心地よさを求めて、yoiが考えるファッションストーリー。第6弾【デニム×自分軸】では、日本を基盤に活動している個性さまざまなジャパニーズブランドにフォーカス。各ブランドが貫くアイデンティティや女性像とともに、新作のデニムアイテムをご紹介。
エフォートレスでセンシュアル。デザイナー舟山瑛美が手がける「フェティコ」のデニム
デニムワンピース¥85,800、ブラトップ¥27,500、シューズ¥52,800/フェティコ (ザ・ウォール ショールーム)
タイツ/スタイリスト私物
FETICO
デザイナー舟山瑛美が2020年にスタートした「フェティコ」は、「The Figure : Feminine(その姿、女性的)」というコンセプトのもと、ボディラインを強調したシルエットを得意とし、強くセンシュアルな女性像を打ち出している。
女性が自分自身のために服を選び、またそれを纏うことで自己肯定感が高められるように、との思いが込められた「フェティコ」の服は、概ねエフォートレスでリラックス感のある服やスタイリングが評価されている昨今のファッショントレンドの中でも突出した存在感を放っており、業界からの支持も厚い。
背中や腰など、しなやかさや滑らかなボディラインを露出するようなデザイン。ブラックのブラトップや網タイツを合わせることで、より力強さを演出している。
FETICO→
カジュアルなデニム素材を構築的に仕上げる「チカ キサダ」
デニムジャケット¥70,400、上に重ねたデニムブラトップ¥42,900、パンツ¥53,900、ロングタイツ¥31,900/チカ キサダ (エドストローム オフィス)
シューズ/スタイリスト私物
Chika Kisada
幼少期からクラシックバレエを学び数々のコンクールで受賞してきた経歴を持つデザイナーの幾左田千佳。自身の名を冠して2014年に立ち上げた「チカ キサダ」は、「バレエのエレガンス、パンクの生命力。その儚さと強さ、相反するイメージの融合から生まれる“強いエレガンス”」をコンセプトにコレクションを発表。
柔らかなチュールをふんだんに使った立体的なデザインは、バレエダンサーの動きの残像から着想を得ている通り、どれもロマンティックで幻想的だ。
前身頃がクロップドされた大胆なデザインのデニムジャケットに、同素材のブラトップをレイヤード。カジュアルなデニム素材を構築的なデザインにより、クールかつエレガントに仕上げた。
Chika Kisada→
身につける人が誰よりも強さと自信を持てる「ヴィヴィアーノ」のデニム
デニムハット¥16,500、カラー¥22,000/ヴィヴィアーノ
トップス/スタイリスト私物 ピアス/モデル私物
VIVIANO
中国に生まれ、アメリカで育ったヴィヴィアーノ・スーが、文化ファッション大学院大学を修了後、 2015年に自身の名前を冠したブランド「ヴィヴィアーノ」をスタート。アヴァンギャルドをモットーに、ジェンダーに関係なく身につける人が誰よりも強さと自信を持ち合わせられるように、唯一無二の服を作り続けている。
2024年春夏シーズンのテーマは“LeBelÉté(美しい夏)”。1967年に公開されたフランス映画『ロシュフォールの恋人たち』がインスピレーション源で、明るい日差しを浴びながら、港町で旅芸人たちがダンスするシーンを彷彿とさせるようなポジティブかつ独創的なコレクションを発表した。
ヴィヴィアーノが手がけたデニムアイテムは、映画の冒頭に出てくる海兵を連想させるセーラーハット。存在感のあるデニムのハットは、コーディネートの主役になる特別感のあるアイテム。バックにあしらわれたストリングスで、後ろ姿もキャッチーに。
VIVIANO→
他のどのブランドにも無い、個性を光らせるジャパニーズブランドが手がけるデニムのアイテムはどれも力強くて印象的。自分にしかできない着こなしを通じて、自分だけの強さや前向きな気持ちを身につけることができるかもしれない。
問い合わせ先
・ヴィヴィアーノ 03-3475-5725
・エドストローム オフィス 03-6427-5901
・ザ・ウォール ショールーム 03-5774-4001
フォトグラファー
1998年生まれ、秋田県出身。東京工芸大学写真学科中退。
2017年に発表された作品群「hill」を皮切りに、作品展示、パブリケーションを通して、実験的な作品を多数発表している。主な作品に「autonomy」(2019)、「project "cejitos"」(2023)など。
撮影/青木柊野(W) スタイリスト/小笠原夏未 ヘア&メイク/植條未来 モデル/TAIRA(TOMORROW TOKYO) 構成・取材・文/多田綾子