自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。
Q8.ペニスの亀頭や裏筋に白くて小さなブツブツが。これって性病ですか?
8つ目のギモンは、【ペニスの亀頭や裏筋に白くて小さなブツブツが。これって性病ですか?】。まわりに相談しにくいとの声が多かった、白くて小さなブツブツについて。自分では見えないペニスや睾丸の裏側にあり、パートナーに指摘されてから気になり始めた人もいるのだとか。大切なパートナーにもきちんと説明して安心してもらうためにも、ブツブツの正体について把握しておきたい!
A8.ブツブツの状態によって性病とそうでないものがあります
小堀先生:亀頭の周囲や冠状溝(亀頭の付け根)、陰茎の側面などに生じる白っぽくて細かいブツブツは「真珠様陰茎小丘疹(しんじゅよういんけいしょうきゅうしん)」と呼ばれ、性感染症ではないイボのことです。粘膜下の脂腺が透けて黄色っぽく見えることもありますが、生理的変化で生じる無害なイボなのでセックスによって感染することはありません。女性の場合は「膣前庭乳頭症(ちつぜんていにゅうとうしょう)」と言って、同じ症状が小陰唇の内側(膣前庭)に発生することがあります。
ただ、真珠様陰茎小丘疹は治療の必要はないのですが、性感染症である「尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま)」と見た目が似ているため見分けがつかないパターンも! ブツブツの状態が生理的なものか、それとも性感染症であるかは、実際に診察してみないと判断できません。もしもブツブツが増えたり、範囲が広がっていたり、ブツブツが鶏のトサカやレンガが積み重なっているように見えるなどの変化があるなら、尖圭コンジローマの可能性が高いので泌尿器科を受診してください。
プライベートケアクリニック東京・東京院 院長
日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。
取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)