自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン13

Q13.精子や男性の妊活にとってよくない生活習慣は?

13個目のギモンは、【精子や男性の妊活にとってよくない生活習慣は?】。子どもを望んでいる人だとなおさら気になる、精子や男性器にとって悪影響となる生活習慣。妊活を考えていなくても、病気のリスクを避けることにもつながる知識を身につけておきたい!

A13.一般的に健康によくないとされている習慣すべてです

健康によい生活習慣=精子の活動性や病気リスク回避につながる

小堀先生:人間は老化が進むにつれて、最初に衰えてくるのは生殖能力です。結局のところ、世間一般で「体によい」とされている健康的な習慣は、体にとっても生殖能力にとってもよいと言えます。バランスのとれた食事、適度な運動、適正体重の維持、タバコを吸わない、精神的ストレスをためない…など、健康によい生活習慣=精子の活動性や病気リスク回避につながっていくのです。つまり、これらと逆のことをするのが悪習慣! 何事も“過ぎたるは猶及ばざるが如し”ととらえて、常識的な範囲で健康的な習慣を取り入れていく意識を持ちましょう。

妊活に効果的な食習慣を知っておきましょう

小堀先生:ちなみに、食事で何を摂取したら精子にいいかはデータとしていくつか結果が出ています。鶏肉や魚、玄米や全粒粉、ナッツ類、オメガ3脂肪酸を含む食材などです。短期的に見ると精子によく、長期的に見ると生活習慣病の予防にも期待できますよ。

これらを若いうちから意識して過ごせば「プレコンセプションケア」にもつながっていくと思います。プレコンセプションケアとは、若いうちから男女共に体の状態を把握し、将来の妊娠や体の変化に備えて健康と向き合うという、世界保健機関(WHO)が提唱していることで近年注目されている取り組みのこと。正しい知識を身につけて健康管理を行い、次世代の子どもたちをより健康へ導くことが期待されています。

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小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)