モデル、ヨガインストラクターとして活躍する里見茜さん。私生活では3人の子どもを育てる母親でもあります。多忙なはずなのに、SNSやYouTubeで発信している生活は驚くほど穏やかでストレスフリーに見えます。里見さんが心と体のバランスを保つ秘訣とは? 里見さんならではのヘルシーな思考法を探ります。

里見茜

モデル、ヨガインストラクター

里見茜

1989年生まれ。東京都出身。雑誌の専属モデルとして活躍後、単身ハワイへ渡りヨガインストラクターのライセンスを取得。現在はフリーランスのヨガインストラクターとして、ヨガイベントやヨガ雑誌で活躍中。2020年より公式YouTubeチャンネル「Akane‘s yoga」をスタート。

ヨガに出会う前は、心が不安定で人に対する偏見もあった

里見茜 インタビュー ヨガ

——里見さんがヨガを始めたのはいつ頃なのでしょうか?

里見さん 二十歳の頃に趣味で始めました。体を動かすだけでなく、精神統一の効果があるなと気づいてだんだん本格的にヨガをするように。それまでの私は、呼吸が浅くなりがちで、交感神経が高まりやすいほうでした。自分を労るということもほとんどしてこなかったです。今考えると、体調不良をおこしやすかったり、すぐ不安定になってしまったり、人に対しての偏見を割と強く持ってしまっていたと思います。ガでそれが改善していくのを感じてからみるみるハマり、RYT200というヨガのインストラクターの資格を取得しに、ハワイに行くほどになりましたね。

妊娠する前は「ヴィンヤサフロー」というアクロバティック系の、体を大きく動かすヨガに夢中でしたが、一人目の子どもが生まれてからは、マタニティヨガ&リラックスヨガに切り替えました。
産後は筋肉がすごく固まっているのでまず、少しずつほぐしてくのが大切。また開ききっている骨盤も閉じていかなければいけないので、激しい運動は控えて、まずは骨盤を戻していくことに集中します。呼吸を意識して深く深呼吸したり、前屈・後屈・側屈、伸展、回旋など5つの動きを実践していくことで、少しずつ体が整っていっているのを感じています。

人のせいではなく、「この環境、この状況は自分自身が作っているもの」と思えるようになった

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——体のメンテナンスはもちろんですが、心のメンテナンスも重視されているんですね。子育てでお忙しいなか、ヨガの時間はどうやって捻出していますか?

里見さん 毎朝6時半に起きて、45分だけ自分の時間を作るように心がけています。起きてすぐに近所のジムへ行って30分の有酸素運動、帰ってきたら15分だけヨガをするんです。子どもが寝ている間にやっちゃいますね。まだ子どもたちは小さいので、寝室にカメラを設置していて、異変があったり、泣き声が聞こえたら、すぐに戻れるように工夫しながらやっています。


——子育てもそうですが、妊娠期間中や産後は、ホルモンバランスの変化に左右される人も少なくありません。ヨガの考え方や習慣を取り入れて役立ったことはありましたか?

里見さん ヨガをするようになって、考え方がすごくシンプルになりました。悩んだり、怒ったりすることも減りました。それはなぜかというと、自分が源であることに気づいたからです。子どもたちのせい、夫のせいではなく、この環境、この状況は自分自身が作り出しているものなんだとわかったというか。私が笑っていれば家族も笑うし、私が悲しければ家族も悲しい。たまに激怒してしまうときもありますが(笑)、つねにそういう気持ちを大切に生きようと思えるようになりました。

「こんな自分がハグしていいのか」初めての子育てに戸惑い、悩んだ経験

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——SNSやYouTubeなどを拝見すると、とても順調に子育てをされている印象を受けるのですが、子育てに関して悩んだ経験はありますか?

里見さん 2018年に長女を産んで1年くらい、どう接してあげるのがいいのかわからなくて、悩んだ時期もありました。そのときは子育てに正解・不正解を求めてしまっていて、自分自身もかなり不安定だったと思います。すぐに仕事と両立させようとしすぎて、無理矢理頑張りすぎていたのかもしれない。娘を抱きしめてあげたいと思っても、「こんな自分がハグしていいのか」とさえ考えてしまったり。でも次第に、「子育てに正解なんてなくて、その方法は自分でつくり上げていくもの」ということに気づいていったんです。

その葛藤を乗り越えて今は子育てにも慣れ、3人子どもがいますが、いつか4人目が欲しいなとすら思っています…!

もっと自分を愛して、ハグしてあげてほしい

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——母親として、女性として、里見さん自身の心や体を大切にするためにしていることありますか?

里見さん:ヨガ以外では、いつも日常の自分の在り方を考えるようにしています。不必要に物で満たすのではなく、必要なものだけをまわりに置いておく。だから、家の中もとにかくシンプルです。いわゆる、断捨離もしました。物の断捨離だけでなく、人間関係や自分のマインドの断捨離も。自分を整理することで、人への偏見も無くなった気がします。

あとは、自然を好むようになりました。特に子どもたちには、都会に暮らしているからこそ、できるだけ自然に触れさせたいと思っています。テレビは全然観ませんね。

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——最後に、30歳前後のyoi世代の女性に伝えたいメッセージやアドバイスがあれば教えてください。

里見さん 今35歳の私より下の世代の人たちと話していると、「私なんて」「僕なんて」という人が多い気がするんです。まわりに気を使うがあまり、とても繊細で消極的になってしまっている印象があります。

だから、もっと自分を愛して、認めてあげてもいいんじゃないかなって。自分に寄り添って、自分をハグしてあげる。まわりと比べないように努力してみる。私はそんなときヨガをしています。ヨガは自分と向き合う方法として、本当におすすめですよ。



撮影/三部正博 ヘア&メイク/宮本佳和(BE NATURAL) 取材・文/多田綾子 構成/種谷美波(yoi)