自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。
Q33.マスターベーション、1日3回は多い?適切な頻度は?
33個目のギモンは、【マスターベーション、1日3回は多い?適切な頻度は?】。マスターベーションは寝る前に行うとリラックスして熟睡できたり、気分を落ち着かせたり、性的快楽を得る以外にもさまざまなメリットが。男性の中には、たまった精液を定期的に排出するための作業のように捉えている人も多いようですが、反対に1日に数回は射精しないと落ち着かないという人も。理想的な頻度はあるのでしょうか?
A33.正しいやり方であれば何回でもOK
小堀先生:回数について悩んで来院される患者さんがたまにいらっしゃるのですが、私はそのたびに「正しいやり方であれば好きにしていい」と答えています。射精ができる頻度は個人差があり、ためすぎてはいけない・出しすぎてはいけないといったことはありませんので、深刻に悩まなくても大丈夫。ご自身にとって無理のない範囲で行ってください。
また、遅漏の人がセックスの際に射精しやすくするために、オナ禁といって数日間マスターベーションを我慢する…という話を聞くことがありますが、回数を減らしたからといって遅漏対策になるわけではありません。遅漏のような射精障害は回数ではなく、間違ったマスターベーションが根本原因としてあるからです。そのため、【Q32:マスターベーションのやり方が間違っているとどうなりますか?】で挙げた不適切なマスターベーションを繰り返し行うことは避けてください。
プライベートケアクリニック東京・東京院 院長
日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。
取材・文/井上ハナエ 画像デザイン/永見花奈 企画・構成/木村美紀(yoi)