心地よさを求めて、yoiが考えるファッションストーリー。第5弾【デニム×自分軸】では、「今」を表現し続ける最先端の海外ブランドをピックアップ。ブランドが掲げるコンセプトやデザイナーの意図を知ることで、ファッションから心地よい刺激を受け取ろう。
「デシグアル」がヘド・メイナーと提案する、ジェンダーレスのデニムコレクション
デニムジャケット¥49,900/デシグアル × ヘドメイナー (デシグアル 東京 銀座中央通り)
中に着たシャツ/スタイリスト私物
Desigual × Hed Mayner
画一性に逆らい、自分の個性を自由に表現したいという想いをコンセプトに、1984年にスペイン・バルセロナの地で誕生したファッションブランド「デシグアル」。
日本語で「同じではない」という意味のブランド名そのままに、創業以来、多様性や個性、独自性に重きを置き、サスティナビリティを100%追求するコレクションを発表するなど、時代の先端を突き進んできた数少ないブランドのひとつ。
そんな「デシグアル」とパリに拠点を置くデザイナー、ヘド・メイナー氏がタッグを組み、デニムアイテムをはじめとするコラボコレクションを発売。
注目すべきは、ブランド初の100%ジェンダーレス・コレクションという点。メンズのベーシックアイテムをベースに、シルエットや構造を再解釈し、ユニセックスなアイテムを提案している。
デニムジャケット¥49,900、デニムパンツ¥33,900/デシグアル × ヘドメイナー (デシグアル 東京 銀座中央通り)
中に着たシャツ、シューズ/スタイリスト私物
“フラット”をテーマにしたというこのコレクションはスクエア型のパターンが特徴的で、ボリューミーなシルエットを得意とするヘド・メイナー氏の魅力が表現されたアイテムがそろう。
ドロップショルダーのジャケットやワイドパンツなど、ジェンダーレスで楽しめるアイテムに、改めてファッションの自由さを感じたい。
「ニコロ・パスカレッティ」の“アンドロジナス”なデニム表現
デニムスカート¥214,500、前後逆に着たホワイトトップス¥108,900/ニコロ パスカレッティ (アデライデ)
中に着たシャツ、ソックス/スタイリスト私物
NICCOLO PASQUALETTI
「ザ・ロウ」や「ロエベ」で研鑽を積んだイタリア出身デザイナーのニコロ・パスカレッティ氏が、2021年に自身の名を冠して設立したブランド「ニコロ・パスカレッティ」。
意図的にメンズとウィメンズの境界線を曖昧にし、アート作品を創るかのように緻密にデザインを仕上げるウェアはどれもジェンダーレス。アーティスティックなウェアだけでなく、彫刻のようなジュエリーなど、どの性にも縛られないアイテムは、まさにアンドロジナス(※)という表現がぴったり。
※典型的な男らしさや女らしさに当てはまらず、それらの両方の特徴を併せ持っていたり、もしくはそのどちらでもない、そのあいだの特徴を持っているというジェンダー表現のタイプ。
デニムスカート¥214,500、前後逆に着たホワイトトップス¥108,900/ニコロ パスカレッティ (アデライデ)
中に着たシャツ、ソックス、シューズ/スタイリスト私物
着こなし方さえ、着用者にゆだねられている「ニコロ・パスカレッティ」の服。ダブルジップによりスリットを作ることができるデニムのロングスカートは、まさにブランドのアイデンティティが詰まったアイテム。
シャツにレイヤードした、大きく穴のあいたホワイトのトップスは、前後どちらでも着用可能。
直感的に楽しめるファッション。その裏側には、時代を反映したいくつものキーワードが潜んでいる。デニムというデイリーに着られるアイテムをきっかけに、ブランドのストーリーや服に込められた思いをのぞいてみて。
問い合わせ先
・アデライデ 03-5474-0157
・デシグアル 東京 銀座中央通り 03-6264-5431
フォトグラファー
1998年生まれ、秋田県出身。東京工芸大学写真学科中退。
2017年に発表された作品群「hill」を皮切りに、作品展示、パブリケーションを通して、実験的な作品を多数発表している。主な作品に「autonomy」(2019)、「project "cejitos"」(2023)など。
撮影/青木柊野(W) スタイリスト/小笠原夏未 ヘア&メイク/植條未来 モデル/TAIRA(TOMORROW TOKYO) 構成・取材・文/多田綾子