ボードゲームやカードゲームなど、アナログゲームの面白さにハマる人が続出中と噂。自然と会話が盛り上がり、人柄が垣間見えるので、新年度に出会った人と親睦を深めたいときにも最適だそう。その魅力を深掘りするべく、yoiエディターの木村と菊池、フォトグラファー細谷が、世界中のアナログゲームをそろえる「JELLY JELLY CAFE」を訪れ、人気の秘密を伺いました。
アナログゲームってどんなゲーム?
JELLY JELLY CAFE・広報
世界中のボードゲームが遊べるボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」の広報。「JELLY JELLY CAFE」は東京を中心に関東、名古屋、大阪、福岡の15店舗あり、ボードゲーム初心者の方からヘビーなボードゲームファンまで年間のべ18万人以上が来店している。yoiの取材は池袋2号店で行いました。

JELLY JELLY CAFE 池袋2号店
菊池 そもそもアナログゲームとはどんなゲームのことを言うのでしょうか?
オギ ボードゲームやカードゲームなど、電源を必要としないゲームの総称として使われています。
木村 「JELLY JELLY CAFE」をはじめ、最近はアナログゲームができるカフェがたくさんあり、多くの人がボードゲームに興じていますが、いつ頃から盛り上がりはじめたのですか?
オギ 「人狼」ゲームが流行ったタイミングだったので2013年です。「人狼」をやって楽しいと思った人たちが、他にも面白いボードゲームはないかなと探しはじめたのがきっかけでした。その後じわじわと浸透していき、2020年のコロナ禍で一気に広がりを見せました。
細谷 家から出られないタイミングだったので、その時期は私もよくボードゲームをやっていました。
木村 私も! オンラインでボードゲームやカードゲームが遊べる「ボードゲームアリーナ」で、友達と一緒によく遊んでた。
菊池 アナログゲームなのにオンラインで!?
オギ そうなんです。自分の知り合いを招待して遊ぶこともできるし、知らない誰かとゲームをすることもできる場所として、世界中の人が利用しているんですよ。
菊池 アナログゲームをオンラインで楽しむって、なんだか今どきですね。
オギ そうですね。コロナのパンデミックが落ち着いてからは、ジェリージェリーカフェのようなボードゲームカフェも行きやすくなったので、実際に顔を合わせてゲームをする人がかなり増えました。

細谷 今日もお店はたくさんの方で賑わっていますね!
オギ お陰さまで20代〜30代くらいの方々を中心に、幅広い世代の方が遊びに来てくれるようになりました。男女比もちょうど半々くらいで、グループで来られる方はもちろん、デート場所として選んでいただく方も多いんですよ。
菊池 アナログゲームって聞くと大人数で遊ぶイメージがあったのですが、2人でも楽しめるゲームもあるのですか?
オギ そうですね。コロナ禍に少人数でできるゲームの需要が高まったこともあり、最近では2人用のアナログゲームもかなり充実しています。
木村 ニーズに合わせてさまざまなゲームが生まれているんですね!
アナログゲームがコミュニケーションツールとして大活躍!
菊池 なぜこんなにもアナログゲームが浸透したのでしょうか?
オギ コミュニケーションを取りながら遊ぶのが楽しいから、というのが1番大きいのではないでしょうか。
細谷 初対面の人とでも、アナログゲームをやるだけで会話が弾みますよね。
木村 確かに。実は集英社にもアナログゲームのサークルがあるのですが、そこで知り合って仲良くなった人もいます。
オギ 仕事でPCやスマホと向き合っている時間が長いからこそ、アナログゲームをすることで、ホッとひと息つけるのかもしれませんね。
菊池 初対面の相手やこれから仲良くなりたい人とやるのにおすすめのアナログゲームがあれば教えてください!
オギ 『佐藤です。好きなおにぎりの具は梅です。』がおすすめです! 引いたお題カードにそって、順番に一言で自己紹介をしていくゲームなのですが、お題カードをどんどん引いていき、さまざまなテーマで自己紹介を繰り返すんです。そのあとでクイズタイムに入り、自己紹介タイムで使ったお題カードに沿って自分のクイズを出すんです。例えば、私の好きなおにぎりの具は何だったでしょうか?とか。

菊池 ただの自己紹介だとスルーしちゃうようなことでも、このゲームをすることで覚えられそう!
木村 好きなものが同じだったら親近感も湧くしいいね。
細谷 知り合い同士でやっても、意外とそういう話ってしないから盛り上がりそう!
オギ お花見やパーティーのときにやるのもおすすめです。
童心にかえって、誰もが夢中で楽しめる!
木村 大人になると大爆笑する機会ってなかなかないけれど、グループでアナログゲームをやっているときって、結構な確率で大爆笑しませんか?
細谷 します! 私の夫はスウェーデン人で、完全なる日本語話者の私には夫の両親や妹とコミュニケーションを取るのが難しいのですが、アナログゲームをすると、爆笑しながら楽しめるんですよね。
菊池 言葉の壁をも越えて距離がグッと縮まるアナログゲームのパワー、恐るべしです!
オギ 夢中で楽しめるという面にフォーカスするなら、運の要素が強いゲームも盛り上がりますよ。
木村 運の要素というと、サイコロを振るゲームなどでしょうか?
オギ さすが木村さん! 普段からボードゲームをされているから勘が鋭い!
木村 ありがとうございます(照)。オギさんが特におすすめのゲームがあれば教えてください。
オギ サイコロを振って、ホテル王を目指す『ベガス』がおすすめ。運と戦略、両方が必要なゲームですが、運がよければ初心者でも勝てるゲームです。
菊池 レトロでおしゃれなデザインは、見ているだけでワクワク感が高まります! お金やダイスなど、小道具が凝っているのもアナログゲームの魅力ですね。

オギ イラストが好みだとモチベーションも上がりますよね。それから私がアナログゲームにハマりたての頃によくやっていた『おばけキャッチ』も定番だけどおすすめです。

菊池 どんなゲームなのですか?
オギ めくられたカードの指示に従って、コマをまちがえずに素早くキャッチするゲームです。
木村 ルールがすごく単純だからすぐに覚えられるし、体を使ってアクションするから場が盛り上がるんですよね! 私は『ごきぶりポーカー』をよくやってました。

オギ 私もよくやってました!
細谷 嫌な虫を人に押し付けるんですよね(笑)!
オギ そうそう。カードを伏せたまま押し付けるから、本当のことを言ってもいいし、嘘をついてもいいっていう。
木村 顔に出ちゃうからすぐにバレてました(笑)。トランプの『ダウト』的なゲームですが、やっている人の性格がよく出る! ルールも覚えやすいので、友人と飲みながらワイワイやるのにおすすめです。
細谷 私が最初に買ったアナログゲームは『月面探険』です。夫婦でできるボードゲームを探しているときに、ヴィジュアルのよさに惹かれてジャケ買いしたのですが、実はかなり難しくて。サイコロを振るので運の要素も強いのですが、まだ勝ち筋を模索中。サイズがコンパクトなので長期旅行に持って行ったりもしています。
アナログゲームをするのに最適な人数や向いている人は?

菊池 初心者の私からすると、アナログゲームの適正人数って4〜5人くらいのイメージなのですが、何人でやるのがいちばん盛り上がるのですか?
オギ ゲームによって適性人数があるので、それを守れば何人でも盛り上がります!
木村 ちなみにオギさんは最大何人くらいで遊んだことがありますか?
オギ 『ストリームス』というゲームを30人くらいでやったことがあります。
細谷 どんなゲームなのですか?
オギ ビンゴゲームの発展型、とでも言いましょうか。ルールはすごくシンプルで、数字が書かれたカードを引いて、その数字を参加者が自分の持っているシートの好きなマス目に記入していくだけです。ゲーム終了時に、マス目に書いた数字が小さい数字から大きい数字になるようにいくつ並べることができたかによって得点を計算するのですが、これがなかなかうまくいかなくて。
菊池 普通のビンゴゲームだと運頼みだけど、これは戦略を立てながら進めるんですね。
木村 それは確かに盛り上がりそう!
菊池 誰もが楽しめるのがアナログゲームのいいところだと思うのですが、特にアナログゲームに向いている人ってどんな人なのでしょう?
オギ 勝ち負けにこだわるのではなく、楽しむことを優先できる人が向いている気がします。
木村 確かに、ムキになられちゃうと場の空気が悪くなっちゃいますよね。
オギ そうですね。しかもアナログゲームは、楽しむためにルールを変えることだってできるんです。例えば、今回は初心者が多いから使う山札を半分にしちゃおう、とか。
菊池 ますますアナログゲームへの興味が湧いてきました!
撮影/細谷悠美 取材・文/菊池美里 企画・構成/木村美紀(yoi)