお買い物するシーンや、食堂での食事シーンはワクワクするから好き。
エディターK:ファンタジー系なら『ホビット』シリーズもいい。J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』を原作にしたシリーズ映画『ロード・オブ・ザ・リング』よりも60年前の世界を舞台にした、ホビット族の物語です。『ロード・オブ・ザ・リング』よりも物語が明るく、「冒険!」って感じがするので、楽しみたいときにはこちらがおすすめ。
ライターR:『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズは、1、2作目が約3時間。『ホビット』シリーズも、だいたい2時間半越えで、最近の映画よりもかなり時間が長いから、時間に余裕のあるゴールデンウィークにこそ観ておきたい作品だよね。ファンタジー系のシリーズものだと、ゲーム盤の出来事が実際に起きてしまうというゲームに挑む『ジュマンジ』シリーズや、夜になると動き出す自然史博物館の展示物と警備員の『ナイト ミュージアム』シリーズもいいなぁ〜。
エディターK:やばーい! 懐かしいーー!!
エディターT:ファンタジー系のシリーズものって意外とあるんですね。どれから観よう…悩んじゃいますね(笑)。
「ホビット 思いがけない冒険」
© 2012 Warner Bros. Ent. TM Saul Zaentz Co.
U-NEXTで配信中
ゴールデンウィークは懐かしさに浸ろう! アラサー編集部員が学生時代に流行ったティーン映画
エディターK:ねぇ、ブレイク・ライブリーが出てる『旅するジーンズと16歳の夏』、学生の時に流行らなかった?
ライターR:あぁぁ〜流行った! 懐かしすぎて、胸が苦しい…(笑)。センスのいい友達が、その映画の原書であるアン・ブレイシェアズの「The Sisterhood Of The Traveling Pants」を読んでて、TSUTAYAでビデオを借りて観た記憶。
エディターT:知らなかった…。学生時代、10代の頃は外で遊んでばかりいてあまり映画を観てなくて。どんな作品なんですか?
エディターK:生まれた時からずっと一緒の仲良し4人組が主人公。彼女たちは、16歳の夏に初めて離れ離れで過ごすことになるんだけど、ある日、古着屋でまったく異なる体型の4人全員にぴったり合う不思議なジーンズを見つけるの。そこで彼女たちは、このジーンズを友情の絆として交代ではくことに。ひと夏の間に、それぞれが悩みながら成長する姿に胸を打たれるし、前向きな気持ちになれるティーンムービーの名作!
ライターR:この作品の3年後を描いた『旅するジーンズと19歳の旅立ち』もよくて、ギリシャのサントリーニ島のシーンはうっとりほどきれいだよね。
「旅するジーンズと16歳の夏」
©Dungaree Productions, LLC
U-NEXTで配信中
ライターR:ティーン時代に流行った映画だと、地味な女子高生・ミア(アン・ハサウェイ)が、実は一国のプリンセスで大変身を遂げる『プリティ・プリンセス』も好きだったな〜。この作品を観ると、おしゃれ欲が掻き立てられて、買い物に行きたいってなるんだよね。
エディターK:わかる〜!! あと、ティーン映画の金字塔、リンジー・ローハン主演の『ミーン・ガールズ』もすごく流行ったよね。女子同士の妬み嫉みが生んだバトルシーンは、当時共感したなぁ(笑)。
ライターR:学生時代特有の人間関係の面倒くささの描き方が上手いよね。10代の時に観ていた映画は、当時の自分が考えていたことや、好きだったことを思い出させてくれて、原点回帰できるからゴールデンウィーク中に観直そうかな。
エディターT:たしかに。私も青春時代を支えてくれた作品をじっくりと振り返ってもいいなぁ。では、今回はこのへんで。また次回お会いしましょう。
全員:みなさん、素敵なGWを〜!!
画像デザイン/前原悠花 取材・文/海渡理恵 企画・編集・イラスト/木村美紀(yoi)