世界の生理事情をのぞいてみると、より広い視野で自分の体と向き合えるのでは…? そう考えたyoiは、世界5都市に暮らす女性たちに、“半径10mの生理事情”をリサーチ。第2回は、TBSアナウンサーとして活躍後、ドイツ・ベルリンに渡ってアーティストとして活動中の伊東 楓さんが登場。「ハーブティー文化」が根付くドイツならではの生理期間の過ごし方を教えてくれました。

※今回の記事は伊東さんへの取材をまとめたもので、ドイツのすべての生理事情を代表するものではありません。

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伊東 楓

アーティスト

伊東 楓

1993年10月18日生まれ。TBSテレビに入社後、アナウンサーとして数々の番組を担当。2021年2月に退社後、3月に初の絵詩集『唯一の月』を出版。同年10月からドイツ・ベルリンに拠点を移し、アーティストとして活動している。

ハーブティー文化が根付くドイツは、生理期間を快適にするアイテムが充実

Q.伊東さんの半径10mで、「生理」はどのようにとらえられていると感じますか?

ドイツは、生理をコントロールしている人が多い印象を受けます。その背景には、ピルの種類が豊富で、14歳から服用可能(※16歳未満は、場合によって親の同意が必要)かつ、22歳の誕生日までは無料でピルを処方してもらえることが要因のひとつとしてあるのかなと。ドイツの人が婦人科を受診する心理的ハードルは、日本人よりも低い印象があり、私の友人も生理トラブルが起きたらすぐに受診しに行っています。



Q.ドイツでは、どのような生理用品が売られていますか?

ドイツ国内最大手のドラッグストア『dm』の商品棚を見ると、生理用品のバリエーションは豊富だと感じます。ナプキン、タンポン、月経カップ、吸水ショーツ、デリケートゾーンのケアアイテムもたくさん売られています。私はまだ挑戦できずにいますが、最近では吸水ショーツを愛用している友人が増えていますね。

ドイツ フェムテックアイテム

上段にはデリケートゾーン用のソープ、その下には『einhorn』の月経カップや、『SELENACARE』の吸水ショーツ、『dm』のプライベートブランド『Jessa』の布製のパッドが並ぶ。

Q.生理用品はどういうものを使っていますか?

私は、日本に帰国するたびに生理用品を大量に買って、ドイツに持参しています。日本のふわふわした無香料のコットン製ナプキンを長年使っていた私には、ドイツのナプキンのプラスチックっぽい吸水面や、強い香りに慣れなくて…。とはいえこちらでは、Tバックなどショーツの形に合わせた製品のバリエーションが多く、しかも低価格(0.95€〜1.75€程度)。そこは、ドイツの生理用品のよさだと思います。

ドイツ 生理用品 ナプキン

ドラッグストア『dm』のプライベートブランド『Jessa』のナプキン(14枚入りで0.65€)。「私のまわりで人気No.1のナプキンです。安い上に、使い心地がいい!」(伊東さん)

サウナは全裸で男女混合?! 文化とひもづくデリケートゾーンケアへの意識の高さ

Q.ドイツに住むようになって、生理との向き合い方に変化はありましたか?

ドイツに住むようになってから、デリケートゾーンケアに気を遣うようになりました。ドイツはサウナ大国で、男女混浴かつ原則全裸入浴のサウナ施設も多いため、アンダーヘアをきれいに処理している人が多いんです(スパなどは水着の着用がOKな場合も)。そういう文化の影響もあり、友人との会話にデリケートゾーンケアの話が当たり前に出てくるし、関連アイテムも豊富に売られています。私もドイツに来てから気にするようになり、『ニベア』のデリケートゾーン用ソープやワイプを愛用しています。使い始めてから、肌の荒れやかゆみがなくなったので、今では手放せないアイテムです!

ドイツ デリケートゾーン用ソープ ニベア

日本では未発売の『ニベア』のデリケートゾーン用ソープ(2.95€)。フレッシュな香り。

 Q.生理期間はどんなふうに過ごしますか? ルーティンがあれば教えてください。

私は生理痛が強いので、初日〜2日目は日本やロンドンで購入した鎮痛剤を飲んでいます。というのも、ドイツの薬局では薬を簡単に買えないんです。ロキソニンのような強い薬の場合は、病院で処方箋をもらわなければ手に入れられなくて…。そのかわりに、自然療法のひとつとして「ハーブティー文化」が根付いています。ドイツでは、薬局で不調を伝えると症状に合わせたハーブティーを処方してくれるんですよ。

薬が気軽に手に入れられないことには多少不便を感じますが、私もドイツに来てから体質を改善、病気を予防してくれるハーブティーを飲む習慣がつきました。スーパーにも驚くほど豊富な種類の茶葉がそろっているため、PMSがひどいときや体を温めたいときはもちろん、気分に合わせて日常的に飲んでいます。

ドイツ 紅茶売り場

ドラッグストア『dm』の茶葉売り場は、圧倒的な品揃え。

それから、生理期間中にアロマキャンドルを焚いてリラックスすることも大好きです。ハーブティー同様に、ドイツはアロマキャンドルの種類も豊富。しかも、値段も安いので家でよく焚いています。

ドイツ 伊東楓. 紅茶・ハーブティー

[右上&右下]「ドイツ・フランクフルトで誕生した『Ronnefeldt』が、いちばんお気に入りの紅茶ブランドで、茶葉は何種類もストックしています。特に、『White Peach』が好きです」(伊東さん) [左下]効能別にブレンドされたハーブティーが有名な「Bad Heilbrunner(バードハイルブルンナー)」。ストレスを緩和してくれる「Anti-Stress Tee」と、神経を落ち着かせて心地よい睡眠へと誘う「Schlaf- und Nerven Tee」を愛飲。

構成・取材・文/海渡理恵 企画/種谷美波(yoi)