名古屋の人気サウナ「サウナ&カプセルホテル ウェルビー栄(以下、ウェルビー栄)」。2023年春に3階が全面リニューアルし、女性専用エリアと男女共用エリアがオープン! さらに、注目のサウナリトリート「ウィスキング」プログラムを体験できるということで、 “ととのい”好きのエディター・uncrave WHITEディレクターの東原妙子さんが体験してきました。
ファッションエディター、「uncrave WHITE」クリエイティブディレクター
1977年、東京生まれ。大学卒業後は銀行OLを経て出版社に転職。現在はフリーのファッションエディターとして、女性誌を中心にブランドの広告やウェブコンテンツ製作などで幅広く活躍。2020年にECブランド「アンクレイヴ」を立ち上げ、2022年からはコレクションライン「アンクレイヴ ホワイト」のクリエイティブディレクターを務める。ファッション以外にも、趣味はサウナ、温泉、旅行、漫画、グルメ(主に鮨)など多岐にわたり、飾らないキャラクターが人気のInstagramはフォロワー6.5万人超え。
こんにちは。
夏休みと言えど、夏らしいことなど一切せずに、冷房の効いた部屋で“オタ活”しながら、ごろごろごろごろ自堕落な生活を送りたい東原妙子です。
とはいえ、心身のメンテナンスには、“オタ活”だけでなく“サ活”も不可欠!
ということで、あの有名なレジェンドサウナ、名古屋の「ウェルビー栄」へ行ってきました。
これまで男性専用施設だったこちら。昨年、女性サウナーからの切なる要望により、3階フロアをリニューアル。女性専用エリアと男女共用エリアが誕生したと聞いてワクワク♡
新感覚の女性専用サウナエリア「Forest House」が誕生
新設された女性専用エリア「Forest House」は、木材を基調にした森の中をイメージしたエリア。
入口の靴箱や脱衣所も、木の香りのする明るくナチュラルな内装が心地よく好印象。
中に入ると、中央にはメインサウナの「KIRIKABU」がドーン! その名の通り大きな切株のような外観が特徴的で、まわりの段差の部分に座ってくつろぐこともできます。
内部は円形で広く、ベンチの波打つような曲線がどこか有機的なイメージです。まくらもあるので混雑していなければごろんと寝っ転がってもOK。照明が暗く落とされていて、木の香りを感じながらリラックスして過ごすことができます。天井の遮熱板が花形なのも、さりげなく可愛くてほっこり♡
メインサウナ「KIRIKABU」で得意のごろごろタイム♡
巣箱のような木の靴箱
サウナから出たら、シャワーを浴びていざ水風呂へ!と、いつもの流れを思い描きつつ、その“いつもの水風呂”が見当たらない。
こちらの水風呂、扉に「Herbal Cold Bath」と書かれた白い小さな小屋の中にあるという斬新なスタイル! しかも、ドアを開けて中に入るとハーブの香りの蒸気が満ちていて、室内がほんのり温かい。一瞬困惑しますが、目の前の水風呂に入ると、水温はひんやり20℃前後、深さがあるので全身どっぷりつかることができます。
サウナで火照った体を冷やしつつも、乾いた肌に頭から潤いのスチームを浴びているようなフレッシュな感覚が心地いい♡ 水風呂が苦手という女性にも、これはよさそう!
今月の『由美たえこ』㏌「Herbal Cold Bath」
そして、もうひとつ、見過ごされがちな場所に、実はひっそりと小さな水風呂があるんです。
個室「Herbal Cold Bath」の左脇、オープンエリアにある小さなプールのような水風呂。こちら、何と水温は約8℃! サウナー用語でいうところの『シングル』(水温が1桁台=10℃未満の冷たい水風呂のこと)ってやつですね。
女性サウナでシングルの水風呂は、なかなかお目にかかれないので、バチバチにととのいたいガチ勢はこちらでぜひ。
扉の左側にある小さな水風呂。水温はシングル!
注目のサウナリトリート「ウィスキング」を体験
女性フロアの奥にはもうひとつ、ログハウスのような作りのサウナ「Whisking House」があります。
「ウィスキング」とは、バルト三国発祥の文化で、ウィスキングマイスターと呼ばれる専門の施術者の方が、シラカバなどの枝葉を束ねたウィスク(=ヴィヒタ)を使って心身をととのえていくリラクゼーショントリートメント。
ここは、全国的にも珍しい「ウィスキング」プログラム専用サウナなんです! 中に入ると、そこはまさに北欧の小さな山小屋。鳥のさえずり(※録音)も聞こえてくるし、気を抜くと木靴をはいた妖精なんかが出てきかねない非日常空間です。
まずは、ウィスキングマイスターのカウンセリングからスタート! 植物についての専門知識を持っていて、棚に並ぶたくさんのハーブの中から、その人の気分や体調に合わせてブレンドしてくれます。
常に健康状態に自信がない私。
寝つきが悪く、起きた瞬間から絶望的に疲れていて、肩こり、腰痛、眼精疲労、自律神経がガタガタで天気頭痛もひどいし、危篤レベルの超低血圧だし(連載vol.6 冒頭参照)、異常なガニ股で、物忘れはひどいし、部屋は片づけられないし…と、サウナなんかじゃ到底治せないようなものも含め、思いつく限りの不調をお伝えしたところ、嫌な顔ひとつせずニコニコと聞いてくれて、もうそれだけですごくいい人(笑)。
おそらく色々聞き流してくださった結果、この日の私には、女性のバランスを整える優しい植物“リンデン”、血行促進の“ネトル”、デトックス効果の“よもぎ”の3種類のハーブを選んでくれました。
今回担当してくれた、ウィスキングマイスターのLisaさん
そして、いよいよサウナ室へ。
香木を焚いたあとは、サウナ室内の蒸気をウィスクに絡めて、それで体を叩いたり、なでたり、押し当てたり。
一見、何の儀式?という感じですが、ウィスクに使われている植物は、体の自然治癒力アップを期待できる成分が含まれていて、血行促進や心身のリラックス、肌を整える効果も期待できるとか。この日は、オーク、シラカバ、ユーカリを使用。そして本場では、浄化の儀式的な意味合いもあるのだそう。
あ、それと、ご希望あるかはわかりませんが、柏餅になった気分も体験できます。
「ウィスキング」の謎儀式。
※撮影のため特別に水着を着用しています
しっかり温まったら、一度サウナの外へ。
次に待っているのは、タオルでグルグル巻きにされるという新たな儀式です。視界と動きをふさがれ、音と香りとじわ~っと体の中から温まる、時間も場所も忘れる不思議な感覚に。
これは、「ヒートショックプロテイン」(体に熱ストレスが加わることによって細胞内に増えるタンパク質の一種。代謝をアップしてくれる)を増やすために、熱を逃がさないようにしているのだそう。
柏餅体験のあとは、ミイラ体験か…。
ウィスキング…奥深いな…。
五感のすべてを心地よく刺激され、「ウィスキング」プログラムがすべて終わるころには、頭も体も心もほぐれてホワホワ~と幸せな浮遊感を体感できました。
「ウィスキング」の謎儀式パート2
女性目線のアメニティやサービスがうれしい
アメニティへのこだわりは、女性専用サウナだけの特典!
シャワールームには最先端のヘアケアブランドのシャンプー&トリートメント、パウダールームには「ReFa」や「Dyson」の高級ドライヤーやヘアアイロンが設置されています。
サウナマットが使い放題で衛生的だったり、無料の日替わりドリンクがあったりと、さりげない配慮もうれしいポイント。
タラソ幹細胞成分を配合した「エイト ザタラソ」の美容シャンプー&トリートメント
この日の日替わりフリードリンクは玄米茶
東海地区最大のサウナも! 充実の男女共用スペース
女性専用サウナと同じフロアに、男女共用エリアも新設。館内着を着て自由に行き来することができます。
目玉はやはり、約70人を収容できる東海地区最大の「Sauna Theater NAGOYA」!
こちらでは、サウナマスターによるアウフグースやサウナヨガなど、ウェルビー独自のサウナプログラムを毎日開催。照明や音の演出にもこだわっていて、男女一緒にイベントを楽しむことができます。
「Sauna Theater NAGOYA」にてアウフグースイベントの様子
また、男女共用スペース「Rest Area」には、掘りごたつ席や半個室スペース、コワーキングスペース、漫画コーナーなど多彩な趣向の空間があり、それぞれのスタイルに合わせて自由に時間を過ごせる仕組み。
白くてモダンな「Sauna Bar」スペースでは、北欧産のビールをはじめとしたヨーロッパの珍しいドリンクなどを楽しめます。
「Sauna Bar」の奥には、女性専用の休憩スペースも新設されました。
「Rest Area」にはソファ席や半個室スペースもあり
「Sauna Bar」奥にある女性専用の休憩スペース
本気サウナーも初心者も楽しめる、ユニークなサウナ
レジェンドと呼ばれるサウナは男性限定のところが多くて、いつも恨めしく思っていたのですが、今回、名古屋のレジェンド「ウェルビー栄」に新設された女性専用エリアにお伺いして歓喜しました。
男性サウナと同じシステムなのかな?と思いきや、いい意味でまったく別物! 女性サウナーならではの夢と希望が詰まった、ありそうでなかった仕組みが満載でした。
都市のド真ん中にありながら、自然を感じるおしゃれでリラックスできる内装に、新感覚のウィスキング体験で癒され、それでいて男女共用エリアのイベントプログラムなど、一日楽しめるエンタメ性もある。
この新エリアがオープンしたことで、“漢”(?)だった場所の間口が広がり、本気サウナーも初心者も、男性も女性も、若者も大人も、みんながそれぞれにリラックスして楽しく過ごせる場所にアップデートされていました。これは新たな“レジェンド”として、ますます大勢の人に愛される施設になりそう!
画像デザイン/齋藤春香 イラスト/木村美紀 写真提供・構成・取材・文/東原妙子