子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできる「子宮頸がん」は、乳がんに次いで、若い女性に2番目に多いがんといわれています。
日本では毎年、約1.1万人の女性がかかる病気で、さらに毎年、約2900人の女性が亡くなっています。患者さんは20歳代から増えはじめて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう人も、1年間に約1000人いるとのことです。(※厚生労働省が公開している「小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ」より)
子宮頸がんを発症させるウイルス「HPV」の感染を防ぐワクチンは、2021年11月に、専門家の評価により「HPVワクチンの積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当」とされ、原則2022年4月から、他の定期接種と同様に、個別の勧奨を行うことになりました。いわゆる「HPVワクチン接種の積極的勧奨」の再開です。
しかし、HPVワクチンの安全性に対する不安や、有効性に関する知識がまだ足りないと感じている人が多いのではないでしょうか? そこで、HPVワクチンの正しい情報の発信に努めている「クリニックフラウ栄」が行なったHPVワクチンの実態調査についてピックアップ。ワクチンについてのデータを知ることで理解を深め、接種について改めて考えてみませんか?
子宮頸がんの認知度は、性交渉が多いと思われる年齢ほど上がる
20代~50代のおよそ80%の人が子宮頸がん検診を受けている
子宮頸がんワクチン未接種の人が約7割
副反応を心配する人も多数。HPVワクチンに関する正しい知識を持って選択を
この4月から再開するHPVワクチンの積極的勧奨をきっかけに、HPVワクチンの普及、および接種率が高まり、日本でも子宮頸がんに罹患する人が少なくなることを期待したいですね。
■調査概要
調査期間:2021年10月11日〜14日
調査対象:「クリニックフラウ栄」に受診歴のある10代から60代の女性569人
調査方法:アンケート調査
※名古屋市中区栄の乳腺外科・婦人科「クリニックフラウ栄」のデータを参照
構成・文/宮平なつき