近年、都会での新しい暮らし方として注目を集めているのが「ハイブリッド型シェアハウス」。一人暮らしとは異なり、居住者同士がコミュニティを共有しながら、自分のペースで暮らせるのが魅力。今回は、都内の「SOCO HAUS KORAKUEN」に住む3人の住人にインタビューし、リアルな暮らしの実態についてお話を伺いました。
<座談会参加者>
Aさん
20代後半。佐賀県出身。宿泊業界でフリーランスとしてサービスアドバイザーを務める。趣味は素敵なホテルに泊まり、非日常を過ごすこと。入居して半年が経過。
Bさん
30代後半。東京都出身。教育・医療・福祉業界で働いている。趣味は料理。バリエーションを増やしたいと日々邁進中。入居して3カ月が経過。
Cさん
20代後半。栃木県出身。広告・マーケティング業界で働いている。趣味はワーケーションとして、国内旅行をすること。入居して3カ月が経過。
一人暮らしではなく、シェアハウスでの暮らしを選んだ理由
Aさん:福岡から東京への引っ越しを検討していたタイミングで、尊敬しているホテルプロデューサーの龍崎翔子さんがプロデュースする新しいシェアハウスがあると知り、仕事にもプライベートにもいい影響がありそうと思って、すぐに決めました。
yoi編集部 高浦:地方から東京に住むとなると、エリア選びが難しかったり、間取りの感じが地方とは違ったりして不慣れなこともあると思いますが、シェアハウスは一人じゃないし、不安が軽減されそうでいいですね。
Aさん:そうなんです! 土地勘がなかったり、頼れる身内が近くにいないと、怖いのが自然災害。ハザードマップを見て、ここは坂の上だし、地盤もしっかりしているのを確認できたのも入居を決めたポイントでした。
Bさん:さすがAちゃん! そこまで見ていたんだね。わたしは洗濯や料理が好きで、最先端の洗濯機、ミーレが使えることや、広くて充実したキッチンスペースにひと目惚れ。
自分一人では、このような設備をそろえられないので、ここで暮らせば充実したライフスタイルが送れると感じました。
Cさん:わたしもラウンジスペースのインテリアや空間デザインに惹かれて決めました。このセンスに触れて過ごせば、仕事や生活にも新しいアイデアがわいてきそうな気がして。
あと、実は最近離婚したばかりで(笑)。長年、人と一緒に暮らしていたから、帰ったときにシーンとした家に違和感があって。一人暮らしのリスタートとして、人が近くにいる空間がいいなと思って決めました。
yoi編集部 高浦:この家におじゃまして感じた、住人同士のほどよい距離感は、それぞれ違うライフステージの人が集うからこそ生まれる空気だったんですね! きゃぴきゃぴしすぎてなくて、居心地いいです(笑)
気になる! 住人同士のコミュニケーション
──誰とも話したくない日はどうしてる?
yoi編集部 高浦:ラウンジエリアや共用スペースの混雑具合はどうでしょう?
Aさん:ラウンジには常に誰かいますが、混み合って過ごしにくいということはないかな。自分のペースでリラックスできますよ。
yoi編集部 高浦:わたしは「誰とも話したくないなぁ〜」っていうモードの日がたまにあるんですけど、そんなときありませんか?
Bさん:確かに、そういう日もありますよね。でも、入居者の年齢層も幅広く、ウェットなコミュニケーションというよりかは、ほどよい距離感を保っています。自然に大人のコミュニケーションが取れるので、気疲れすることはあまりないですね。
Cさん:みんな社会人経験を積んできた年齢層ということもあり、空気を読むのがうまいんですよね(笑)。それぞれが自分の時間を大切にしているので、ほどよい距離感でつき合えるのはここの魅力のひとつかもしれません。
Aさん:本当に話したくないってときは、一階のエントランスからエレベーターで各部屋のフロアまで行けるから、絶対にラウンジを通らなきゃいけないっていうのはないんです。でも、「ただいま」っていうのが癖になっているから、自然とラウンジに寄って帰ります。
──女性同士で暮らすのは大丈夫? にぎやかさや揉め事は?
yoi編集部 高浦:わたしは女子校出身なので、女性が集まるとにぎやかすぎたり、揉め事があったりするイメージがあるんですけど(笑)。どうですか?
Aさん:確かに、シチュエーションは女子寮ですけど、揉め事はまだ起きていないですね。ランドリーやキッチン、トレーニングルーム、シアタールームもすべてアプリで予約できるから、当事者同士で調整する必要がないからかも。
Bさん:共用スペースの掃除やゴミ捨ても管理人さんが行ってくれるんですよ。ほかのシェアハウスは当番制とかもあるみたいだから、そういうのがあると揉める火種にはなりそうですよね。
Cさん:にぎやかすぎることも意外とないですね。みんなサバサバしていて、盛り上がるときもあれば、落ち着いて話すときもあるので、そのバランスが自然と取れています。
シェアハウスは男子禁制?
yoi編集部 高浦:やはり男性やパートナーと会うときは、相手の家に行ったり、外デートになりますか?
Aさん:実は、男性も入居者と一緒なら入館可能で、シェアスペースや個人部屋への訪問もOKです。宿泊も許可されているんですよ!
Bさん:男性やパートナーを連れてくる人も多いですよ。男性側は女子寮に入っちゃった感じで少し気まずそうなときもありますけど(笑)
Cさん:わたしも会社の同僚とか連れてきて、みんなで飲んだりします。男性と一緒にシェアスペースで過ごしても、自然と受け入れてくれる空気があるので安心です。
yoi編集部 高浦:そうなんですね! 男性も入れるのはいいですね。女性専用のシェアハウスってどうしても、恋愛から遠のくイメージがあったので(笑)
Aさん:確かに、そのイメージはありますよね。でも逆に、合コンのお誘いとか、Cちゃんのように同僚を連れてくることもあるから、出会いの幅はむしろ広がるかも!
入居後に感じたギャップ
yoi編集部 高浦:SOCO HAUS KORAKUENの魅力はやっぱり共用スペースですよね! 実際の使い勝手はどうですか?
Bさん:ランドリーはやっぱり混み合います。アプリで予約ができるんですけど、平日は20:00〜24:00、休日は12:00〜16:00くらいが人気みたい。でも、時間帯を工夫すればスムーズに利用できますよ。
Cさん:シアタールームも人気ですよ。休日は予約が埋まりやすいので、前もって予約しておかなきゃって感じですね。
yoi編集部 高浦:やっぱり利用したい場所、時間帯はどうしても被りますよね。でも、アプリで予約できるなら、「使おうと思ってたのに使えなかった」ということにならなくていいですね。ちなみに、キッチンはどうですか?
Aさん:キッチンは意外に混まないんですよ! 入居する前は、同時に4人しか予約できないから混みそうだと思ったんです。でも、みんな作り置きするので、意外と利用時間がズレてるのかも。
Bさん:そうだね。入居前は炊飯器やミキサー、ホームベーカリーとかの便利なキッチン家電が一台ずつしかないから危惧していたけど…。スムーズに使えています。
yoi編集部 高浦:ごはんを食べたいときに食べられるのは安心ですね! グローサリーも充実していますが、活用していますか?
Cさん:結構活用しています! わたしのお気に入りはレンジで作れるポップコーン。それを作って、シアタールームに行くと、最高に充実した映画時間になるんですよ。
Aさん:スープストックトーキョーとかグリーンスプーンのレンジ調理だけで食べれる冷凍食品は買う人が多いです。こういうのってまとめ買いしないと高くつくじゃないですか。それが一個ずつ、お得に買えて、食べたいときにすぐ食べられるから便利です。
yoi編集部 高浦:コンビニよりもヘルシーさが重視されていて、女性目線が詰まっているな〜と思いました!
Bさん:入居者全体のライングループで「欲しいものありませんか?」ってリクエストを聞いてくれるので、みんなの需要が反映されているからかも。ポップコーンもそれで入荷したんですよ(笑)
Aさん:急に切らして困るものも売っているんですよ! トイレットペーパーとか生理用品とか。しかも、一個ずつのバラ売りだから、必要な分だけ買えるのはありがたい。
Cさん:ジップロックのバラ売りも便利。収納スペースも限られているからこそ、使う頻度が少ないものは、都度買えるようになっているんですよ。入居前は限られたスペースに収納できるかな? と不安に思っていましたが、こうやって工夫されたサービスがあるから、今のところ不便はないです。
シェアハウスのメリット!
──トレーニングルームのリアルな利用事情
yoi編集部 高浦:このシェアハウスに住むメリットのひとつは、都度利用でパーソナルトレーナーを呼べるトレーニングルームだと思うんですけど、実際に利用していますか?
Cさん:わたしは週1回くらい利用しています。トレーニングをグループワークにすると、一人当たりが安くなるので、近くに住んでいる妹と一緒にやっています!
yoi編集部 高浦:すごい! 入居者以外の人も一緒に利用できるんですね。
Cさん:そうなんです。入居者の人が一緒なら、ジムだけじゃなく、シアタールームの利用もいいんですよ。
yoi編集部 高浦:いいサービスですね。わたしも最近パーソナルジムに通っているんですけど、契約回数通いきれなかったり、雨の日に行くのが面倒になったりで…。ジム通いって自分に厳しくしないと続かないから、家についているのは羨ましい〜!
Aさん:運動後すぐに自分の部屋でシャワーを浴びられるのもいいです! でも最近はサボりがち(笑)いつでも行けるしって気持ちで緩むこともあるんですよね。また再開しなきゃな〜。
Bさん:ほかのジムだと男性利用者が多かったり、器具の使い方がわからなかったりすることがありましたが、ここは安心して使えます。トレーニングアイテムも可愛いし。
yoi編集部 高浦:確かに、これだけトレーニングアイテムがそろっていたら、毎回パーソナルトレーナーさんを呼ばなくても、トレーニング内容を一緒に考えてもらって、自主トレと交互でもよさそうですね。
──オンとオフの切り替えができる。理想のワークスタイル
yoi編集部 高浦:働き方が変わり、在宅勤務が増える中、シェアハウスのラウンジスペースはどう活用されていますか?
Aさん:ラウンジスペースはカフェのような雰囲気で、まわりの人が頑張っているのを見ると、自分もやる気が出ます。部屋でスイッチが入らなかったら、ラウンジに行くようにしています。オンとオフを切り替えやすいのがこの暮らしの魅力かも。
Cさん:カフェで仕事をするよりもコストがかからないし、挽きたてのコーヒーが飲めたり、気軽にリフレッシュできる環境が整っています。
Bさん:確かに、カフェだと一杯で長居するのは気まずくて、追加注文したりするもんね。そういうストレスがなく、仕事に集中できるのはいいかも。
yoi編集部 高浦:カフェにいちいち行くのも面倒なときもありますよね。切り替えられる場所が家の中にあるのは羨ましいです。
Aさん:そうなんです! 仕事が立て込んでいるとき、いったんお風呂に入って、さっぱりしてからラウンジでもうひと仕事ができるのは、シェアハウスならではかも。
Cさん:あと、ぜひ試してもらいたいのが、仕事のリフレッシュに東京ドームシティのジェットコースターに乗ること(笑)。平日は全然混んでいないから、サクッと乗って、1時間以内に帰って来られるんですよ。
Aさん:初耳(笑)。でも楽しそう! 大声出してストレス発散できるのいいね。
yoi編集部 高浦:すごい活用方法ですね(笑)。この立地ならではのオンオフの切り替えで面白い!
ぶっちゃけ、このまま住み続けたい?
Bさん:わたしは人見知りだし、気を遣いすぎて疲れたり、ストレスがたまるかも…と思っていたんですが、一人暮らしに戻るのは寂しいと感じるほど、ここでの暮らしが居心地いいです。
Aさん:わかる! いま、ペットを飼っている友人が海外に行っていて、そこに住み込みでお世話のお願いをされたから引き受けて、久しぶりに一人暮らしをしているんだけど、寂しさを感じるんですよね。
Cさん:ペットが居ても寂しく感じるようになっちゃったんだ(笑)。やっぱり価値観が合う人に囲まれる心地よさは手放せない。ワーケーションで地方に行くことが多いけれど、帰るのが楽しみ。
わたしは引越し癖がすごくて。土地に飽きたり、家に飽きたりして、1年で引越したりしていたけど、まだ全然飽きない! ここでやりたいことや、ここでしか感じられないものがあるって思っています。
Aさん:ライフステージや仕事の都合などが変わらない限りは、しばらく住みたいって思っています。地方出身だと、頼れる人がそばにいてくれる安心感は大きくて。小さな助け合いがあるのもいいところです。
yoi編集部 高浦:みなさんのお話を聞いていたら、わたしもここに住みたくなってきました! 大人になると、友達作りも難しかったり、昔の友人と価値観のズレを感じることがあるけれど、自然と似たもの同士が集う感じがして素敵な場所ですね。
Aさん:そうなんですよ! わたしもここまで、しっくりくる人たちに出会えると思わなかったです。友達以上、親友未満のほどよい距離感の出会いがここにはあると思います。
シェアライフのリアルな体験談を聞いて
今回、シェアリング型賃貸レジデンス「SOCO HAUS KORAKUEN」の住人の方々にお話を聞いて思ったことは、ライフスタイルのアップデートをできる場所だということ。
女性の一人暮らしの新たな選択肢として、さまざまな価値があると感じました!
撮影/三浦晴 構成・取材・文/高浦彩加