キャリア、人間関係、結婚・出産etc.…20代後半から30代のyoi読者には、コンプレックスの種がいっぱい。そこで、“セルフラブ”を体現し、毎日を自分らしく楽しむ元CHAIのメンバー・YUUKIさんが、yoi読者にモヤモヤへの向き合い方をアドバイスするこの連載。毎回テーマに合わせてYUUKIさん自身が制作したアート作品とともにお届けします。第8回は「老い」に関するコンプレックスについて。
お悩み:見た目の変化に焦りを感じます。年齢を前向きに重ねるにはどうすればいい?
「現在34歳ですが、急激に老いを感じる日々です。年齢なんて気にしていなかったし、むしろ子どもっぽく見られるのが嫌なくらいだったはずなのに、 ここ2〜3年で見た目がグッと老け込んでしまってめっちゃ焦ります。 若くて可愛い後輩を見ると、どこか妬ましく思ってしまう自分もすごく嫌なんです。どうしたら年齢を重ねることをポジティブにとらえられるのでしょうか」(34歳、会社員)
年齢を重ねるほどに、私たちはカッコいい大人になっていける

YUUKI:悩みを打ち明けてくれて、ありがとう! 相談者さんは、年下の子たちを見て、“取り返せない時間”を感じて切なくなっているんだと思うけど、老いは遅かれ早かれ、生きとし生けるもの全員にやってくるもの。それなら、一番若い“今”を思いっきり生きたほうがいいんじゃないかと私は思います。
そういえば、どこかで「若さは美しいけど、美しさは若さではない」という言葉を聞いたことがあって。若さあふれる肌質や姿に美しさを感じるのは当然だけど、それだけが美しさかと言われたらそうじゃないよね? 年齢を重ねるからこそ得られる品や色気が絶対にあるから、老い=醜いと考えないほうがいいんじゃないかな。
それこそ私は、鏡を見たときにシワが増えていたとしたら、それを躍起になって消すというよりは、「あぁ、私はすごくたくさん笑ったからこそ、ここにシワができたんだな」と、ここまで生きてこられた自分を慈しめる人でいたいと思っています。
もちろん美容の力を借りて、自分のために少しずつお手入れすることはあるかもしれない。でも、年齢を重ねることで現れる“新たな美しさ”にも気づける人であろうと心がけています。

YUUKI:もしかすると、相談者さんの職場には年上が少なくて年下が多いのかな? そういう環境にいると、どうしてもまわりと比べて自分を卑下してしまう気持ちもわかるよ。でも、比べる必要はまったくないし、正直そうして得られるものってひとつもないと思うんです。
今、年齢を重ねることを「老ける」ととらえているかもしれないけど、本当に自分に似合う髪型や服装、メイクって、むしろ年齢を重ねるほどにわかってこない?
私自身、10代〜20代前半の頃を振り返ると、見た目にすごく迷いがにじみ出ていたなぁって思う(笑)。でも今は、客観的に自分を見られるようになって、何が自分に似合うかがちゃんとわかって、すごくラクになったんだよね。それは昔より洗練されて、自分らしさがちゃんと輝きだしているという証拠だと思うし、月日を重ねたからこそ手に入ったもの。
だから、相談者さんも自分らしさに一度目を向けてみてほしいし、これから先も年齢を重ねることをもっと楽しんでほしいなって思います。

相談者さんの“老い”への恐怖って、突き詰めていくと、どこかネガティブな印象がつきまとう“おばさん”っていう言葉にたどりついたりしないかな?
というのも私自身、昔から「可愛いおばあちゃんになりたい!」って、“おばあちゃん”という期間にはポジティブな気持ちを持っていたんだけど、その途中にある“おばさん”と呼ばれる期間をどう受け止めたらいいのか悩んでいたことが過去にあったから。
でも学生時代に50代〜60代の方に交じって、おにぎり屋さんでバイトしていたことがあって、そこで働く人たちがよく言っていたの。「女は40代からが最高に楽しくて輝く時期よ!」って。
そういったこともあって、周りの年上の女性のいろんな魅力に気づいたら、私は「おばさん」という言葉に対しても、前よりポジティブな気持ちで向き合えるようになりました。
今34歳の相談者さんは、まず年齢が少し上の素敵な女性を見つけて、元気を出してほしいな。お互い素敵な大人になっていこうね!

今回のアートのカイセツ
『あなたは今をかがやける、この瞬間も』
「私は7年以上維持してきた金髪を、30代に入ったのと人生の節目もあって黒髪に戻しました。これからさらに歳を重ねてそのうち白髪もパラパラ生えたりして、それを整えるためにきっとまた髪を染め始める。だから今こそ、地毛の黒が最高に輝くチャンス。今だけの美しさを、過去と未来を羨むのではなくて。いろんな自分に出会っていこう、楽しんでみよう」(YUUKI)
イラスト・撮影/YUUKI 取材・文/海渡理恵 企画・構成/福井小夜子(yoi)