年々生理が重くなってきた気がする、乳がんにかかった親族がいる…などなど、女性特有の体調や病気の懸念があっても、実費で婦人科検診を受けるハードルはまだまだ高いのではないでしょうか。筆者も「年齢的にもまだ悪いところはなさそうだし」と、婦人科検診を後回しにしてきた一人。30歳を迎えた節目に、受付から検査まですべてを女性医師・スタッフが実施してくれる女性専用クリニック「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」で、初めての婦人科検診を体験してきました。
ライター
1993年生。週刊誌記者、文芸編集者を経てフリーランスに。2児の母。
今回の受診プラン
今回受診したクレアージュ東京 レディースドッククリニックの「YOU健診」は、検査の対象となる子宮(Y)、大腸(O)、乳房(U)のかたちから名付けられた健診で、20代、30代、40代向けでそれぞれプラン内容と価格が異なります(30代向けは税込み3万7400円)。30代向けプランは、女性の罹患率・死亡率が高い3つのがん(乳がん、子宮がん、大腸がん)に加え、子宮内膜症や子宮筋腫など、女性特有の疾患を総合的にチェックすることができる下記6項目の検査で構成されています。
・子宮頸部細胞診......子宮頸部のがん細胞の有無を調べます。
・経腟超音波......腟内に超音波をあてて、子宮や卵巣の状態を調べます。
・ハイリスクHPV.....子宮頸がんの原因となるハイリスクHPVの感染の有無を調べます。
・マンモグラフィ......乳房専用のX線撮影。縦・横から撮影することで、微細な石灰化や腫瘤(しこり)などを発見できます。
・乳房超音波......乳房に超音波をあてて腫瘤の有無や状態を調べます。
・便潜血(二日法)......便に血が混ざっていないかを調べます。(陽性の場合は、大腸ポリープ、大腸がん、痔などの疑いがあります)
その他、卵巣年齢検査 (AMH/抗ミュラー管ホルモン)や腫瘍マーカーセット、アレルギー検査など、追加可能なオプションも豊富でした。
申し込み〜受診前日
予約はスマホから。公式サイトでプランと日時を選び、メールアドレスを登録するだけなので、数秒で完了します。受診日の10日ほど前に、自宅へA4サイズの封筒で受診案内が届きました。
事前準備として、
・検査3日前までにWEB問診に回答(10分程度)
・日を別にして検便を計2回
が必要です。
さらに、今回は受診案内に同封されていたパンフレットの中で気になった「卵巣年齢検査」をオプション追加してみました。
自宅に届いた受診案内。今回受ける検査についての確認書類や検便キットのほか、追加可能なオプション検査の案内などが同封されていました
受診当日
受付で保険証を提示し、検便を提出(実質、大腸検査はこの時点で完了!)。案内の入ったファイルと検査着、ロッカーの鍵を受け取って更衣室へ。
有楽町電気ビルの17階。エレベーターを降りてすぐの大きな目印に沿って進むと、すぐに受付がありました
更衣室内。病院というよりジムやスパの更衣室に近く、全体的に温かなイメージ
新デザインの検査着
検査着は今年から新デザインへと変更になったそう。「以前のサテン生地の検査着も大変ご好評いただいていたのですが、より汗が目立ちにくく、検査中もリラックスしていただけるものへと変更いたしました」とのこと。
受診当日は熱中症アラートも出ていた猛暑日でしたが、確かに速乾性があって着用直後から汗は気にならず。検査のため下着はショーツのみで、上は外して直接検査着を着用しますが、体のラインを拾わないデザインなので、その点でも気兼ねなく着用できました。
更衣室直結で広々とした洗面台が3つ。ハンドソープの隣に、ハンドバームも置いてある心配りに感動!
着替えを済ませて待合室中央のコンシェルジュカウンターへ。17階という高さもあって開放感のある広々としたスペースで、皆が一方向に並んで座って小さなテレビを見ているような「病院の待合室」感がありません。
椅子もインテリアショップで見るようなおしゃれなものばかり。何気なく腰掛けたらフリッツ・ハンセンでした。何時間でも待てそうな座り心地......!
乳房(U)の検査からスタート
プランに含まれているのは「乳房超音波(エコー)」と「乳房のレントゲン(マンモグラフィ)」。(筆者は授乳中だったため、今回はマンモの受診を省略しました。乳腺が発達している時期はしこりが見つけにくいそうです)。超音波検査は、2〜3畳ほどの個室でベッドで仰向けになり、左右の胸に片方ずつゼリーを塗って、超音波をあてて乳房内を診てもらいます。技師さんが女性の方なのはもちろん、照明を落として部屋全体が薄暗くなっているので、上裸でも抵抗感はほとんどありません。
検査は片胸ずつ。半身にタオルをかけてもらえたり、終了時にゼリーを拭くための温かいおしぼりと乾いたタオル、2種類を用意してもらえたのもうれしいポイントでした
マンモグラフィの検査時間は10分ほど。授乳中および断乳後6カ月未満の方は、診断が難しいため受診不可。月経前は胸が張るため痛みを感じやすくなることがあるそうです。高濃度乳腺の割合が比較的高い20代向けのYOU健診には、エコー検査のみが基本プランに組み込まれています
続いてはオプションで追加した卵巣年齢検査のため、採血へ。自分の腕から血が抜かれていく感覚が昔から苦手なのですが、今回の採血は光の速さ! 本当に「あっ」という間に終わってしまいました。こちらでは終了時、止血用のシールの上から包帯を巻いてくれました。「5分くらい押さえておいてください」と言われると、スマホも触りにくいし、じっとしているしかないけれど、その必要がなかったのはありがたかったです。
いよいよ子宮(Y)の検査へ
「経腟超音波検査」と「子宮頸がんの細胞診断」です。診察室で婦人科医の先生と面談ののち、隣接された検査台へ。部屋に入った瞬間から、先生が終始こちらに顔を向けて会話をしてくれたので安心感がありました。
検査室内。部屋の隅にカーテンで仕切られたスペース内で下着とズボンを脱いでから、検診台に座ります
まずは専用の検査器具で子宮の入り口付近から細胞組織を採取。次に、プローブと呼ばれる超音波装置を腟へ入れ、内部を超音波で診てもらいます。脚を大きく開かれる婦人科検診台は、正直、何度乗っても慣れません......! でも検査自体は1〜2分と短時間。検査器具を腟内に入れるので異物感も否めませんが、痛みは感じませんでした。また、自分の真横に大きめのモニターがあり、先生が「ここが子宮です」「今は右の卵巣を見ています」などと説明しながら診てくれたので、いくらか気が紛れました。
検査終了。かかった時間はトータルで45分ほど!
すべての検査が終了し、コンシェルジュカウンターへファイルを戻しに行くと、お菓子と飲み物のサービスが。
お菓子やドリンクは季節によって変わるそう。この日はピエール・エルメコラボのブレンド茶とバウムクーヘンでした
着替えまで済ませて、かかった時間はトータルで45分ほど。「もうおしまい?」と名残惜しさすら感じるほど、すべての工程がスムーズで流れるように終了しました。結果は、最短3週間で自宅へ郵送されるとのこと。検査はどれも心地よい空間でリラックスして受けることができ、自分の体を労るいい時間を過ごせました。
今回の体験施設はこちら
住所:〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館17階
電話番号:0120-815-835
電話受付時間:8:30~16:00
休診日:日曜・月曜