【メンテック最新アイテム】 精子観察キット、妊活サポートサプリ…男性特有の悩みをサポート

本井さんによると、確立された定義はなく、主に考えられるカテゴリとしては次の4つがあるのだそう。「早漏や遅漏など性機能に関する悩みも含めて、どこまでをメンテックとして扱うかはメディアによっても異なるようです」（本井さん、以下同）

◆妊活（男性不妊を含む）
「男性不妊」とは、男性側が不妊症の原因となっているものを指す。WHO（世界保健機関）の統計では、不妊症の48％は男性が関与していることがわかっている。その原因は「精子をつくる機能の低下（造精機能障害）」「勃起や射精ができない（性機能障害）」「精子の通り道が詰まっている（精路閉塞障害）」の3つに分類される。

◆ED（勃起不全・勃起障害）
性機能障害のひとつで、満足のいく性行為に十分な勃起を達成できない、もしくは維持できないこと。原因は心理的要因と身体的要因があり、2つが重なる場合もある。日本では約1400万人、成人男性の4人に1人が抱えているといわれる。

◆AGA（男性ホルモン型脱毛症）
成人男性特有の進行性の脱毛症。生え際（前頭部）や頭頂部を中心に髪が薄くなっていくのが特徴で、男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」によって起こる。男性の薄毛の90％以上はAGAが原因といわれる。

◆セクシャルウェルネス
WHOの定義では、「セクシュアリティに対して身体的、感情的、精神的、社会的にも健康な状態であること」。体だけではなく、満足度や充実度といった感情も含めた、性の健康を意味する。

「欧米では、福利厚生として卵子凍結を補助する企業が増えているようで、アメリカでは手頃な価格帯で在宅検査キットと凍結保存プランを提供する『Legacy』が誕生するなど、今後、さらに需要が高まりそうです」

実は、NYのマウントサイナイ・アイカーン医科大学の研究では、1973年～2011年の約40年間で、世界的にみて精子の濃度が約70%に減少していること、特に欧米諸国では約半分まで減少していることが報告されたといいます。

「スマホのカメラを使って精子を観察できる『メンズルーペ』は、自分を知る最初の一歩として活用してほしいツールです。そこで運動量や精子自体が少ないことがわかれば、『病院に行ってみようかな』と思うきっかけになるかもしれません。こうしたプロダクトが、自分や正しい情報を知る糸口になればいいなと思います」

「遅漏」とは、セックスでの射精が本人の意図よりも遅い状態のこと。遅漏が重度化すると、セックス中の射精が困難な「膣内射精障害」となり、医学的には性機能障害に分類される。どちらも時と場合で症状が変化し、マスターベーションでの射精は可能なケースがほとんど。TENGAヘルスケアによる2017年の調査では、推計270.2万人（成人男性の約20人に1人）、そして自身を「遅漏」や「遅漏気味」と考える男性は約709万人という結果に。

「遅漏や膣内射精障害の原因の7割が間違ったマスターベーション、残りの3割は心理的な問題といわれています。間違ったマスターベーションの中でも、床に男性器をこすりつけて射精にいたる『床オナ』は、十分に勃起しない状態での射精が癖になってしまうため、勃起能力が下がるリスクがあります。そもそも勃起というのは、男性器の海綿体に血液が充満することで起きますが、床オナを繰り返すことは、その充満が十分にされない状態の常態化といえます。性交渉とは異なる刺激ということもあり、症状改善には時間が必要になります」