ナイキと読売巨人軍が協同して、スポーツを通じて子どもたち、特に女の子をサポートする助成プログラム「KARADAKARA(カラダカラ)」を実施します。yoiでは、ロールモデルとしてかかわるイモトアヤコさん、田中美羽選手、庄司夏子さんへインタビュー。本プログラムの魅力をはじめ、ジェンダーとスポーツにまつわる質問に答えていただきました。

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「KARADAKARA(カラダカラ)」ってどんなプログラム?

スポーツは子どもたちの成長に欠かせない要素であり、身体能力が向上するだけでなく、心の成長や仲間との絆を深めることができる貴重な場。でも実情は、さまざまな壁に阻まれてスポーツをする機会に恵まれない子どもたちが増えていて、特に女の子はそれが顕著に表れています。

この現状を変えるべく立ち上がったのが、ナイキと読売巨人軍。両者が協同し、体を動かすことを通じて子どもたちの成長をサポートする活動を行っている団体に対する助成プログラム「KARADAKARA」を実施することになったそうです。

この取り組みが目指す人物像を体現するロールモデルとして起用されたのが、昨年のパリオリンピックで金メダルを獲得したブレイキンのAMI選手、タレントのイモトアヤコさん、読売ジャイアンツ女子チームのキャプテン田中美羽選手、代々木上原のレストラン「エテ」のオーナーシェフの庄司夏子さん。

東京ドームで行われた開幕戦セレモニーにロールモデル3人が登場

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(左から)イモトアヤコさん、田中美羽選手、庄司夏子さん。

本プロジェクトの4名のロールモデルのうち、イモトさん、田中選手、庄司さんが読売ジャイアンツの2025年開幕戦に登場。ファーストピッチを務めました。

プロの野球選手である田中選手はもちろん、イモトさんと庄司さんも素晴らしいピッチングで会場をわかせ、たくさんの人たちに「KARADAKARA」の存在をアピール。

清々しい笑顔でマウンドを後にする3人に、会場からは大きな拍手が贈られました!

イモトアヤコ

タレント

イモトアヤコ

鳥取県出身。世界120カ国以上を訪れ、世界中であらゆることに挑戦。現在は一児の母。幼少期には、バレーボール、陸上、ハンドボールとさまざまなスポーツに取り組んできた。

田中美羽

読売ジャイアンツ所属選手

田中美羽

神奈川県川崎市出身。スピード感あふれるプレーと輝く笑顔が魅力。プレーだけでなく人間性でもチームを引っ張るキャプテン。

庄司夏子

été (エテ)オーナーシェフ

庄司夏子

東京都出身。中高生の頃、テニス部に所属。「アジアのベストレストラン50」にて、2020年に日本人女性として初めて「アジアの最優秀ベストリーシェフ賞」を、2022年に日本人として初の「アジアの最優秀女性シェフ賞」を受賞。

ロールモデル3人が考える「KARADAKARA(カラダカラ)」の可能性

ファーストピッチを終えて興奮冷めやらぬ中、イモトさん、田中選手、庄司さんに、今までの経験を踏まえたジェンダーとスポーツにまつわる質問に答えていただきました。

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──田中選手が活躍なさっている野球、庄司さんは料理の世界で、性別による環境の違いを感じたことはありますか?

田中選手 私は小さい頃の体験になるのですが、野球は男子選手が圧倒的に多いので、野球場に女性用の更衣室やトイレがない球場があって大変だった記憶があります。

最近はかなり環境が整ってきているとは感じますが女の子、男の子に限らず、誰もが参加しやすい環境を整える活動にも参加していきたいです。

庄司さん 料理業界も女性がすごく少ないんです。よく言われているのは、女性は生理があるから体調によって味の変化がある、体温が高いからお寿司を握れないなどの差別があるようです。

料理業界を超えて男女による差別を俯瞰で見ても、日本は諸外国に比べて男女による賃金の格差も大きいんですよね。まずはさまざまな分野において“女性”という言葉でフォーカスされることで、少しでも格差がなくなるといいなと思っています。

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──「KARADAKARA」のようにプロスポーツチームやブランドが、女の子に向けてスポーツをやろう!と呼びかけることについて、みなさんはどのように感じましたか?

イモトさん
 めちゃくちゃいいと思います! スポーツとひと言で言っても野球のようなチームスポーツから、個人でやる陸上競技、そして最近人気の高いダンスなど、実にさまざまな種類があるので、こういう呼びかけをきっかけにまずは興味を持ってもらえたらうれしいです。

そして今回はナイキの携わるプロジェクトということで、素敵なスポーツウエアを入り口に、スポーツに興味を持ってもらうっていうのもアリだと思います!

田中選手 私もイモトさんと同じ意見で、率直にすごくうれしい気持ちです。楽しいと思うスポーツに出合えたらぜひ続けてみてください。ストイックに追い込むとつらくなってしまうので、まずは楽しむことが大切だと思います。

庄司さん 受験や勉強との兼ね合いで、スポーツを休まないといけないタイミングが訪れることは誰にでもありうることだし、その後また体を動かすタイミングがいつどんな形で訪れるかはわからないですよね。でもこういう取り組みを見て、少しでも多くの人が運動を再開してくれたらすごく意義があることだと思います。

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──今までスポーツをしてきたことで、ポジティブな影響があったことを教えてください。

イモトさん
 中学時代、陸上部で短距離走をしていたのですが、まさに仕事に生かされています。そして小中高と厳しい運動部に所属していたことが、過酷な仕事を乗り越える原動力になっている気がします。

田中選手 私は野球を通じて、できないことでもあきらめずに続ければ、いつかできるようになるということを学びました。そして野球はチームスポーツなので、さまざまな人と出会い、それぞれの考え方を知ることができ、自分の成長にもつながりました。

中学や高校に上がるタイミングで、野球をできる環境が減り、目指すべきものが少なくなることはありましたが、私自身、野球が好きで楽しいという気持ちは揺るがなかったので続けることができました。もちろんまわりの人たちが支えてくれたからこそ続けられたので、これからは私も女子野球のための環境作りの一端を担えたらと思っています。

庄司さん 自分は中高ともテニス部に入っていたのですが、人生で最初に目上の人と触れたのが部活でした。大変なことは多かったけど、そこで目上の人との関わり方を学ぶことは、大人になって就職したときにすごく役に立ったので、運動部に入ってよかったなと思います。

大人になったときにいちばん大事な部分は運動で学ぶことができると思う
ので、運動を通してよりよい人生を送ってほしいです。 

菊池美里

エディター・ライター

菊池美里

大学時代にストリートのファッションやカルチャーに傾倒し、愛読していた雑誌の編集部に就職。ファッションの仕事を中心に、俳優やミュージシャンなどへのインタビューや、スポーツ系の体験取材など、興味のある分野を掘り続け今に至る。趣味は音楽鑑賞、ボクシング、野球観戦。読売巨人軍のファン。

構成・取材・文/菊池美里