Hey! Sɑy! JUMPのメンバーであり、俳優、モデルとしても活躍する中島裕翔さんが、約8年間務めた「メンズノンノ」のレギュラーモデルを12月号(2025年11月9日発売)で卒業。その節目として、自身初となるソロ写真集「Hue I am(ヒュー アイ アム)」を発売! これまでの活動の集大成とも言える一冊に込めた想いや、自分らしくあるためのセルフケア方法についてお話を伺いました。
写真集の撮影地はイギリス。キーワードは “そこにいる人”、“シネマティック”

——ソロ写真集「Hue I am」の発売、おめでとうございます。今回、写真集の撮り下ろしパートの撮影地は、なぜイギリスのロンドンを中心に選ばれたのでしょうか?
中島裕翔(以下、中島さん):候補はいくつかあったのですが、ロンドンは自分の好きなカルチャーである「演劇」に縁がある街というのが大きいです。劇場がたくさんありますから。実際に訪れてみたらすごくおしゃれで、日本とはまた違う文化を感じられてとても面白かったです。
——人生初だというロンドンでの撮影はいかがでしたか?
中島さん:イギリスの天気って、雨やくもりでジトっとしたイメージがありませんか? 僕もそんなどんよりした空を想像して行ったら、僕の滞在期間中は全日晴れだったんです! むしろ、あのどんよりした空を予想していたから、「あれ? 全然雨が降らないな」みたいな(笑)。イギリスの人たちにとっては久々の晴れだったようで、みんな外に出たくなるんでしょうね。街はどこも人でにぎわっていてすごく活気がありました。
——ソロ写真集を制作するうえで意識した点や、注目ポイントを教えてください。
中島さん:撮影のテーマには、 “そこにいる人”、“シネマティック”というキーワードを掲げていました。ただ行って撮りましたという写真集にはしたくなかったんです。その気持ちはチームのスタッフも十分理解してくれていたので、フィッティングの段階から「この街の、このロケーションにはこういう服が合うよね」といった会話を重ねながら準備を進めることができました。
まるでロンドンで実際に生活しているかのような、街へのなじみ方をすごく意識して撮影したので、それぞれがその街に住んでいる別のキャラクターだと思って見ていただけたら面白いかもしれません。
——撮影地の選定はもちろん、衣装選びや写真のセレクトなど、制作のすべてのプロセスに中島さんも関わられたそうですね。
中島さん:でしゃばっちゃいました(笑)。チームみんなで、なんとなく完成形を思い描いてスタートしたんですけど、作っていくうちに「あれもやってみよう」「こんなことも試してみよう」と発想がどんどん広がっていって。最終的に、自分でも「面白いな」と思える仕上がりになったなと思います。改めて、ものづくりは想像していなかった変化やサプライズがあるからこそ、完成までのプロセスそのものが楽しいんだなと感じました。
——“チーム”でものづくりをされることが本当にお好きなんですね。
中島さん:そうですね。そもそも、自分一人じゃできないですから。例えば、ドラマもいろんな部署の人たちが集まって、はじめてひとつの作品ができ上がる。その瞬間に「ああ、今自分はものづくりしてるー!」って実感できるし、あの空気感がすごく好きなんですよね。今回のソロ写真集も、まさにそういうチームワークで、長年共にしてきた「メンズノンノ」スタッフと一緒に作り上げることができたと思います。
——そんなチームワークを築くことができた、約8年間の『メンズノンノ』での経験を通して、ご自身が変化したと思う点や学んだことは何でしょうか?
中島さん:自分で「成長した」と言うのはおこがましいですが、着こなせる服がどんどん変わっていったことですね。グループのアーティスト写真やジャケット写真の撮影でも、「メンズノンノ」の現場で培った服の魅せ方や仕事への向き合い方がすごく生きていて、成長させていただいたと感じています。
人間は矛盾している生き物だと思うんです。「これも好きだし、あれも好き」でいい

——中島さんはHey! Sɑy! JUMPのメンバーとしてはもちろん、俳優、モデルとしてもご自身の個性を存分に生かして活動をされていますね。中島さんは“自分らしさ”を見つけるには、どうすればいいと思いますか?
中島さん:自分らしさを見つけるのって、すごく難しいことですよね。アイデンティティは自分に自信がないと確立しにくいですし、他人によって決められる部分もあるから。僕もアイドル、俳優、モデルといろいろな仕事をする中で、「俺って何なんだろう…?」って悩むことがありました。それこそ俳優業が集中している期間に、久しぶりにアイドルのステージに立つと、「あれ、俺ってアイドルのとき、どうしてたっけ?」って混乱したことも。
でも、人間は矛盾している生き物だと思うんですよ。「これが好きなら、あれが好きはありえない」じゃなくて、「これも好きだし、あれも好き」でいい。音楽でいえばジャズもロックも聴くみたいな感じ。どんな自分も全部自分なんだと広く捉えて、受け入れることが大事なんじゃないかとは思います。
——では、どんな自分も認めて受け入れられるようになった今は、もう自分らしさに悩むことは減りましたか?
中島さん:そうですね、むしろ今は楽しさを感じているかな。これから先、自分にどんな要素が加わっていくんだろうって。「今の自分が好きだからこれしかしない」と制限するのは、ちょっともったいない気がするんです。「こうもなれるんじゃないか」「こんなこともできるんじゃないか」っていう可能性を持っていたほうが、人生はきっと楽しい。だから、まだ見たことのない自分にこれからも出会えると思うとワクワクします。
30歳を過ぎてから、自分を大事にしてもいいんじゃないかなと思えるようになった

——今回のソロ写真集はキャリアとしても大きな節目になるかと思います。中島さんが今、仕事に向き合う上でいちばん大切にしていることは何でしょうか。
中島さん:嫌なことがあっても塞ぎ込まないことですね。「なんとかなるだろう」っていう根拠のない自信を持っておくと、心がすごくラクになるし、挑戦も怖くなくなる。でも、これは僕がネガティブ思考の人間だから…というのもあるんです。
——ネガティブな面も持っているからこそ…なんですね! セルフケアやメンタルケアのために、何かしている習慣はありますか?
中島さん:やっぱり運動することですね。時間があるときは、週1〜2回、ジークンドー(ブルース・リーが創始)やカリ(フィリピン発祥)といったニッチな武術を習いに行っています。休みの日に体を動かして、ある程度エネルギーを発散しないと、古いエネルギーが体内に溜まっていく気がしてしまって。汗をかいてリフレッシュする時間って、やっぱり気持ちいいんですよね。
それと、30歳を過ぎてからは、「自分にとって楽しいこと」や「幸せだと感じること」について、ちょっとずつ考えるようにもなりました。それまでは「これもやらなきゃ、あれもやらなきゃ」と仕事のことばかりで忙しなく過ごしていたんですが、最近はプライベートにもちゃんと目を向けて、自分を大事にしてもいいんじゃないかなと思えるようになって。しっかり休むことも、ちゃんと意識するようになりましたね。
——それでは、最後に中島さんが30代前半のうちに挑戦してみたいことを教えてください。
中島さん:ありがたいことに10歳からこの仕事をしていて、「もうやってないことはないんじゃないかな?」と思ったこともありました。でも、今回初めてソロ写真集を出させていただき、お芝居でも毎年違う作品や役柄に挑戦させてもらう中で、自分で自分の可能性をせばめてしまうのはよくないなと感じています。
この先、「メンズノンノ」のように、新しい自分を引き出してもらえる場所に出合うのを期待していますし、来たるチャレンジすべてを楽しみにしています!
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中島裕翔1st写真集 「Hue I am」8/6発売!

¥5500/集英社
中島裕翔さんの初となるソロ写真集は、特別な場所で撮り下ろした中島さんの素顔が垣間見られるパートと、モデルとしてのキャリアを存分に生かしたクールなパートの写真で構成される、大ボリュームの1冊。カメラ好きで知られる中島さんご本人が撮影した写真や、読みごたえたっぷりのロングインタビュー、「メンズノンノ」本誌ページのアーカイヴも収録した、メモリアルな内容に。
撮影/干田哲平 ヘア&メイク/NOBUKIYO スタイリスト/小松嘉章 取材・文/海渡理恵 企画・構成/木村美紀(yoi)