2024年、何が流行る? どんな価値観が社会を変える? 『世界と私のAtoZ』『#Z世代的価値観』など、「カルチャー×アイデンティティ×社会」をテーマに発信する、カリフォルニア在住のライター竹田ダニエルさんに、2024年に流行りそうな“10のキーワード”を予想してもらいました。今回のトピックは「消費行動」について。

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竹田ダニエル

ライター

竹田ダニエル

1997年生まれ、カリフォルニア出身、在住。「音楽と社会」を結びつける活動を行い、日本と海外のアーティストをつなげるエージェントとしても活躍する。2022年11月には、文芸誌「群像」での連載をまとめた初の著書『世界と私のAtoZ』(講談社)を刊行。今年9月には、『#Z世代的価値観』(講談社)も発売。そのほか、現在も多くのメディアで執筆中。

「消費行動」の2024年流行予想

7. “現物メディア”の魅力が再発見される

アメリカは日本に比べて紙媒体が多くないので、むしろその価値がプレミア化している印象があります。昔の雑誌を取り寄せてコラージュを作っているZ世代の子たちもいるし、単純に自分の好きなアーティストやセレブが表紙の雑誌を、アーカイブとして残しておきたいという気持ちもありますよね。

最近は特に情報規制によってSNS監視されていることもあり、「アメリカで唯一残されている干渉されない対象は、本」と言われていたり、日本では安室奈美恵さんの曲がストリーミングサービスから消えてしまったり。そういう時代の変化によって、改めて“フィジカル”の重要性が見直されてきていると感じます。













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8. 大量消費離れ、手作りブーム

近年は物価高騰の影響もあり、高いお金を出してもなかなか質のいい服が買えないんですよね。アメリカの都心部は家賃が高いので店舗が出せないブランドも多く、オンラインが一般的ですが、実際に届いてみたら「見た目はいいけど生地はペラペラ」ということもあります。まず、そういう現象にうんざりしている人がたくさんいる。

その結果として、これまで社会の根幹にあった「大量生産・大量消費」に違和感を持っている若者が、手作りのプロセスを楽しんだり、物を買うことから離れていっている印象があります。2024年はさらにそのムーブメントが大きくなりそうです。

取材・構成・文/種谷美波(yoi)