美容ライター長田杏奈さんが、「体・心・性」に関する日々の気づきをもとに、それにまつわるコスメやコンテンツを紹介する連載『ゆるぱわめんとコスメ』。今回は、「最近、無性に“可愛いもの”にひかれる」という長田さんに、ふっと心が緩まるような、ときめくアイテムを教えてもらいました。
「大人は洗練されているべき」のプレッシャーから自由になる
長田:今って、少し世相が暗いというか、徐々に物価も上がりはじめて、世界情勢も不安定で…社会全体として不安な気持ちが続いていますよね。それでも、「大人として自分を奮い立たせて頑張らなきゃ!」と感じている人が多い気がする。私自身もそうでした。
そんなとき、たまたまサンリオショップに寄ったら、子どもの頃に大好きだったキャラクター「ハンギョドン」と目が合って、あまりの可愛さにすごく癒されたんです。自分でも気づかないあいだに緊張してこわばっていた体から、ふにゃ〜っと力が抜けて、いろいろなことが「まあ、いいか」って思えたような感覚。
昔つけていた香水を嗅ぐと当時の思い出が蘇ることがあるけれど、サンリオのキャラクターを見ると一瞬で昔に戻ってリラックスできるような気がします。「〇〇せねばならぬ!」というプレッシャーからいったん距離をとって、「大人ぶらなくていいよ」って寄り添ってくれる感じ、というのかな。そんな“可愛いもの”が今の自分にはちょうどいいんです。
長田さんが好きだったキャラクター「ハンギョドン」のポーチ
心の温度が上がる、ときめき春コスメ
長田:“可愛いもの”にひかれるなかで、最近はコスメも心が緩むようなアイテムを手に取ってしまいます。長らく大人っぽいくすみ系が人気だったけど、ペタルカラーのような“ときめく色”が使いたい。今回は、そんな気分にぴったりのおすすめコスメを紹介します。
アイメイクは薄いヴェールをまとうように
アディクション ザ アイシャドウ クリーム
(左上)アディクション ザ アイシャドウ クリーム 016C・(右上)アディクション ザ アイシャドウ クリーム 114C・(左下)アディクション ザ アイシャドウ クリーム 015C・(右下)アディクション ザ アイシャドウ クリーム 113C(各)¥2,200/アディクション
長田:目元は『アディクション』の「ザ アイシャドウ」を重ねづけしました。このシリーズはパールやスパークル、マットなどいろんな質感がありますが、クリームタイプは表面がサラッとしていてつけ心地が軽やか。発色は穏やかですが、光とツヤの美しいヴェールをまとうようなニュアンスが気に入っています。
HOW TO USE
016C(写真左上)のパープルをアイホール全体と目頭に入れて抜け感を出したら、二重幅だけに、015C(写真左下)のピンクを重ねる。
チークはあえて“浮く”ペタルカラーを
ペタル リキッド リップ アンド チーク 01 ¥3,300/to/one
長田:チークには、あえて肌になじみすぎない、白みがかったペタルカラーのアイテムを選びました。マットすぎず肌にのせると透け感が出て、ちょっと元気な表情にしてくれます。
リップは青み&キラキラで快活に
KANEBO モイスチャールージュネオ
(左)モイスチャールージュネオ EX7(限定)・(右)モイスチャールージュネオ 302(各)¥4,400/KANEBO
長田:「塗るとどんな色になるんだろう」ってワクワクするマーブルのリップは、『KANEBO』。今回のメイクには、ライトブルーの偏光パールが入った302(写真右)を使用。唇にのせると、青みがかった鮮やかなピンクになるんです。限定色のEX7(写真左)はブルーグリーンのようなラメが入っていて、塗ると落ち着いたオレンジブラウンになります。どちらもパールがキラキラッと輝いてときめく。塗り心地はとても柔らかく、うるおいで唇を満たしてくれます。
ポール & ジョー リップスティック
リップスティック 14¥2,200・同 ケース CS 073 ¥1,100/ポール & ジョー ボーテ(ケースのみ限定)
長田:ほかにも『ポール & ジョー』の「リップスティック」もとってもよくて。マスク生活が続いて、しばらくマットな質感が多かったけれど、春はシアーな薄膜のツヤを楽しみたい気分です。このリップは、話したり笑ったり、そんな時間を心から楽しめるほどにフィット感のある処方で、その快活なコンセプトにひかれました。パッとつけるだけで顔色が明るくなるから、「すべてなんとかなる!」と前向きな気分になれるリップです。
ディオール アディクト リップ マキシマイザー
ディオール アディクト リップ マキシマイザー 010 ¥4,620/パルファン・クリスチャン・ディオール (1/20(金)新発売)
長田:大人気「リップ マキシマイザー」の、ホログラムが入っているアイテム。唇にのせるとキラキラ輝いて、“光の魔法”をかけたような雰囲気が楽しめます。
春の息吹を指先から感じて
コスメデコルテ ミモザ ネイル
(左)ミモザ ネイル 03・(右)ミモザ ネイル 02 ¥2,200(ともに限定)/コスメデコルテ
長田:ネイルには、『コスメデコルテ』の「ミモザ ネイル」を。3月8日の国際女性デーにちなんで、ミモザの花をイメージしたイエローのネイル3色がリリースされます。売上の一部は、日本の伝統工芸の分野で活躍する女性や、次世代の伝統工芸職人を育成する支援に活用されるんだそう。それぞれのネイルには、01 affection(愛情)、02 confidence(自信)、03 determination(決断)と前向きな名前がつけられています。
春はミモザだけでなく、たんぽぽとか山吹とか菜の花とか…黄色い花がとても多いですよね。だから、黄色の物を身につけると、だんだんと気温が上がって空気や土のにおいが変わっていく、季節の息吹を感じられるような気がします。
ひたむきな姿に心洗われる癒しコンテンツ
長田:「ハンギョドン」は子どもの頃に大好きだったサンリオキャラクターで、最近サンリオショップで再会して以来、熱が再燃。愛用しているハンギョドンのポーチ(写真左)は可愛い見た目だけじゃなく、ふわふわの感触にも癒されています。
『ちいかわ』は今、日本中で大ブレークしているアニメです。“小さくてかわいいやつ”の通称で、キャラクターたちは、物語の中で時々不条理な目に遭ったりもするけれど、それでもけなげに楽しく生きている。どこかちょっとかわいそうなところも、日々頑張っている人の心にフィットしてるのかなって。今回持ってきたポストカード(写真上)、ピンどめ(写真中央)、消しゴム(写真右)は、先日娘とキディランドで購入したもの。こういうグッズを見ていると、小学生の頃を思い出してどうしようもなく懐かしい気持ちになります(笑)。
眠そうな目をした犬のキャラクター「オラフ」(写真下)は、スヌーピーの兄弟の中の一匹。ストーリーの中で、“みにくい犬コンテスト”で優勝したという経歴があるのですが、本人はちっとも気にしてない。そんな、マイペースに生きているところが好きです。ちょっとだけ舌が出ているところが、先代の愛犬ちょんまげに似ていて、そこにもひかれる。オラフのヘアバンドも持っていて、家でつけていると自分でも笑えて元気になります(笑)。
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“ついニコニコしてしまうもの”を視界に入れてみよう
長田:私たちは、大人になったら“本質的なもの”、“シンプルで洗練されたもの”を持つのが当たり前、という刷り込みがどこかにあると思うんです。幼い頃夢中になったキャラクターグッズや可愛いものは、「ノイズ」とされて空間から排除されてしまう。もちろん、ミニマルな暮らしはとても素敵だけど、私はインテリアの中に「あれ?」と思うものもあっていいと思っていて。
メイクでもコンテンツでもぬいぐるみでも、自分の心をほぐしてくれて、目に入った瞬間にニコニコしちゃうもの。つい頑張りすぎてしまう人は、そんなアイテムを視界に散りばめてみるのもいいかもしれません。
撮影/shina peng スタイリスト/Yuna Kume 取材・文/浦本真梨子 企画・編集/種谷美波(yoi)
ピアス ¥26,400・リング ¥34,100/critical : lab (PR01.) その他/スタイリスト私物