yoi編集部員のK&Tと、ライターRの3人が、個人的に「yoi!」と思うアイテムやエンタメなどを紹介する連載「yoiチョイス!」。第8回は、「年末年始~新しい1年のはじまりに観たい映画」をテーマに語り合います。

yoiチョイス yoiエディター  映画 おすすめ

♡メンバープロフィール♡
エディターT:1993年生まれ。yoi編集部員。見た作品をすぐ忘れてしまうため、最近携帯のメモに記録をつけはじめた。おすすめされた映画を年末年始に見ようと計画中。
エディターK:1992年生まれ。yoi編集部員。最近、『ブリジット・ジョーンズの日記』を観返し、自分がブリジットと同い年になっていることに時の流れを感じた。
ライターR:1991年生まれ。ドキュメンタリーと、おいしそうな食べ物が出てくる映画好き。最近、衝撃を受けた映画は、オバマ元米大統領夫妻が手がけた『終わらない週末』。

今を生きる。日常のささいな幸せに気づく心の余裕をくれる映画

ライターR:1年の抱負を立てるこの時期に見たくなる映画No.1は、マインドフルネスがテーマのディズニー&ピクサー作品『ソウルフル・ワールド』かな。2020年に公開された、心がじんわりと温まる作品で、日常にちりばめられた小さな幸せに気づかせてくれます。

エディターT:丸っこいキャラクターが
可愛い〜♡

ライターR:キュンとするよね。この作品は、NYでジャズピアニストになることを夢見る音楽教師ジョーが、夢が叶う寸前に事故に遭い、人間として生まれる前に「どんな自分になるか」を決めるソウル(魂)たちが暮らす世界に迷い込むという物語。そこで、ジョーはやりたいことが見つからないソウル・22番と出会い、現実世界をともに大冒険するんです。

ソウルが、はじめて降り立った地上の世界で楽しそうに過ごす姿を見ていると、
“今に集中すること”の大切さを思い出せるし、“私たちは存在しているだけで特別で、それで十分なんだ”、と思い直すことができます。だから、つい頑張りすぎてしまう人や、“何かを成し遂げないと”という強迫観念にかられている人がいたらぜひ観てほしい。今年1年を心に余裕を持って過ごす手助けを、この映画はしてくれると思うから。


『ソウルフル・ワールド』|本予告編|ディズニープラス(Disney+)で配信中

エディターK:ディズニーにこんな作品があるとは。見逃していたので観てみる! 改めて、ディズニー作品って、大人が観ても楽しめる普遍的なメッセージが込められた作品が多いよね。

エディターT:ですね。大人になって見返すと、また感じ方が違いますよね。なんだか『ファインディング・ニモ』を見返したくなってきた。

ライターR:ニモも最高だよね。ちなみに、『ソウルフル・ワールド』の劇中音楽は、アカデミー賞受賞歴のある人気ジャズピアニスト、ジョン・バティステやトレント・レズナーらが担当しているんだけど、どの曲も超素晴らしい! エンディングソングであるカーティス・メイフィールドの『It's All Right』のジャズ風カバーを聴くと前向きな気持ちになるから聴いてみて〜!

エディターK:私も、“今を生きる大切さ”が描かれている映画でおすすめしたい作品がひとつあって、それは、ジョニー・デップ主演の終活ムービー『グッバイ、リチャード!』

突然余命半年であると宣告された大学教授が、人生を見つめ直す話で、ラストシーンがとにかく素晴らしい。きっと私は、人生のいろんな場面でこの映画のラストを思い出すと思う。「生きているんだからやらなくちゃ!」という気分にさせられる作品です。

グッバイ、リチャード! ジョニー・デップ 映画 おすすめ

「グッバイ、リチャード!」
©2018 RSG Financing and Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
●配信表記:U-NEXTで配信中

自分とは? 理想の暮らしとは? そんなことを考えるきっかけになる作品

ライターR:五十嵐大介さんの漫画が原作で、橋本愛さんが主演を務めた『リトル・フォレスト」、暮らし方、生き方を見直すのにぴったりな作品。「夏・秋」篇、「冬と春」篇の2部構成で、東北の小さな集落で、なんと1年かけて撮影したそう。

日々畑仕事をして、季節のもので食事を作る。都会のように何でもあるわけではない集落で、知恵を振りしぼってたくましく生きる主人公の姿と、おいしそうな料理の数々に、じんわりと癒されるし、はげまされます。

エディターT:予告を観たけど、本当に出てくる料理がどれもおいしそうで、お腹が空いてくる。野村友里さん率いる“eatrip”が、フードディレクションしているんですね。

ライターR:そう、そう。だから、どの料理も本当においしそうで真似したくなる。料理欲が湧いてくる映画でもある! ちなみに、この映画は韓国でも人気で、キム・テリさん主演でリメイクされたんだけれど、そちらもおすすめです。

エディターT:韓国版の料理も気になる。見比べてみたい!

リトル・フォレスト 夏・秋 映画 おすすめ 橋本愛 五十嵐大介 漫画

「リトル・フォレスト 夏・秋」
©「リトル・フォレスト」製作委員会
●配信表記:U-NEXTで配信中

エディターK:私、2004年に公開された、スティーヴン・スピルバーグ監督作『ターミナル』が、何度も見返すほど好きなんです。

物語は、トム・ハンクス演じる主人公の母国が突然消滅して、パスポートが無効になってしまい空港に閉じ込められるという内容。○◯人というアイデンティティーを失い、絶望的な状況の中で、自らの持つ人間力を発揮して奮闘する主人公を見ていると「自分とは何か?」を考えさせられます。また、今の仕事が突然無くなるとか、誰かと別れなくてはならないとか、今まで当たり前に自分のそばに存在したものがリセットされたとしても、自分を見失わずに生きていけるはず、という勇気をもらえます。

ターミナル 映画 おすすめ トム・ハンクス

「ターミナル」
TM&©2004 DreamWorks LLC. All Rights Reserved.
●配信表記:U-NEXTで配信中

青年たちの友情や、女性同士の連帯…静かな人間ドラマに癒される

エディターT:私が、新年におすすめしたいのは、優しい気持ちになれる映画です。特に、おすすめしたいのが、ギヨーム・ブラック監督が手がけた青春映画『みんなのヴァカンス』。自分勝手で不器用なフェリックスと、生真面目なエドゥアール、優しいシェリフの3人が、ひょんなことから一緒に旅をする話で、登場人物全員がチャーミングで、いい人なんです。ユーモアの効いたセリフの言い回しや気まずいシチュエーションの表現が絶妙で、かつコメディの中に考えさせられるトピックが散りばめられていて、そのバランスが好きでした。南フランスの風光明媚な景色も素晴らしいので、忙しない新年にいいんじゃないかなと。

映画『みんなのヴァカンス』予告編

エディターT:優しい気持ちになれる映画がもうひとつあって、それが、学生時代に何度も観たスパニッシュ・アパートメント』

バルセロナへ留学することになった大学生の主人公が、ヨーロッパ各国から来た学生たちとシェアハウスするという話で、いろんな文化を持つ者が、お互いを受け入れて成長していく姿が描かれた作品です。『アメリ』で有名なオドレイ・トトゥも出演しているし、スペインの街並みが美しくて!

ライターR:すごく面白そうだし、この映画を観たら、旅に出ていろんな人と交流したくなりそう。

あのこは貴族 映画 おすすめ 山内マリコ 門脇麦 水原希子 高良健吾 石橋静河 山下リオ

「あのこは貴族」
©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会
●配信表記:U-NEXTで配信中

エディターT:あと、山内マリコさんの著書が原作の『あのこは貴族は、とてもエンパワーされた映画のひとつでした。同じ都会に暮らしながらまったく異なる生き方をする二人の女性が主人公なんだけど、二人がひょんなことから出会い、れぞれの人生に向き合っていく姿が素晴らしくて。観終わった後に、出演者の方や監督のインタビューを読んで、改めてもう一度見返してみるのもおすすめです…!

働きたくないモードを吹き飛ばす! プロフェッショナルたちの仕事術

ライターR:新年におすすめしたいドキュメンタリー作品は、完璧主義者たちの仕事ぶりを収めたこのふたつ。まずひとつ目は、NYのストリートで道ゆく人のファッションを撮り続けた伝説的フォトグラファー、ビル・カンニガムのドキュメンタリービル・カニンガム&ニューヨーク』。ふたつ目は、著名なデザイナーや写真家、ノーベル賞作家などから支持される、ドイツの出版社“シュタイデル”の創業者を追った世界一美しい本を作る男 -シュタイデルとの旅-。ふたりが一切の妥協を許さず、こだわり抜いて仕事をする姿を見ると、やる気スイッチが入る。

映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』予告 出演:ビル・カニンガム/アナ・ウィンター

映画『世界一美しい本を作る男 -シュタイデルとの旅-』予告編

エディターK:“やる気スイッチ”が入る映画なら、脚本家・三谷幸喜さんの映画監督デビュー作『ラヂオの時間』。生放送でラジオドラマをやる話なんだけど、次々と起こるあらゆるトラブルを、いろんな部署のプロフェッショナルが、自分の能力を発揮して対処していく姿がカッコよくて。仕事は好きなんだけど、正直、正月明けはちょっと「働きたくないモード」になるよね(笑)。この映画を観ると、「今年もやってやるか!」という気分にさせてくれます。

映画『ラヂオの時間』予告 出演:唐沢寿明/鈴木京香

エディターT:どの作品も気になります!

エディターKそうだね。みんながおすすめしてくれた作品を味方につけて、2024年も健やかに、楽しく過ごしたいね。

ライターR:うん。では、今回はこのへんで。また次回お会いしましょう。

文/海渡理恵 企画・編集・イラスト/木村美紀(yoi)