乾燥が気になる冬場、ハンドクリームが手放せない人も多いのでは? 保湿性の高いものや香りがいいものなど、いろんなタイプがありますが、ハンドクリームの塗り残しは手の乾燥や肌荒れにつながることもあるので、せっかく塗るなら手の部分ケアもしっかりしたいですよね。
花王のビューティーリサーチ&クリエーションセンター(以下、BRCC)が、ハンドクリームを塗るときの行動観察調査(2021年8月 20代~50代女性)を実施。その結果、なんと86.0%の人の手に塗り残しがあることがわかりました。調査結果と一緒に、正しい部分ケア方法についてもご紹介します。
手の甲はOK。でも、指や関節まで塗れていますか?
日常的にハンドクリームを使用している20~50代女性57名にハンドクリームをいつもどおり手に塗ってもらい、その様子を撮影して観察したところ、次のような結果が明らかに。
①ハンドクリームをのせる位置は、大多数が「手の甲」
ハンドクリームを最初にのせる位置として、手の甲が77.2%と圧倒的に多く、手のひらが19.3%、指先が3.5%でした。
②最初のハンドクリームののばし方は、手の甲同士が6割以上
ハンドクリームを手にのせたあとどのようにのばしているか観察すると、手の甲同士を合わせる人が61.4%、手のひらを合わせる人が21.1%、片手のひらでのばす人が14.0%でした。
③手全体へのなじませ方は、らせん塗りが中心
のばした後、手全体へなじませるやり方は、らせん塗り(77.2%)と、直線塗り(22.8%)の2パターン。部分的ななじませ方として、指を組む(70.0%)、指を1本ずつ引っ張る(15.8%)、両手の指を曲げて爪同士をこすり合わせる(1.8%)など、思い思いの方法で指になじませているよう。手首まできちんと塗る人も33%いました。
④ハンドクリームを塗る時間の長さは個人差大!
ハンドクリームを塗り終わるまでの時間を計測すると、最も短い人で9秒、最も長い人で70秒。平均は25.6秒でした。
以上の動作観察の結果、手全体にハンドクリームをしっかり塗れている人はわずか14.0%! 86.0%の人は塗り残し部分があることがわかりました。爪のまわりや関節、指の側面は、半数以上の人がうまくつけられておらず、手の甲を中心になじませていて指先までクリームが届かない、指を伸ばしているため関節のしわ部分に塗れていない、という実態が明らかに。逆に、指先や関節など手全体に塗り残しがなくしっかり塗れている人は、ハンドクリームを塗る時間が長い傾向にありました。丁寧に時間をかけてハンドクリームを塗りのばすことが、塗り残しのない状態につながるということですね!
忙しい時は指先だけでもケアして乾燥や肌荒れを防止!
行動観察調査でも塗り残しが多かった「爪まわり」「関節」「指の側面」にしっかりハンドクリームを塗るテクニックをご紹介! ハンドケアの際にはこのステップを取り入れると、手全体がしっかり保湿されて、より乾燥を防げるはず。
①ハンドケアの前には、温め&ストレッチ
手が温かい状態でケアすると、クリームが伸びやすくなります。両手を重ねて軽くさするようにして温めたり、軽く手首をストレッチしたりするのがおすすめ。手が温かいだけでなく、清潔で適度な水分を含んでいる入浴後は、ハンドケアに最適です。
②指まわりを優しく小さく“くるっと塗り“
片手の指の爪の根本に少量のハンドクリームをのせます。指の腹を密着させ、爪まわりを2~3周してなじませましょう。
③第2関節のしわを開いて“うずまき塗り“
第2関節はしわが深いため、指を軽く曲げてしわ部分を開くようにしてなじませることがポイント。片手のそれぞれの指の第二関節に、少量のハンドクリームをのせ、指を曲げたまま円を描くようにしてくるくるとなじませましょう。
④指全体は1本を2回にわけて“挟み塗り“
手の甲に比べて、指は乾燥によってしわが目立ちやすいので、指全体にムラなくハンドクリームを塗りこむには、1本の指を2回にわけてなじませるのがおすすめ。指を下から支えるようにして人差し指と親指で挟み、爪先まですべらせます。次に、指のつけ根の側面を人差し指と親指で挟み、同様に指先まですべらせます。1本の指に対して、全方向から丁寧になじませましょう。
日常生活で使うことの多い指先や爪まわりは、乾燥して皮膚が硬くなったりごわついたりと、かさつきが目立ちやすい部分。ささくれなどが起きないようにするためにも、丁寧な保湿が肝心です。
新型コロナウイルス感染予防のために手洗いやアルコール消毒をする機会も多い今。特に乾燥が気になる冬は、ご紹介したハンドケアテクニックを取り入れて、指先までしっとりうるおったなめらかな手もとをキープしましょう!
構成・文/長岡絢子 資料提供/花王株式会社 ビューティリサーチ&クリエーションセンター