今週のエンパワメントワード「私と友だちは そう100点満点」—『Fly Girl feat. Missy Elliott』

ガールズグループの活躍が目覚ましい昨今。自信に満ちたアティチュードで、ステレオタイプな女性像を打ち壊すグループが、アジアや欧米から続々と誕生している。なかでも2023年最注目なのが、ステラ・クアレスマ、レネー・ダウナー、ジョルジャ・ダグラスから成る、ロンドン発の3人組ガールズグループ、FLO（フロー）。

彼女たちは、2000年代R&Bを感じさせるサウンドや、パワフルで甘美なヴォーカル、カリスマ性あふれるたたずまいが支持されており、「ブリット・アワード 2023」のライジング・スター賞と、BBCが毎年発表する注目の新人リスト「Sound of 2023」を同時受賞。ガールズグループ史上初の快挙を達成した。

そんな勢いに乗る３人は、ガールズグループのオーディションで出会い、2019年にグループを結成。2022年3月に、浮気した恋人をきれいさっぱりと断ち切る女心を歌った「Cardboard Box」でデビューして以降、女性の自己肯定感を高め、自立を促すようなメッセージ性の強い曲を生み出しつづけている。これまで発表した楽曲の中でも、3人が敬愛する伝説の女性ラッパー&プロデューサー、ミッシー・エリオットを客演に迎えた最新曲「Fly Girl」は、“自分に自信を持つこと”が、いかにクールで、人生を輝かせてくれるかをリスナーに伝える。

この曲のMVでは着飾った３人が、「ネイルも、ペディキュアも、ヘアセットもした。私がきれいだってことくらい百も承知よ」と、胸を張りながらパーティに向かうシーンから始まる。続くシーンでメンバーのステラは、なれなれしく言い寄ってくる男性を突き返し、〈私と友だちは そう100点満点〉と言い放つと、インディペンデントな仲間たちと、お互いをたたえ合うようにガールズパーティを楽しむ。そして、その後も〈言わなくってもいいって　イケてるのは知っているから〉〈本物の男しか私を受け止めきれないから〉といった力強い言葉を続ける。

こうした彼女たちのたくましい姿は、パートナーシップにおいて自立心を持つことや、セルフラブの大切さを気づかせてくれる。曲のラスト直前、３人は私たちに向かって、〈イケてる女の子は、イエスと言って〉と語りかける。きっと、そのときには“イエス”と即答する自分に生まれ変わっているはず。

文／海渡理恵　編集／国分美由紀