伊藤美奈さん、haru.さん、山田由梨さん

「におっていたらどうしよう」「他の人よりも黒ずんでいるかも…」デリケートゾーンについてのモヤモヤは、決して一部の人たちだけが抱えているものではありません。今年ジェクス株式会社が20歳〜59歳の女性987名を対象にとったアンケートによると、世代を超えて多くの女性がニオイやかゆみ、おりものの量について、悩んでいることがわかりました。その結果をもとに、大丸梅田店『ミチカケ』で開催されたイベント『<REFIND YOUR WAY>デリケートゾーンの調査から読み解く特別展示会』(パレットーク(株式会社TIEWA)プロデュース)から、一部コンテンツを紹介します!

Refind Your Wayのイベントの様子

ニオイ、黒ずみの悩みは「人からどう思われるか」への不安…?

Q.デリケートゾーンにどんな悩みがありますか?に関する回答のグラフ

対象:デリケートゾーンに悩みがある全国の20〜59歳の女性 調査時期:2022年4月 方法:ネットリサーチ 人数:987名 監修者:NINOMIYA LADIES CLINIC院長。女性泌尿器科医、二宮典子院長。※小数点はすべて繰り上げで表記

寄せられたさまざまな悩みのなかで、どの世代でも多かったのは「ニオイ」「かゆみ」「黒ずみ」でした。特に「ニオイ」や「黒ずみ」は、自分自身が不快に感じるだけでなく、無意識のうちに「一緒に過ごしている人にどう思われるか?」という不安な気持ちが背景にあるのかもしれません。特に若い世代は、ネットの情報や広告などから、「理想の身体」に近づかなければいけない、というプレッシャーを感じている可能性も。

すべての世代に共通する悩みがある一方で、20・30代の「おりものの量」の悩みが195票だったのに対し、40・50代では137票。20代・30代の「ヒリつき」の悩みは34票だったのに対し、40・50代では51票と、年代によって深刻度が変わっていく悩みもありました。

20代の半分以上が「色はピンクが理想」

実際は、ピンクの人ってほとんどいない。どこから来てる? デリケートゾーンにまつわる不安・モヤモヤ_4

実際は、ピンクの人ってほとんどいない。どこから来てる? デリケートゾーンにまつわる不安・モヤモヤ_5

人と比べることができない場所だからこそ、「自分だけかも?」と悩んでしまうのがデリケートゾーン。20代では53%、半分以上もの人が「色はピンクが理想だと思う」と回答しました。アンケートの監修者である泌尿器科専門医の二宮典子先生によると、黒ずみが出てくるのは当然のこと。実際に、「あなたのデリケートゾーンは何色ですか?」という質問に対しても、多くの人が、茶色っぽいもしくは、黒っぽい、と回答しています。生まれてすぐはピンク色の状態でも、トイレットペーパーや下着の擦れなどにより、自然に褐色化していくため、実際は"きれいなピンクの人"はほとんどいないのです。

ジェンダーと向き合う3人が考える、デリケートゾーンと私たちの"距離感"

イベントの中では、ジェンダーにかかわるモノづくりや発信を行う、デザイナーの伊藤美奈さん、作家・演出家・俳優の山田由梨さん、クリエイティヴディレクターのharu.さんによる鼎談内容も展示。同世代の彼女たちは、デリケートゾーンと私たちの距離感について、どのようにとらえ、どんなふうにつき合ってきたのでしょうか。

伊藤美奈さん、山田由梨さん、haru.さん

左から伊藤美奈さん 山田由梨さん haru.さん

いつも社会からの目や声を意識させられていた

haru.さん

美奈:私たちが中学生くらいのときの雑誌で、"男子側の意見"として、モデルの女の子の写真をジャッジしていくような特集があったの。覚えてる?

haru.:あったあった。好きなモデルさんがバツ!って評価されてるの見て、けっこうショックだった。

美奈:デリケートゾーンやバストトップも「黒っぽいと"遊んでる女"だから萎える」とかもね。そういうメッセージを、特に異性とデート間近の女の子たちが見たら本当に気にしちゃうと思うし、見た目もサイズも、画一的な正解を追いかけさせられてた気がする。

haru.:雑誌のモデルの横には数字も書いてあった。太ももは何センチ、ウエストは何センチ。それが正解というふうに。正解なんてないのにさ。

由梨:私は幸いそういう雑誌には出会わなかったけど、高校生のときに芸能事務所に入って、「もっと痩せなきゃね!」「ご飯は半分だけ!」「揚げ物は食べないで!」ってまわりの大人から急に言われるようになって。それに合わせて頑張ってたけど、今考えると全然自分らしくない。そういう言葉をぶつけてくる人が現れると、全然へルシーに過ごせないよね。

美奈:でも、思春期ってまわりの人や好きな人の目が気になりやすい時期だから、ヘルシーじゃない方向に頑張ってしまう気持ちはよくわかるな⋯。

haru.:高校生のときドイツにいたんだけど、まわりが性的なことを楽しみはじめる時期でさ。もう、大爆発だったのよね(笑)。それでびっくりしたのが、アンダーヘアは全部ないのが当たり前って言われたこと。日本の雑誌では、ボーボーはよくないけれど、ないのもよくないっていう情報があったからさ。もう私、何が正解なのかわかんなくなっちゃって⋯。だから、とりあえず私は、今はそういうことを気にせずいよう!と思った。いろんな"正解"がつねにまわりにあったけど、国によってもこんなに違うんだから、もう気にしてもしょうがないって思って。

デリケートゾーンも自分も、水や風のように変わるもの

山田由梨さん

由梨:こうなりたい!っていう気持ちは、つねに社会からのメッセージでつくられていくよね。だからこそ影響力の大きい社会やメディアが、自分を変える必要はないし、そのままでいい。みんな違う、って伝えていけるようになればいいよね。

美奈:そうだね。ていうか、細い体や毛のない身体、ピンク色で左右対称のデリケートゾーンなんてフィクションよ。

haru.:そんなバービー人形みたいなの、嘘だよね(笑)。

由梨:うんうん。でも、そうじゃなきゃ愛されないかもって思い込んじゃうのは、コンプレックスを煽ってくるひどい広告の影響も大きいと思う!

美奈:だからこそ、どうか多様な情報を受け取ってほしい。私はまぶたにコンプレックスがあったけど、海外ドラマを見たらいろんな人が出てきて、二重だけが正義なんてありえないって思えるようになったの。そしたら右目だけ奥二重っていうことを、気づけば忘れちゃってた(笑)。SNSもみんな"いいとき"を写すから、「自分以外の人はずっと素数なのに私は⋯」って思うけど、そんなことない。

由梨:"いいとき"を評価されると、それを意識しちゃって、そういう状態になれないときにへこんじゃうよね。デリケートゾーンだって、年齢を重ねたり、人によっては出産があったり、変わっていくし。

haru.:風や水のようにね、変わっていくわけよ。"いいとき"も、そうじゃないときもある。

由梨:とにかく、どんな状態の自分も否定されるべきじゃないからね。ジャッジしてくる人からは、私は逃げるようにしてるよ!

haru.:それがいいかも。ひとつの答えだね。

美奈:そうだね。みんな自分を守っていこうね。

伊藤美奈さん

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実際は、ピンクの人ってほとんどいない。どこから来てる? デリケートゾーンにまつわる不安・モヤモヤ_10

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情報提供/ジェクス株式会社 鼎談撮影/田野英知 企画・編集/種谷美波(yoi)