自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。
Q7.ペニスや睾丸をきちんと洗えていないとどうなりますか?
7つ目のギモンは、【ペニスや睾丸をきちんと洗えていないとどうなりますか?】。Q6で正しい洗い方について教えていただきましたが、きちんと洗えていないと思わぬ肌トラブルを招くことも。どのようなことが起こりうるのか知っておき、いざ直面した時に焦らないように備えておきましょう。
A7.亀頭包皮炎や接触性皮膚炎が起きやすくなります!
過度に洗ってしまうことも原因に!?
小堀先生:【Q3:包茎の種類と特徴、デメリットはありますか?】で、きちんと洗えていないと恥垢が溜まって「亀頭包皮炎(きとうほうひえん)」が起きやすくなるとお伝えしましたが、実は過度に洗う行為も恥垢が大量に溜まる原因になります。恥垢が溜まりやすいから…と丁寧にゴシゴシ洗っているのに、1日もたたないうちにぺニスに恥垢がべっとり溜まってしまう人も! 洗わなくても洗いすぎても恥垢が溜まりやすくなるので、ほどほどに洗う意識を持つことが大切です。
洗いすぎによって恥垢が溜まりやすくなるのは、「接触性皮膚炎(せっしょくせいひふえん)」が起きて免疫力が落ちるから。ほぼ粘膜に近い亀頭や亀頭冠状溝に炎症が起き、赤みやむくみなどの症状が発生。また、皮膚が乾燥して包皮の皮膚のしなやかさが失われることにより、ちょっとした刺激で傷ついて出血することもあります。
炎症が起きたら泌尿器科の受診or市販のワセリン等で保護を
小堀先生:亀頭包皮炎や接触性皮膚炎によって炎症が起きたら、最寄りの泌尿器科を受診してください。亀頭を保護する軟膏薬が処方されると思うので、炎症が鎮まるまではぬるま湯だけで洗って、お風呂上がりに軟膏で保湿を。クリニックに行く時間がなかなか取れないときは、ひとまず市販のワセリンやプロペト軟膏で保護してもOKです。なお、ステロイドを使うと皮膚が薄くなって逆に悪化してしまうことがあるのでご注意を。
プライベートケアクリニック東京・東京院 院長
日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。
取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)