生理と真正面から向き合う特番『生理CAMP2020』を手がけたテレビ東京プロデューサー・工藤里紗さんのインタビュー後編は、気になる仕事とプライベートの両方にフォーカス。「テレビプロデューサーって、実際どんなお仕事?」「多忙な中でどう息抜きしてる?」「最近面白いと思ったコンテンツは?」など、踏み込んだ質問にも答えてくれました!
テレビプロデューサーの魅力とは?
今の時代、番組を作って終わりではない
この仕事のいちばんの魅力は、いろんな人に会えること。特にテレビ東京の場合は、街行く方にその場で声をかけて取材させていただく番組も多いので、農家のおじいさんおばあさんから活躍されている起業家の方までさまざまな人に会って、その人の魅力を引き出すことができる。以前、ロケでイビサ島っていう地中海に浮かぶ島に行ったときは、映画に出てくるような豪邸で、セレブがモデルを呼んでプールに入るようなパーティにお呼ばれしたんですが、そんなこと人生でなかなか経験できないじゃないですか(笑)。
そうやって知らなかった世界をのぞけるとワクワクするし、今のテレビって番組を放送しておしまいじゃなくて、そこからイベントを企画したり書籍や音楽を作ったり、エンターテインメントを軸に可能性が広がっていて。広告っぽい仕事や人をオーガナイズする仕事、売上を伸ばすためのビジネス的なチャレンジ…やりようによってなんでもできちゃうのがプロデューサーの面白いところだと思います!
真剣にモニターをチェックします
とある1日のスケジュール
日によってバラバラですが、こんな1日を過ごすことが多いです。
5:30 起床
5:50 子どもを起こす
6:00 朝食
6:30 お風呂、身支度、メールチェックなど
子どもを見送ったあとは、少しだけゆっくり自分の時間を過ごします。
10:00 出社
仮編集したVTRのチェック、ナレーション原稿や台本の確認、他部署との打ち合わせが主な仕事。
19:00 業務終了
自分で調整できる仕事の場合、夕食の時間帯はできるだけ確保して、子どもにごはんを食べさせたり、宿題を見たり、お風呂に入れたり。その後、再びVTRのチェックやこぼれた仕事をする日も。
25:00 就寝
こんな生活なので、常に寝不足問題はつきもの。電車の中では信じられないくらいの大口を開けて寝ていて、今はマスクをしているのでよかったと思いながら過ごしています(笑)。
お子さんとリフレッシュ
多忙な毎日でも心身のバランスを保つ秘訣は?
休日は趣味の自転車を満喫!
リラックスできる時間を作ること
そんなにバランスがとれているわけではないかもしれないんですけど、自分のバイオリズムを意識するようにはしています。それだけで自分自身もラクになるし、まわりにも配慮できるはずだから。あと、毎晩湯船にはつかってますね。つかりながらタブレットで海外ドラマを見ているので、心が休まっているかどうかはわからないですけど(笑)、私の場合はそれが現実世界とは違う場所に行ける大事なひとときなんです。そして、モヤモヤしたときは家族に話す。ため込みすぎると大爆発してしまうので、パンパンになる前に空気を抜くようにしています。
休日は趣味のロードバイクにどっぷり
最近、お休みの日はロードバイクに乗っていて、それは心身のバランスをとれるようになったいちばん大きなでき事ですね。きっかけは、瀬戸内のしまなみ海道でレンタサイクルで70㎞の自転車旅を体験したこと。自転車の力は借りつつも、「自分の力でこんなに遠くまで移動できるんだ!」って感動したんです。
それに、ペダルをこいでいると暑いし虫は飛んでくるけど、車に乗っていたらわからない匂いを感じることができて、それが本当に気持ちいい。さらに後日Netflixで見た『弱虫ペダル』が最高すぎて、「やっぱりこれはロードバイクを買わなきゃ!」と思って始めた趣味です(笑)。
HITメーカー工藤プロデューサーが最近おすすめのコンテンツは?
気分転換に見る海外ドラマ、yoi読者にオススメしたいのはこちらの2本です!
『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』
「SKYキャッスル ~上流階級の妻たち~」Hulu、Netflix他で配信中
© Jcontentree corp & JTBC Content Hub Co., Ltd. all rights reserved.
韓国の行きすぎた受験戦争を描いた強烈ドラマ。夫とこのドラマについて話したくて今見てもらっているので、私はそれにつき合って2周目なんですけど、やっぱりすごく面白い。ちなみに、これを見終わったら、同じく韓国ドラマの『Mine』に移行する流れがオススメです!
「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」
Huluプレミア「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン1~4 Huluで独占配信中
© 2021 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.
有害物質や大気汚染の影響で不妊の女性が増え、子どもを産める女性は産むための道具のように扱われてしまう、という設定のお話。フィクションではあるけど、今の社会問題とリンクしていて、これって全然フィクションではないんじゃないかって思えてくるんですよね。考えさせられる、かなりパンチの利いた作品です。
これからは、やわらかい心と頭を大切にしたい
変化を恐れずに新しいものを探求しつづけること
読者の皆さんの中には、コロナで孤独やもどかしさを感じている方もいるはず。でも、まわりの人に意識を向けて、ちょっとオープンになるだけで世界は開くし、生きやすくなるのかなと思います。そして、何事も「知る」ことはやっぱり大切。知識がないがゆえに、誰かを傷つけてしまうことってあるんですよね。年齢を重ねても新しいものを探求し続ける。そのためにはやわらかい心と頭が必要なので、常に時は流れて未来へと進んでいっているということ、だったら自分も変わっていくべきなんだと意識するようにしています。
工藤さんからyoi読者へメッセージ
yoiをチェックしている方たちは、生き方とか体とか心とか、パッと見ではわからないことにも目を向けられる人。そうやって多様なものに興味を持ったり想像力を働かせることができる人こそが次の世代のために多様な未来を切り開いていくことができると思うので、自信を持って邁進してほしいです。応援しています!
『生理CAMP みんなで聞く・知る・語る!』についての情報はこちら!
撮影/千葉タイチ 取材・文/吉川由希子 企画・編集/種谷美波(yoi)