2024年、何が流行る? どんな価値観が社会を変える? 『世界と私のAtoZ』『#Z世代的価値観』など、「カルチャー×アイデンティティ×社会」をテーマに発信する、カリフォルニア在住のライター竹田ダニエルさんに、2024年に流行りそうな“10のキーワード”を予想してもらいました。今回のトピックは「ファッション&ビューティ」について。

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竹田ダニエル

ライター

竹田ダニエル

1997年生まれ、カリフォルニア出身、在住。「音楽と社会」を結びつける活動を行い、日本と海外のアーティストをつなげるエージェントとしても活躍する。2022年11月には、文芸誌「群像」での連載をまとめた初の著書『世界と私のAtoZ』(講談社)を刊行。今年9月には、『#Z世代的価値観』(講談社)も発売。そのほか、現在も多くのメディアで執筆中。

「ファッション&ビューティ」の2024年流行予想

5. “Gen X Soft Club”的世界観

“Gen X Soft Club”とは、1990年代後半から2000年代後半に流行った世界観で、当時流行った近未来的な雰囲気のルックを指します。今年は、例えばビヨンセのライブでもシルバーがドレスコードだったり、今アメリカで再ブームが到来している『COACH』もシルバーのバッグを出していたり。“Gen X Soft Club”的な世界観がこれから更に注目されてくるのではないでしょうか。

加えて、アメリカでは今、ファッションアイテムの価格の高騰が指摘されていて「こんなに値段は高いのに、こんなに縫製が粗雑」みたいな、“deinfluencing動画”=インフルエンスされない動画、がTikTokでたくさん出ています。「昔のもののほうが質がいい」と、ヴィンテージが見直される中で、レトロなデザインや世界観にも注目が集まっています。

6. 複雑じゃない、シンプルなスキンケアの回帰

アメリカでは、レチノールやナイアシンアミドなど、成分の配合率が高いスキンケアブランドが流行っていましたが、必須アイテム以外のでも「数を多く組み合わせればよい」という具合に、まるで自分がプロになったような感覚で色々なアイテムを組み合わせ、逆にスキンバリアが崩れてしまったという人も。その反動として、少ない工程で原材料もシンプルなものに再び注目が集まる気がします。

一時期アメリカでは、薬局で売っている『Cetaphil』というブランドが流行りすぎて、それまで誰でも買えるブランドだったのに値段が高騰したこともありました。これもシンプルなスキンケアが見直され、人気を高めていることを示す一つの現象のように思います。




取材・構成・文/種谷美波(yoi)