yoi読者から寄せられた生理にまつわる疑問や悩みに、専門医がアドバイス! 今回は、生理中の入浴について伺いました。

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Q.生理のときのお風呂、湯船につかってもいいの?

「生理のときのお風呂って、膣に雑菌が入ったり、血がお湯の中に出たりしそうで落ち着かないのですが、湯船につかってもいいのでしょうか? そして生理中のデリケートゾーンはどのくらい洗っていいものですか?」

お話を伺うのは…
小野陽子先生

産婦人科医/心療内科医

小野陽子先生

日本産科婦人科学会専門医。心身医療専門医。日本女性医学学会ヘルスケア専門医。日本女性心身医学会認定医師。女性の心身の不調の背景には社会的・環境的要因が影響していると感じ、産婦人科研修後、心療内科でも研修。女性が自分自身で心と体の対話を大切にできるようサポートしていく女性医療を心がけている。2020年にAddots GINZAを設立し、女性のためのオンライン相談室「女性の心と体の相談室」をスタート。

A.湯船につかっても基本的に問題ありません。

湯船につかるのは基本的に問題ありません。もしご家族と一緒に暮らしているのであれば、最初に入ってお湯を張り替えることで、お互いに気持ちよく入浴できます。

お風呂で血流がよくなると、痛みを引きおこす物質である「プロスタグランジン」の代謝が促されて、生理痛がやわらぐことも。もちろん、無理につかる必要はないのでシャワーだけでもかまいませんが、湯船につかるより体が温まりにくいので、体を冷やさないように気をつけましょう。

水圧によって経血も出にくくなるので、湯船に大量に経血が混ざってしまう心配もほとんどありません。もし気になるのであれば、タンポンや月経カップを使うのもひとつの方法です。ただし、経血がたれる可能性や感染症のリスクなどを考えると、温泉や銭湯は避けたほうがいいでしょう。

旅行などでどうしても入りたい場合は、タンポンや月経カップを活用しましょう。低用量ピルや中用量ピルを服用して生理期間をずらす方法もあります。その場合、直前の服用では間に合わないので、ずらしたい予定の2〜3カ月前には婦人科で相談しましょう。

デリケートゾーンを洗うなら外陰部まで。膣内をゴシゴシ洗うのは逆効果!

膣内にはデーデルライン桿菌という常在菌がいて自浄作用があるので、膣の中をゴシゴシ洗うのはNGです。洗いすぎたり、強くこすりすぎたりすると、膣内の粘膜を傷つけたり、膣内の安定した状態を保つために必要な常在菌にまで影響してしまうので逆効果となります。炎症やかゆみを引きおこしてしまう可能性もあるので、デリケートゾーンを洗うときはデリケートゾーン専用ソープで外陰部を優しく洗いましょう。

構成・取材・文/国分美由紀