昨年夏、沖縄・那覇の国際通りの近くにオープンした「Southwest Grand Hotel」は、観光地のど真ん中にありながらリゾート気分で過ごせると話題のサウナ付きラグジュアリーシティホテル。“ととのい”好きであり、ここ10年は毎年沖縄を訪れているというエディター・uncrave WHITEディレクターの東原妙子さんが、今までに体験したことのない都市型の沖縄ステイを楽しんできました。
ファッションエディター、「uncrave WHITE」クリエイティブディレクター
1977年、東京生まれ。大学卒業後は銀行OLを経て出版社に転職。現在はフリーのファッションエディターとして、女性誌を中心にブランドの広告やウェブコンテンツ製作などで幅広く活躍。2020年にECブランド「アンクレイヴ」を立ち上げ、2022年からはコレクションライン「アンクレイヴ ホワイト」のクリエイティブディレクターを務める。ファッション以外にも、趣味はサウナ、温泉、旅行、漫画、グルメ(主に鮨)など多岐にわたり、飾らないキャラクターが人気のInstagramはフォロワー6.4万人超え。
こんにちは。
今年こそどうにか平泳ぎをマスターしたいと思っている東原妙子です。懸命に手足をかいているのに5㎝くらいしか進まないの逆にスゴイ! とまわりからよく褒められ(?)ます。
というわけで、今回はプールもあるよ♡ 夏満喫の沖縄旅です。
南北に長く、地域ごとに表情が違う沖縄本島。
大人の女性は、北部のビーチリゾートホテルで“おこもりステイ”派が多いと思うのですが、今回訪れた「Southwest Grand Hotel」は、南部に位置する那覇・市街地のど真ん中!
空港からのアクセスもよく、貴重な世界遺産や文化財が数多くある那覇。なかでもメインストリートの国際通りは、お土産屋さんが軒を連ね、ショッピングやグルメ観光の中心地として昼夜問わずにぎわう場所です。
私もプライベートでは何度も訪れている沖縄ですが、あえてビーチのない那覇に宿泊するのは初の体験。
コンセプトは“ラグジュアリーシティホテル”とのことで、新鮮な気分で向かいました。
国際通りからすぐ! 沖縄×ヴィンテージアメリカンのお洒落な館内
那覇空港からタクシーで約12分。昨年、那覇の国際通りの近くにオープンした「Southwest Grand Hotel」に到着。
まずは、ネオンサインやヴィンテージ風のインテリアが印象的な1階のラウンジにてチェックイン。
ミッドセンチュリー時代のアメリカンカルチャーから着想を得たというキャッチーな内装デザインは、館内に入った瞬間、まさに海外に来たようなノスタルジックなムードでたちまち旅の気分が高まります。
カウンターの先にあるオールデイダイニング「A LONG VACATION.」では、ソフトドリンクとアルコール6種類から選べるウェルカムドリンクが用意されています。外の通りに面したオープンなテラス席もあるので、着いて早々乾杯するもよし。
最新の機能性と充実のアメニティ。洗練された広い客室でくつろぐ
今回宿泊したのは、10階のグランドツインルーム。全88室はすべて45㎡以上の広さがあり、滞在中ゆったりと過ごせます。
木の温もりを感じる壁やミッドセンチュリー家具に、沖縄の青い空と海をイメージしたブルーのファブリックをきかせた客室は、シンプルながら趣があり心安らぐ空間。
聞けば、何気なくベッドサイドに置かれた目覚まし時計や電気のスイッチにもうんちくがあり、細部までアメリカンヴィンテージ風にこだわったつくりになっているそう。
寝具は「Serta」。1950年創業の専門メーカー「ドリームベッド」が作ったオートクチュール発想のブランド
デスクもあり、ワーケーションなどの長期滞在にも最適
クラシカルムードな内装の一方で、シティホテルならではの機能性や細やかな心遣いはラグジュアリーホテルにひけをとらない素晴らしさ!
例えば、冷蔵庫内のドリンクはすべて無料。沖縄ならではのオリオンビールや泡盛、ご当地ソフトドリンクも種類豊富で、部屋飲みはもちろん、プールサイドに持参して飲んでもいいという寛大さです。
クローゼットを開けると、サウナやプールへの館内移動に使えるオリジナルのガウンとビーチサンダル、肌触り抜群のルームウェアが完備。サンダルはおみやげとして持ち帰りOKで、沖縄滞在中もおでかけ先のビーチで活躍してくれました。
窓際に設置された75インチの大画面テレビでは、館内の施設情報やランドリーの混雑具合をリアルタイムで確認できたり、スマートフォンとつないで映画やドラマ鑑賞もできる最新仕様。
あと、小さなことだけれど、備え付けのタオルがたくさん積まれているのも気がねなく贅沢な気分で使えて嬉しかったり。
肌触りにこだわったコットン100%のルームウェア
ビーチサンダルは自宅に持ち帰りOK
グラスが冷やされている心遣いも最高!
リゾート気分を満喫できる♡ プール&ジャグジーエリア
© Southwest Grand Hotel
ひと息ついたら早速、水着に着替えて11階のプールエリアへ。そこは、街中のホテルとあなどるなかれ、広い空と街並みを一望する非日常的なリゾート空間!
屋内プールは一面大きなガラス張りで、那覇の一日の移り変わりを眺めながら雨でも楽しめる全天候型。
はい、私は当然、平泳ぎの特訓です。
だってそのために来ていますからね。
10分の特訓を経て(飽きた)、何となく少しだけ泳げる距離が伸びた気がします。
「これ、蹴伸びで進んでいるだけでは…?」という声が聞こえてきましたが、そこはさっとスルーしました。
平泳ぎの特訓成果はこちら
すぐ横の屋外テラスには、ゆったりとくつろげる広いジャグジー。冬は温水になるそうです。
こちらでは併設するダイニング&サンセットバー「The Sailor’s Club」のドリンクや軽食を楽しむこともできて、すっかり優雅なリゾート気分に♡
今月の「由美たえこ」㏌ジャグジー
沖縄の広い空のもと、屋上サウナでととのう
そして、お待ちかね! いよいよ最上階にあるサウナへ。
ここでようやく私、我に返りまして、本来の旅の目的を思い出しました。そう、平泳ぎではなく、ととのい旅だったわ…!
サウナーにはおなじみ、HARVIAのサウナストーブが完備された3段サウナに腰を据えると、目の前には大きな窓が。
夕陽が差し込む美しい窓の景観を眺めながらじわじわ汗をかいたら、目の前のシャワーで頭から水を浴びてから水風呂に沈み、デッキチェアに寝転んで外気浴、を3セット。
うむ。スペースはコンパクトながら動線に無駄がなく、“ととのい”までの道のりが完璧です。
見上げれば広い空と、爽やかに吹き抜ける沖縄の風。遠くに那覇の街の日常を感じながらディープリラックスが叶うという、今までにない心地よさのサウナ体験でした。
屋上スペースに、サウナ、シャワー、水風呂、ベンチ&チェアを配置
ホテル内には気分で選べる3つのモダンなダイニング
「SHIKAKU」© Southwest Grand Hotel
初日のディナーは、ホテル内の和食ダイニング「SHIKAKU」で、あぐー豚のしゃぶしゃぶコースを。豚バラ肉と肩ロース肉の2種類を、新鮮な島野菜と一緒にいただきます。
屋内はかしこまらないカウンター席で、職人さんが目の前で仕上げてくれるライブ感のある空間。
沖縄ならではの聞き慣れない食材について教えてもらったりして、現地の方との会話も楽しい時間でした。
沖縄旅行の食事というと、ラグジュアリーホテルのコース料理か、地元の人が通うカジュアルな食堂や居酒屋かの2択、というイメージだったのですが、こちらのお店はその中間的な位置づけ。
沖縄らしい活気があって気取らないけれど、ほどよくモダンに洗練されていて、沖縄ならではの食文化もちゃんと楽しめるのが、大人にちょうどいい。
あぐー豚のしゃぶしゃぶ。フーチバーやハンダマなど珍しい島野菜と一緒に
Southwest Grand Hotelには、他にもオープンキッチンスタイルのオールデイダイニング「A LONG VACATION.」、全国各地のこだわりの和牛がいただける「鉄板焼 まつ尾」と、3つの趣の異なるレストランがあるので、気分や用途に応じて選べるのがいい。
宿泊者でなくても利用できるので、地元の人たちが日常的に使うにもよさそうです。
宿泊客だけでなく、地元の人の利用も多い「A LONG VACATION.」© Southwest Grand Hotel
「A LONG VACATION.」のカフェタイム。人気はふわふわパンケーキ © Southwest Grand Hotel
那覇ステイならでは! 異国情緒漂う夜の国際通りを散策
こちらのホテル、国際通りからすぐという夜遊びには最高のロケーション。食後に街へ繰り出すのも那覇ステイの醍醐味!
修学旅行生やツアー客が多い昼間とはガラリと雰囲気が変わり、どこかアジアの異国情緒漂うにぎやかな那覇市街地の夜。
この辺りのお店は比較的遅い時間まで開いているので、2軒目、3軒目と居酒屋をハシゴするのもいいし、胃袋に自信のある人(私です)は、沖縄の定番だという“締めのステーキ”にトライしてみるのもいいかも。
沖縄の老舗「ジャッキーステーキハウス」で“締めのステーキ”!
和・洋・琉球がそろう、至福の朝食ブッフェ♡
© Southwest Grand Hotel
そして、食のお楽しみは翌朝も続く♡いわゆるホテルのブッフェって、あまり期待していないのですが、「Southwest Grand Hotel」は朝食ブッフェが最高!
沖縄食材をふんだんに使用した料理は、温かいものは温かく、なるべく作り立てが並ぶシステム。ご当地料理も和も洋も種類豊富なので、連泊しても飽きずに、朝から俄然テンションが上がります♡
自分で味噌を選んで作る沖縄のセルフ味噌汁「かちゅー湯」や、好きな具を好きなだけ盛れる海鮮丼などもおすすめ。
大きな窓からの朝日を浴びながら、一日を優雅にスタート。
朝食会場の「The Sailor’s Club」。夜はサンセットバーとして
過去最高レベルの朝食ブッフェ♡ © Southwest Grand Hotel
自由に使えるラウンジやジムなど、ホテル時間もフルに楽しめる
「プライベートラウンジ」
2階にある「プライベートラウンジ」は、6:00~22:00の間、宿泊者なら誰でも何度でも利用可能。
スパークリングワインやオリオンビール、ソフトドリンクのほか、コーヒーマシンも完備。ご当地スナックやブルーシールアイスクリームまであり、「これ全部無料ですって…⁉」と、ちょっと鼻の穴がふくらんでしまうほどの充実ぶりです。
同じフロアにはフィットネスジムもあるので(私には無関係な話ですけれども)、朝の運動後に一息つくもよし、コーヒーを飲みながらおでかけ前のプランを練るもよし、昼下がりのカフェタイムに、食後のバー利用にと、あらゆる隙間時間にちょっと立ち寄ってゆったり過ごすことができる使い勝手のいいスペースでした。
フィットネスジム。ドイツ製の木製フィットネスマシン「NOHrD」を使用 © Southwest Grand Hotel
ビーチを満喫したいなら、近くの港から離島へワンデイトリップ!
ホテルから日帰りで行ける渡嘉敷島 © Southwest Grand Hotel
いわゆるビ北部のリゾートホテルにあって、「Southwest Grand Hotel」にないもの。それは、ビーチ。
ええ、認めましょう。確かにここには白い砂浜がない。
でも、もし海水浴やマリンアクティビティを楽しみたいガチ勢は、近場の慶良間諸島へワンデイトリップという手があります。
ホテルから港へは車で約7分、そこからフェリーに乗って約40分。
日本屈指の海の美しさを誇る渡嘉敷島では、ダイビングやシュノーケリングを楽しめるほか、島中央には亜熱帯の山もあり、散策やサイクリングなど一日中豊かな自然を満喫できます。
雨の沖縄も最高に楽しい! そう思わせてくれるハイスペック&利便性
11階「The Sailor’s Club」のバータイム © Southwest Grand Hotel
私が行ったのは、ちょうど梅雨の時期。雨が降っているときは基本ホテルで過ごしていたのですが、プールやサウナで遊んで、館内のレストランでランチして、昼寝して、ラウンジでおやつを食べて…と、あれ、意外と忙しいな(笑)。
なんせ「Southwest Grand Hotel」内の施設が大充実で、すべてが心地よく洗練されているものだから、外に出るよりホテル内だけで十分にラグジュアリーなリゾート気分を満たせてしまう。
国際通りまでも徒歩数十秒という好立地。
タイミングを見てふらりと出かけて、お土産探しや沖縄グルメを楽しみました。
雨がやんだら、南部のビーチや海沿いのカフェ、やちむんの器屋さんまでドライブへ。
今回は空港から近いということもあり、レンタカーを借りなかったのですが、ホテルの隣にあるカーシェアリングの車を効率よく活用。
車の運転をしない人でも、このホテルなら不便を感じないはず。
また、チェックアウトが12:00と遅めなので、出発前夜や翌朝も慌てずのんびり過ごせたのもよかった。
そんなふうに、不安定な天候に合わせて無駄なくフレキシブルに動けたので、滞在時間をフルに楽しむことができました。
これって、おこもり系ビーチリゾートホテルにはない、那覇タウンステイならではの過ごし方ですよね。
ホテルから徒歩10分。人気の沖縄そば「OKINAWA SOBA EIBUN」
“気取らなさ”と“ホスピタリティ”を両立する行きつけにしたいホテル
初の那覇滞在の旅でしたが、結論からいうと、満足度120%!
沖縄好きな人ほど使い勝手がよく、こぞって“行きつけホテル”にしたがるのも納得でした。
「Southwest Grand Hotel」が素晴らしいのは、沖縄らしいミックスカルチャーの“気取らなさ”と、ラグジュアリーに慣れた大人も心地よく過ごせる”ホスピタリティ”。その両方をバランス良く備えているところ。
一人で、家族と、恋人と、女友達と。
リゾートでも、観光でも、ビジネスでも。
晴れても、雨でも。
誰と、いつ、どんな目的で訪れても、いつだってオープンマインドで心地よくもてなしてくれる。
そんな朗らかな包容力がこのホテルにはあるんです。
画像デザイン/齋藤春香 イラスト/木村美紀 写真提供・構成・取材・文/東原妙子