巣ごもりの日々で地に落ちた体力を回復すべく、ピラティスに通いはじめてしばらくたちました。あまり頻繁には通えないため、レッスンのたびにコツをつかんだり忘れたりを繰り返しながらゆ~っくりと上昇線を描いていたのですが、ここにきてその上昇線に頭打ちが…。そこまで難易度の高くないはずの体勢でも、きちんとキープできない、きつい、そもそもそこまで体を持っていけないなど、初めてのスランプに陥ってしまったのです。
ある日のレッスン終わり、インストラクターの方に「技術的な問題よりも、体ががちがちに固まっているから難しいという場合もありますよ」とおすすめされたのが、「フォームローラー®︎」という初めて使うエクササイズ器具でした。そして早速、仰向けに寝転がった状態のまま、ローラーを背中で転がすように促されたんです。
言われたとおり、背中で勢いよく転がそうとしたところ、走る激痛! 結局、やわらかい素材のローラーに替えてもらっても、1コロも満足にできない私…。そのとき初めて、自分の背中が石のように固くなっていたのだと気がつきました。明らかにデスクワークが原因の背中の凝りに衝撃を受け、いざ「フォームローラー®︎」を自宅用にも購入し、体をほぐす習慣を続けてみることに。
今日のEditor's Pick!
滑りどめや高さの調整に、ローラーと体の間にやわらかい布を折りたたんではさんだり、お尻の下にひいたりして工夫することも。グリッドフォームローラー®¥5,995/TRIGGERPOINT™
まず改めて、「フォームローラー®︎」とは自重を使って行うエクササイズ器具のこと。筋肉のまわりを覆う膜(筋膜)をほぐし、柔軟性を保つ“筋膜リリース”で話題になったアイテムです。フォームローラー自体はいろんなメーカーから出ていますが、「今日買っても、明日飽きるかもしれない」と思った私が選んだのは『トリガーポイント』の「フォームローラー®︎ スタジオスタンダードモデル」。こちらを選んだ理由は、
①やわらかめの素材で、凹凸が少ない(どれも似ているように見えますが、上級者向けに刺激の強いものも)。
②価格は低めがうれしいけれど、体を預けるので安心できるメーカーのもの。
③背中まで広い範囲をほぐせるサイズ(家で使うので、持ち運びや重さは問わない)。
という私が求める基準にぴったりだったから。初心者の私の使い方としては、お風呂上がりのいちばん体をほぐしやすいタイミングを狙って、背中、足、腰などでローラーをコロコロ転がします。初めのうちこそ動画を見ながら姿勢を確認していましたが、数回続ければ何も見ないでコロコロ、部位によっては本を読みながらなどの「ながらコロコロ」もできるようになりました。転がし方にも難易度があり、一回買ってしまえば、初心者から上級者まで使えるのも魅力だなと思います。
そして、さらに大事だと感じたのは使用環境です。床の素材や敷いているもの(毛足の長いカーペットなど)によっては転がしにくいことがあるので注意が必要なのと、手足が十分に動かせるくらいのスペースを確保して、ストレスなく行うのがいいと思います。そしてなにより、場合によっては痛みを伴うことであるので無理は禁物、ということでしょうか。
現時点での私のうれしい変化をお伝えしますと…背中のコロコロが痛気持ちよくなったことと、朝の足のむくみがましになったことです。特にふくらはぎのすっきり感は使用し始めてすぐに実感しました。ピラティスに還元されるまでは時間がかかりそうですが、ここが上達のための準備だという感覚は間違っていないと転がしつづける今日この頃です。
写真・文/小島睦美(小説すばる)