キャリア、人間関係、結婚・出産etc.…20代後半から30代のyoi読者には、コンプレックスの種がいっぱい。そこで、“セルフラブ”を体現し、毎日を自分らしく楽しむ元CHAIのメンバー・YUUKIさんが、yoi読者にモヤモヤへの向き合い方をアドバイスするこの連載。毎回テーマに合わせてYUUKIさん自身が制作したアート作品とともにお届けします。第6回目は「職場での自己アピール」に関するコンプレックスについて。

YUUKI

アーティスト

YUUKI

2024年春にバンド活動を終了したCHAIのメンバーで、ベース、作詞、アートワークを担当。現在は、クリエイティブプロジェクト「YMYM」にて、アパレルやライフスタイルグッズのデザインを手がけるほか、作家としてアート作品の制作と発表へ精力的に取り組んでいる。また、アートとカルチャーが融合したマーケットイベント「Art Culture Street.」を定期的に主催し、幅広い活動を展開。

お悩み:自己アピールが上手な同僚のようにふるまえず、結果的に自分の仕事量が増えてしまう

『仕事大変アピール』が上手な同僚にモヤモヤします。彼女も私と同じ仕事量だし、大変さも同じはずなのですが、上司などに対して、自分がどれほど大変かをはっきり言葉で伝えるのが上手なんです。結果『〜さんはもう手いっぱいだからあなたお願いできる?』と私に振られることもしばしば。私はなかなか断れない性格だし、『私大変です!』と言うのもなんだか違う気がしてしまい、気づくと自分の仕事量が増えてしまいます...。大変さアピールが上手なことも仕事のスキルなのかもしれないし、羨ましく思う部分もあります。どうすれば、私も上手くアピールできるようになるのでしょうか」(30歳、会社員)

「大変アピール」は処世術ではない。仕事を任される自分に誇りを持とう!

YUUKI  イラスト CHAI お悩み相談

YUUKI:悩みを打ち明けてくれて、ありがとう! 「大変アピール」をする人っているよね。私のまわりにも、「私は朝から夜遅くまでこんだけ頑張っているんだから、もっと報われていいのに! 私ってかわいそう」という心の声がダダ漏れの人がいるけど、私はそういう人を見ると、ちょっと心配に思っちゃうかもしれない。だって同じように忙しくても、充実感を持って過ごせていたら、他人に自ら忙しさをアピールをして気遣ってもらおうとしないはずだから。
相談者さんは、「大変アピールできること」を処世術だととらえているかもしれないけど、私はそうは思わないし、それができることを羨ましく感じる必要はまったくないと思います。だって、上司やクライアントの立場になって考えたら、そういう人に対して仕事を頼みたくないはずだから。相談者さんが仕事を振られるということは、まわりから信頼されていて、きちんと仕事ができると認められているということだし、それをもっと誇りに思っていいんじゃないかな

YUUKI  イラスト CHAI お悩み相談 連載

「仕事をしっかりこなせる人」になるために、まずは「まわりに頼る」をはじめてみる

YUUKI: 相談者さんは、「アピール上手になること」よりも、与えられた仕事をしっかりこなせる人になることを目指すのはどう? 正直、「大変アピール」を大きな声でできる人はまわりから注目を集めるし、一瞬ヒーローのように見えることもある。でも、見ている人はちゃんと見ていて、相談者さんのように地道にしっかりと、途中で投げ出さずに仕事をしている人を絶対に評価してくれるから。大きなプロジェクトを成功させたあとに、「あれ大変だったでしょ?」って聞かれて、「いや、余裕だったよ」って返事できたらカッコいいよね。だから、今は仕事がしっかりこなせる人になるための過程だととらえて、ちょっとつらい時期かもしれないけど踏ん張ってみるのもいいかも。今感じている大変さは自分の成長に絶対につながるはずだから。

とはいえ、仕事量が多いのは大変だよね。そういうときは、「一人だけだと大変だから、誰か一緒に手伝ってくれませんか」とまわりに頼るといいと思います。「大変だから、私はやりません」と断ると無責任に見えちゃうけど、「頼ること」は目の前の仕事の完成度を上げるためにもいいことだから。

YUUKI  イラスト CHAI お悩み相談 アート

もしかすると、相談者さんは人に頼ることが苦手じゃないかな? でも、これまで仕事をきっちりとこなしてきたあなたに頼られたら、きっと相手は仕事ぶりを認められたと感じてうれしくなるはず。それに、あなたが頼れば、その人もあなたを頼りやすくなる。そうやっていざというときに助け合える関係を築くことも心地よく仕事をするためにいいと思うよ。 あと、頼るまではいかなくても、大変なときに我慢せず「ちょっと聞いてよ〜」と愚痴を気がねなく言い合える仲間を作っておくと、心をすり減らさずに仕事に集中できるようになるはず。相談者さんが、ヘルシーに働けるよう心から応援しているよ!

YUUKI 連載 お悩み CHAI アート 年下 コミュニケーション

今回のアートのカイセツ。

『ただひらすらにまっすぐに』

「いま自分の目の前にある物事から目を逸らさず、がむしゃらでも失敗しても、ただひたすらに真摯に向き合っているあなたなら、きっと群を抜いて輝いているよ。処世術なんて屁でもない。真っ直ぐぶつかれるし、だからこそ助けも求められる。そんなカッコいいあなたでいて欲しくて、この絵と言葉を描きました」。
(YUUKI)

イラスト・撮影/YUUKI 取材・文/海渡理恵 企画・構成/福井小夜子(yoi)