週末に一人でサウナ施設を巡る“サ旅”にハマっているという、サウナスパプロフェッショナル・るいさん。その原点は、意外にも海外での“サウナひとリート”だったといいます。そんな、るいさんに初心者でも楽しめるコツや、サウナに持っていきたいおすすめアイテムもたっぷり伺いました。

「ひとリート」とは…半日~日帰り・1泊2日程度の「一人で楽しむリトリート体験や旅」を表す造語。yoi発の、心と体のセルフケアに役立つ時間の使い方です。

るい

サウナスパプロフェッショナル

るい

都内在住。アプリ開発などを手掛ける、UIUXデザイナー。サウナ女子のための週末“サ旅”プランをSNSで発信中。さらに、そんなサウナの魅力を広げるためのサウナブランド「chillsauna」を2023年にスタート。サウナを楽しむだけでなく、その心地よさを生活全体に取り入れる方法を提案している。

一人サウナに目覚めたのは“プーケット旅”がきっかけ

——まず、るいさんが“サウナひとリート”を始めたきっかけを教えてください。

るい きっかけは、友人とタイ・プーケット旅行していたときのこと。ホテルのプールでのんびりしていたら、ふとサウナに入りたくなったんです。

スマホで検索してみると、滞在していたエリアにあったホテル「JWマリオット・プーケット・リゾート&スパ」のジムに、サウナが併設されているのを発見。宿泊者じゃなくてもドロップインで利用できるみたいだったので、翌日は思いきって友人と別行動にして、初めての“サウナひとリート”をしてみることにしました。

実際に足を運んでみると、そこには観光客の姿はほとんどなく、地元の人たちが筋トレのあとにゆっくりとサウナを楽しんでいる光景が。その落ち着いた雰囲気にすっと心がひかれて、私もその輪に混ざってみました。

ローカルの人たちに囲まれながら、ただ黙って汗を流す時間は、まるで自分だけの静かな瞑想のようで。「ああ、これが“リトリート”ってことなのかもしれないな」と感じた瞬間でした。

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——サウナひとリートデビューが海外というのは新鮮ですね。最初から一人サウナを心地よく感じましたか?

るい 実はサウナに限らず、一人でどこかに出かけて満喫するタイプではなかったんです。でも、プーケットでの“サウナひとリート”を経験してみて、一人で過ごす時間が、想像以上に心地いいものだって気づきました。

「そっか、私って一人でもこんなふうに楽しめるんだ」って思った瞬間、じんわりとうれしくなって。「海外でできたなら、日本でもできるでしょ!」って、前向きに思えました。

それに不思議なんですが、一人でととのっているときって、アイディアがどんどん湧いてくるんです。「こんなことやってみたいな〜」とか、「今度ここに行ってみようかな」って、自然とポジティブな発想が浮かんでくる。きっとサウナって、心の中に“余白”をつくってくれる場所なんだと思います。

——週末サ旅を提案されているるいさんですが、平日もサウナに行きますか?

るい 平日は、仕事終わりにサウナへ行くことが多いです。特に週の半ば、「今週もあともうひと踏ん張りだな」と思う水曜日あたりに、近所の銭湯サウナへ向かいます。

平日の夜は人も少なくて、静かに“ととのう”にはぴったり。じんわりと汗をかいて、水風呂でスーッとクールダウンして、外気浴でぼーっと空を見上げる。その一連の流れを終える頃には、「また明日から、もうひと頑張りしてみよう」って、自然とそんな気持ちになれるから不思議です。

そして週末は、少し足をのばして、理想のサウナを求めて旅に出ます。そんなふうに、平日と週末で楽しみ方を変えられるのも、サウナのいいところ。どんなときも、サウナは私にとって、心と体をととのえてくれる原動力になってくれています。

女性がサウナひとリートを楽しむ5つのコツ

初めての体験は、あとから振り返っても、色濃く心に残るもの。るいさんも「サウナ好きの友人に連れて行ってもらった“とっておきの一軒”をきっかけに、ハマっていった」と語ります。
今回は、そんなるいさんに「サウナ初心者でも楽しめるコツ」を教えていただきました。

1. おすすめの時間帯は“朝”か“金曜夜”

初めてサウナに行くときって、どうしても周りが気になってしまって、なかなかととのうことに集中できなかったりしますよね。混んでいると尚更です。だからこそ、できるだけ空いている時間帯を選びましょう。

おすすめは、なんといっても“朝サウナ”。平日の午前中は、ほぼ貸切状態なことが多く、静かな空間でじっくり自分と向き合えます。そして、朝からサウナに入ると、心も体もスッキリして、そのあとの1日がびっくりするくらい充実するんです。

もうひとつの穴場が、“金曜の夜”。いわゆる“華金”って、飲みに行く人が多いから、意外とサウナは空いているんですよね。若い人も少なめで、落ち着いた雰囲気の中、ゆっくりととのうことができますよ。

2. 水風呂は「入り方」でハードルを下げる

「水風呂が苦手で…」という相談、実はよくもらいます。正直、私も最初は本当に苦手でした。冷たすぎて、足を入れただけでギブアップしたこともあります。笑

そんな私が実践したのは、水温を感じやすい心臓のあたりを手で押さえながら入る、もしくは、両腕をバンザイするように上げて、水につけずに入ること。これだけで、冷たさの感じ方がぐっとやわらいで、体への負担も軽く感じられました。

この方法で少しずつ水風呂にチャレンジするようになってから、「あ、意外といけるかも」と思えるようになって。今では肩までしっかりつかって、あのひんやりとした感覚を楽しめるくらいになりました。水風呂に対する苦手意識がなくなってくると、サウナの楽しさがさらに広がっていきますよ。

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3. 入る時間は5分でもOK。一般的な目安にこだわらない

「サウナって、しきたりがあるのかな?」「入り方、これで合ってるのかな…?」そんなふうに不安を感じている初心者の方、実はけっこう多いんです。でも、サウナには“こうしなきゃいけない”という決まりはありません。自分が心地よく感じられたら、それがいちばんの正解。

「何分入ればいいですか?」と聞かれることもありますが、時間にこだわる必要はまったくありません。「水風呂入りたいな〜」と思えるくらいまで温まったら、それがベストなタイミング。一般的には8〜12分が目安と言われていますが、5分でもしっかりととのえますよ。

サウナは、誰かと比べるものではなく、自分自身と向き合う時間。だからこそ、まわりを気にせず、自分らしいペースで自由に楽しんでみてくださいね。

4. 水は500ml飲み切る

私にとってサウナは「美容と健康のメンテナンス」みたいな存在なんです。ただリラックスするだけじゃなくて、体にも肌にもちゃんと変化を感じられるところが、やっぱりサウナ好きだなって思う理由のひとつ。しっかり汗をかいたあとは、ごわついていた肌がツヤっとして、顔まわりのむくみもすっきり。「今の自分、なんかいい感じかも」って思えるんですよね。

そのために欠かせないのが、水分補給。私はいつも「水」か「イオンウォーター」をしっかり飲むようにしています。毎回500mlを目安に、飲み切るのがマイルール。そうすることで、どんどん汗をかきやすくなるし、終わったあとの“すっきり感”も全然違います。

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5. インフィニティチェア&ロウリュありのサウナに行く

スムーズにととのうためには、高温(90℃以上)&湿度たっぷりのサウナがベスト。特にロウリュがある施設は、湿度がしっかり保たれているので、サウナ選びの際には必ずチェックしています。

さらに、“ととのい”の心地よさをじっくり味わうには、「寝転べるスペース」も実は重要なポイント。サウナに慣れてくると、椅子やちょっとした腰掛けでも十分リラックスできるようになりますが、初心者のうちは、インフィニティチェアのように体をゆったり預けられる場所があると、安心感があってよりととのいやすくなるんです。

温度と湿度のバランス、そして寝転べるスペースという環境がそろうと、心も体も一気に“ととのいモード”スイッチが入る感覚を味わえますよ。

るいさん愛用!サウナがもっと心地よくなる3アイテム

サウナライフをより豊かにするために、るいさんが愛用しているアイテムを3つご紹介。これらを取り入れるだけで、サウナの時間がぐんと楽しく、よりリラックスできるはず。

1. Recolonのヘアマスク&サウナパック

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左 Re: Hair Mask 150g ¥3960、右 Re: SAUNA PACK 80ml ¥4070/Recolon

サウナに入る前に塗っておくRecolonの「Re: Hair Mask」と「Re: SAUNA PACK」を愛用していて、リピ買いもしています。サウナ室の乾燥で肌がカピカピになりがちなのですが、これを使うとしっかり保湿してくれて、乾燥を防いでくれるんです。

「Re: SAUNA PACK」は、赤みやヒリヒリする箇所に塗ると効果的。顔はもちろん、耳や肩など、意外と乾燥しやすい部分にもおすすめです。外気浴のときにも肌を守ってくれるので、サウナの前後に塗っておくと、お風呂上がりの肌の状態が全然違うんですよ。

そして、「Re: Hair Mask」は髪を熱ダメージから守ってくれるのがうれしいポイント。サウナの熱を利用した有効成分が、保湿・栄養補給・キューティクル保護・ダメージ補修をしてくれるんです。髪や頭皮に塗ってサウナハットをかぶって、サウナに入るだけという手軽さも気に入っています。

このアイテムがあると、サウナの時間が“ご自愛ケア”の時間に変わるから欠かせません。

2. 1回使い切りのスキンケア&ヘアケア

私は荷物を減らしたいので、シャンプーやトリートメント、スキンケアなどは1回使い切りタイプを持参するようにしています。

ドラッグストアにも売っていますが、私のおすすめは「アエナ」というオフプライスストア。シャンプーやトリートメントが100円以下で手に入るんです。アイテムによっては、なんと50円で購入できることもあって、コスパがとってもいいんですよ。

3. chillsaunaのサウナバッグ

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サッバッグ ¥3980/chillsauna

サウナって、意外と持っていくものが多いですよね。サウナハットやスキンケアアイテム、タオル、お水などなど。毎回、行こうと思うたびに準備すると、必ず何かしら忘れ物をしてしまうんです…。

そんな悩みを解消する理想のサウナバッグが見つからなかったので、自分でデザインして作っちゃいました。たっぷり収納できる大きさで、ロッカーにもすっぽり入るサイズ感。下駄箱やロッカー、ドライヤーなどで必要になる小銭を収納できるポケットもつけて、使い勝手を重視しています。

さらに、バッグインバッグ仕様になっているので、内側のバッグは浴場内に持ち込むこともできて便利なんですよ!これでサウナの準備がスムーズになり、忘れ物の心配も減ったので、サウナタイムをもっと気軽に楽しめるようになりました。

ぜひ、自分の心地よさを大切にして、どんどん自分なりのサウナ流儀を楽しんでくださいね。

イラスト/ARAKI 構成・取材・文/高浦彩加