「時間があれば〇〇をやってみたい」「〇〇に行ってみたい」…そう思いつつ、忙しくてなかなか行動に移すことができない。そんな毎日を送る社会人におすすめなのが、「アーティストデート」です。今回は、ジュリア・キャメロンさんの書籍『新版 いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』(ジュリア・キャメロン著)をもとに、「アーティストデート」について解説。記事の後半では、ライター・毒島サチコが実際にアーティストデートを実践した様子をお届けします。

『新版 いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』(ジュリア・キャメロン著)

『新版 いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』
ジュリア・キャメロン著/サンマーク出版

「アーティストデート」とは?

アーティストデート とは? やり方 遠足

アーティストデートとは「1週間に1回、楽しいことを探すためにする一人の遠足」のこと。

自分の中の内なる子ども(アーティスト・チャイルド)と一緒に遠足をし、興味をひくものや魅了されるものを探すことで、子どもの頃に持っていたワクワク感を取り戻すことができるそう。

どこに行くか、何をするかは、“新鮮でワクワクする経験”であれば、何でもOK。自分が純粋にしてみたいと思うこと(=自分の中の子どもを楽しませること)をする、これだけです。

例えば…
・田舎道の散歩
・美術館や演劇鑑賞
・ビーチへのドライブ
・子どもの時に読んだ絵本を探すための書店めぐり
・子どもの頃に好きだったお菓子を焼く

今までやりたくてもできなかったことや、子どもの頃に好きだったことを実践することで、創造性を回復させるのが、アーティストデートなのです。

「アーティストデート」のルール

アーティストデート ルール やり方

アーティストデートを実践するうえで、留意しておきたいルールは以下の通り。

①前もって計画しておき、予定をずらさないこと
突然やらなければいけないことが次々に浮かんできても、安易にキャンセルしてはいけません。事前に誰かと会うときと同様、ずらさないようにスケジュールに組み込みましょう。

②誰かとではなく、一人で行うこと
家族や親しい人が「一緒に行きたい」と言っても必ず一人で行うことが大切。一人で実行してこそ、自立の感覚が高められます。

③お金ではなく、時間をかけること
子ども向けの本屋に行ってみたり、園芸用品展に立ち寄ったり。新鮮でワクワクできることなら、お金をかける必要も風変わりである必要もありません。

「アーティストデート」と「モーニングページ」の違いは?

「アーティストデート」は、『新版 いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』の中で一緒に紹介されている「モーニングページ」と混同されることが多いです。いずれも創造性回復のためのツールですが、ふたつはまったく別物です。

●アーティストデート…週一回、一人で行うの遠足のこと。「インプット」するためのアクティビティ。リスク覚悟で未知の世界に踏み出す方法を教えてくれる

●モーニングページ…毎朝のライティングのこと。書くことで「アウトプット」するワーク。自分に正直になるやり方や、自分自身を思いやる方法を教えてくれる

「アーティストデート」を実践、体験してみた!

さて、ここからは、実際にライターがアーティストデートを実践してみた様子をレポート。まずは計画を立てることから始めます。アーティストデートの4日前、Google カレンダーに「アーティストデート」の予定を2時間組み込みました。この“予定に組み込んで実行すること”が意外と難しい!



仕事でスケジュールを事前に立てることに慣れているのに、アーティストデートの予定と言われると、途端に「いつ、何をしよう」と悩む…。また、自分の意志によっていくらでも予定をキャンセルできてしまうので、「絶対にキャンセルしない!」という強い意志で事前にスケジュールを確保しました。

ずっと行きたかった『根津美術館』へ

アーティストデート やり方 根津美術館

悩んだ末、東京都港区青山にある『根津美術館』に行くことにしました。通っているヘアサロンの近くにあり、「いつか行ってみたい」と思いながら、ついつい先のばしにして、気づけば数年が経っていました。まさに、アーティストデートにぴったりの目的地です!

アーティストデート やり方 根津美術館 2

まずは美術館に併設されたカフェへ。お店に入ると、窓側のカウンター席に案内されました。普段、一人でカフェに立ち寄ることもありますが、つねにスマホやPCで仕事をしたり、ニュースやSNSで流れてくる情報を見続けてしまったり。今回はゆっくり時間を楽しもうと決めて、窓から景色を楽しむことに。新鮮で、どこか懐かしい気持ちになる時間でした。

アーティストデート やり方 根津美術館 3

アーティストデート やり方 根津美術館 3

写真を撮った後は、スマホをしまい、窓から庭園を眺めました。こうやってスマホを手放し、一人でゆっくり自然を眺めるのはいつぶりだろう。もしかしたら、小学校の自然学習以来かも? 「そういえば昔、葉っぱの絵を描くのが好きだったなあ…」と、過去の記憶がよみがえります。

カフェを出てからは、展示物を見て回り、最後は庭園を散歩しました。「これはなんの木だろう?」「これはなんの花だろう?」と、ひとつひとつの植物を、ゆっくり見て回ります。まるで大人の冒険。春になったら植物をベランダで育ててみようかな…と妄想がふくらみます。

アーティストデート やり方 根津美術館 4

“大人の冒険”アーティストデートの感想

こうして、私の1時間半のアーティストデートは終了。久しぶりに心から、ワクワクドキドキすることができました。帰る頃には「やるぞ!」という気持ちになり、午後からはすっきりした気持ちで仕事に向かうことができました。アーティストデートを事前に予定として組み込むことで「時間があれば行こう」を先のばしにすることなく「行って(やって)みたかった」を実現できるのも◎。次は、また別の美術館に足を運んでみようと思います!

「アーティストデート」はこんな人におすすめ!

今回、アーティストデートを実践して一番大切だと思ったのは、事前に時間を確保し、スケジュールを動かさないこと。それさえ実行できれば、あとは気の赴くまま、自分の好きな場所を訪れてインスピレーションを得るのみです。

忙しい日々の中で、「創造性=ひらめきやアイデア」は、少しずつ消費されてしまうもの。仕事で予定がいっぱいの人、普段なかなか自分の時間を確保できない人は、アーティストデートを実践することで、忘れかけていたワクワク感を取り戻すことができるはずです。


皆さんもぜひ、アーティストデートで忘れかけていたトキメキを取り戻してみてはいかがでしょうか。

取材・文/毒島サチコ 構成/種谷美波(yoi) 画像/Eakachai Leesin・Theerapat Pawaprom(shutterstock)