11月10日は「いい手の日、ハンドクリームの日」。例年、この頃から東京でも最低気温が10℃を下回ることが増え、ハンドケアが重要になってくる季節になることから、ハンドクリームを中心としたスキンケア製品を多く扱う「ユースキン製薬」が制定しました。

カサカサ、ひび割れ、あかぎれなど、手のダメージが生じやすい秋冬シーズン。特に近年は、"しもやけ"につながる新たな原因が現代の生活習慣に潜んでいるといいます。「とりあえずハンドクリームを塗る」だけでは予防しきれない手あれへの対策を、皮膚科医の野村有子先生に教えていただきました。

ハンドクリームを塗る女性

野村有子 先生

野村皮膚科医院院長

野村有子 先生

医学博士、日本皮膚科学会認定専門医。1986年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部皮膚科教室に入局。同大学助手、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科勤務を経て、’98年、横浜市に野村皮膚科医院を開業。「一人ひとりの患者を大切にし、最高の医療を提供する」という医療理念のもとに、あらゆる皮膚疾患についてていねいに説明をし、治療からスキンケアにいたるまできめ細かな指導を行なっている。 

寒暖差+手洗い習慣が「しもやけ」を引き起こす!?

過去10年分の11月から3月の間で気温差が10℃以上あった日数

過去10年分の11月から3月の間で「1日のうち気温差が10℃以上ある日」の合計日数の推移 ※出典:気象庁ホームページ

しもやけといえば昔の皮膚の病気で、今は、なるとしても子どもくらい——。そんなイメージを持たれがちですが、室内の暖房設備が整って外気との寒暖差が生まれやすい現代こそ、発生しやすいものなのだそう。手足の指が赤紫に腫れる、むずがゆいといった明確な症状だけでなく、指輪が入りにくくなるという場合もしもやけの可能性あり! また、ユースキン製薬が2022年1月に実施した調査*1によると、15〜69歳の5人に1人が昨年の冬(2021年9月〜2022年1月)にしもやけを経験していることがわかりました。

その理由のひとつと考えられるのが、寒暖差。私たちの体は、気温に合わせて血管の収縮・拡張をして体温調節をしますが、温度差の刺激によってこれが繰り返されると、血液の循環に問題が生じやすくなります。そのため、最低気温5℃以下、かつ一日の気温差が10℃以上あるような寒暖差が大きい日は、しもやけに要注意! 上のグラフのように、過去10年の11月から3月までの一日の気温差を調べると、10℃以上差のある日が年々増加傾向にあることがわかります。つまりは、しもやけリスクも上昇しているということなのです。

*1 秋冬肌トラブル調査(2022年1月/インターネット調査/15-69歳 男女2,000名/ユースキン製薬)

手洗い前後の手の温度

手洗い後に半分以上水気が残す拭き方をする人の割合

野村先生のクリニックにも、2021年は例年以上に多くのしもやけの患者さんが来院したといいます。先生によると「寒暖差のある日が増加していることに加えて、新たなしもやけの原因として、昨今の手洗い習慣によって手が冷えることが考えられます」とのこと。ユースキン製薬のサーモグラフィーを使った実験でも、手洗い後に手をふかなかったときは温度が大きく下がることがわかりました。

また、ユースキン製薬のアンケート調査*2では、手洗い後に手に半分以上水気が残る拭き方をしているのは大人で18%、子どもは59%もいるという結果になりました。感染症対策で頻繁に手を洗うようになりましたが、その後にしっかり水気を拭き取って手を冷やさないようにすることが重要です。

*2 ユースキン製薬の顧客パネルに対しての調査(2022年6月/インターネット調査/2,716名/ユースキン製薬)

手のスキンケアと温活でしもやけ対策!

しもやけ予備軍チェックリスト

しもやけを予防するには、日頃から体を温める生活習慣を心がけることが大切です。上のチェックリストにあてはまる項目が1つでもあった場合は、しもやけを引き起こす可能性があるので、次の4点を意識しながら備えるといいでしょう。

しもやけ対策の基本
スキンケア ハンドクリームを塗って、日頃から手元のケアをする。
防寒 手袋やマフラーなどを着用して、手や足、首などを冷やさない。
血行促進 シャワーですませず、湯船に入り体全体の血行をよくする。
濡れたままにしない 水分が残らないように吸水性のあるタオルで拭く。

また、ハンドクリームを塗るときはビタミンE配合のものを選び、マッサージを行うことで、より効果的にスキンケア成分が行き渡り、血行促進にもつながります。以下は、ユースキンが提案しているハンドマッサージ。寝る前に3分間、まずは5日間続けて効果を実感してみてください。

ハンドマッサージの方法

ユースキン クリーム

ユースキン 40g チューブ  [指定医薬部外品] 583円(編集部調べ)/ユースキン製薬 

ハンドクリームの選び方

冬の手あれ対策に必須のハンドクリームは、配合されている成分によって特徴が異なります。自分の手の状態に合わせて、最適なハンドクリームを選ぶことも、きれいな手を保つ秘訣です。そこで、野村先生による症状別におすすめハンドクリームのタイプをご紹介!

ビタミン系クリーム
〈症状〉乾燥によるガサガサタイプ
〈アドバイス〉水分と油分を補給し、保湿の働きもあるため、ひび・あかぎれにおすすめ。ビタミンE配合のものだと、血行改善にもつながるので、しもやけ対策ならこちら!

保湿系クリーム
〈症状〉かさつき・粉ふきタイプ
〈アドバイス〉全身の乾燥が気になる箇所に使える。かさつきや粉ふきが消えても、毎日のお手入れとして継続することが大切。

尿素系クリーム
〈症状〉角化したゴワゴワタイプ
〈アドバイス〉尿素には、皮膚の角化したところを溶解する働きがあります。ある程度ゴワゴワ感が取れたら、ビタミン系に替えましょう。

寒さや乾燥で、気づかぬうちに手あれしていた…なんて状態にならないためには、日頃から効果的なハンドケアを習慣づけることが大切。自分に合ったハンドクリーム選びをきっかけに、改めて自分の手に意識を向けて、きれいな手を保っていきたいですね。

構成・文/政年美代子 Photo by Carol Yepes, AndreiDavid / Moment   資料提供/ユースキン製薬