イライラや不安、過緊張、頭痛、肩こり……現代人を悩ませる原因不明の不調は数えきれないほど。そんな私たちを悩ませる多くのトラブルに自律神経が関わっているという。その解決と手立てになるのが、“耳ヨガ”ともいわれるイヤービューティセラピー。耳を“モミモミ”するだけで自律神経を整えることができ、笑顔あふれる毎日へ!
耳ツボ イヤービューティセラピー マッサージ

岡田 真樹

イヤービューティセラピスト協会マスターセラピスト

岡田 真樹
イヤービューティセラピスト協会マスターセラピストであり、認定講師。鍼灸師の国家資格を有し、上海中医大学の短期鍼灸課程では、現地の病院で鍼灸のほか、耳鍼も学ぶ。耳から全身の美と健康をコントロールするスペシャリスト。
岡田さん毎日一生懸命頑張っている人ほど、スマホやパソコンが手放せず、疲れやストレス、睡眠不足や不規則な食事といった生活の乱れから自律神経が乱れがち。いつもやる気スイッチが入ったような状態では心身が疲弊してしまいます。

そんなスイッチを強制的にオフモードに切り替えることができるのが、イヤービューティセラピー。今回ご紹介するメソッドは、寝る前に1回実践するだけで「いつもよりぐっすり眠れた」というような嬉しい変化があった方がたくさんいます。あわせて、胃腸を整えるメソッドもご紹介!

【自律神経を整える1分耳ツボワーク】緊張感、ストレス、不眠、イライラ、生理不順に

岡田さん自律神経とは、“オンモード”とも表現される交感神経“リラックスモード”といわれる副交感神経からなり、そのふたつがバランスを保つことで生命活動を維持しています。

自律神経はとても繊細なので、ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足など、現代人が避けて通るのが難しい些細なことが理由で乱れてしまいます。それが頭痛や肩こり、不眠、生理不順、イライラなど、さまざまな“プチ不調”の原因に。

自律神経は自分の意識でコントロールすることは難しいですが、耳には自律神経に関わるツボが集中しているため、耳を揉むことで“リラックスモード”に導くことができます。とくに、耳の上部にある“神門”というツボは、自律神経をつかさどる視床下部に働きかけるため、そこを揉みほぐすととても効果的です。
今回ご紹介する自律神経を整えるワークは、緊張やストレスを感じたときやホッとしたいと感じたときに行うのがおすすめ。

一日忙しく活動した日は“オンモード”のスイッチが切れず、眠りたいのに眠れない、寝ているつもりだけれど眠りが浅いなど、睡眠の質が下がりがち。毎日のおやすみ前に取り入れれば、いつも以上に深い眠りを得られ、肌や体力などのリカバリー力もぐっと引き上がることでしょう。

【自律神経を整える1分耳ツボワーク】HOW TO

耳ツボマッサージ 自律神経

① 写真にある点線の一番下、耳の軟骨がポコッと突出した部分を指先で挟む。

② そのまま軟骨をやわらかくするように揉みほぐす。

③ 軟骨に沿って指の位置を上げながら揉みほぐしていく。

④ 反対の耳も同様に揉みほぐす。

岡田さん:②~③で揉みほぐすライン状には、首、背中、腰、お尻のツボが並んでいるため、それらの部位のコリや不調にも効果的。痛みを感じる部分は不調のサインなので、よりじっくりと揉みほぐしましょう。

【胃腸ケアの1分耳ツボワーク】二日酔いや便秘、お腹がゆるいときにも

岡田さん耳の中心部には内臓のツボが集中しています。胃腸のツボを狙って刺激すれば、胃腸の働きが正常化するため、便秘のときならスムーズに出るようになりますし、ゆるいときにもいつもの調子に戻りやすくなります。胃腸薬を飲むような感覚で、不調を感じるときに刺激するもよし、予防策として取り入れるのもアリです!
耳の中央の凹んだ部分に位置する胃腸のツボは、指だとぐっと押しにくいため、綿棒や耳かきで押すのがおすすめ。耳掃除のついでに胃腸のツボも押すことを習慣にすれば、普段から胃腸の調子を保つ手助けになります。出先で胃腸の具合が悪くなったときには、指先で押すだけでもレスキューケアに。

【胃腸ケアの1分耳ツボワーク】HOW TO

耳ツボマッサージ 自律神経 胃腸ケア

① 写真にある点線を参考に、耳の中央にある軟骨に沿って綿棒や耳かきで刺激する。点を打つように刺激しながら移動する。刺激を感じるところは長めにプッシュすると、よりほぐれやすくなる。

② 終点まで行ったら、①と同じ要領で綿棒や耳かきでプッシュしながら始点まで戻る。

③ もう一度①~②を繰り返す。
岡田さんのサロンに通う方の中には、耳の“モミモミ”を習慣にしたことで「手放せなかった薬が必要なくなった」という人もいるそう。それは「イヤービューティセラピー」がわたしたちの持つ本来の治癒力を引き出してくれる恩恵なのだとか。いつでもどこでも行えるので、ぜひトライしてみて。

取材・文/金子優子 イラスト/ささきめぐみ 画像デザイン/前原悠花 構成/渋谷香菜子