世界中のアナログゲームで遊べる「JELLY JELLY CAFE」広報のオギユカさんに、2人で楽しめて距離が縮まるアナログゲームを教えていただきました。イチオシのゲームは、アナログゲーム好きのyoiエディター木村と初心者のライター菊池が実際に体験してレポート!
JELLY JELLY CAFE・広報
世界中のボードゲームが遊べるボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」の広報。「JELLY JELLY CAFE」は東京を中心に関東、名古屋、大阪、福岡の15店舗あり、ボードゲーム初心者の方からヘビーなボードゲームファンまで年間のべ18万人以上が来店している。yoiの取材は池袋2号店で行いました。
40年以上愛され続ける、名作心理ボードゲーム『ガイスター』

オギ 2人専用のボードゲームの代名詞と言っても過言ではない『ガイスター』は、JELLY JELLY CAFEでもつねに人気のゲームです。チェスのように駒を取り合うゲームなのですが、オバケの背中側にマーキングがされているんです。
赤の悪いオバケと青のいいオバケがいて、相手の青いオバケをすべて取れば勝ちで、赤のオバケをすべて取ってしまうと負けになります。
『ガイスター』はここが面白い!
オギ どちらのオバケを動かしているのかわからないので“この動きは青っぽいけど、もしかして裏をかいて赤かも!?”なんて予想しながら進めるのが楽しいんです。
木村 シンプルだけど奥深さのある心理戦ですね! チェスや将棋はルールを覚えるのが難しいけれど、これはルールがシンプルだからすぐに始められそう。
菊池 戦略を立てすぎずに、気軽に楽しむのがよさそうですね!
少女を吸血鬼から救い出す、協力型推理ゲーム『トゥールームス』

オギ 吸血鬼が住んでいると噂される古い館へと姿を消してしまった少女・ニーナを救い出すために、協力してプレーするゲームです。山札からカードを引いて、緑の扉(箱)と赤い扉(箱)のどちらかにカードを入れていきます。
ポイントは相手がプレーしている間は目を閉じて待っていなければいけないということ。相手と相談することができないので、行動を推理して協力するのが意外と難しいんです。これも2人専用のゲームです。
『トゥールームス』はここが面白い!
菊池 ストーリーもカードの雰囲気もミステリアスで素敵ですね。
木村 カードの意味をしっかり理解したうえでやらないとクリアできなさそう。
オギ そうなんです。攻撃するためにはさまざまな発動条件があるので、ねらったとおりにゲームを進めるのが実は難しくて。その分、クリアしたときの達成感や爽快感はたまりません! ちなみにレベル1から始めて慣れてきたら難易度を上げられるので、安心して挑戦してみてください。
木村 攻略するのは難しそうだけど、その分飽きることもなく、何度でも楽しめそうなのがいいですね!
相手の書いた言葉を推理する! 『あいうえバトル』

オギ お題が出されたら、それに沿う言葉を“ちょっかんくん”というキャラクターの描かれたカードに書いて、相手に見えないように並べます。
相手の言葉を予想して当たった場合は相手の手札が公開されます。手札がすべて公開されたら負けという、シンプルだけどスリリングなゲームです。
『あいうえバトル』はここが面白い!
木村 ちょっかんくん、可愛すぎます!
オギ 『ぷよぷよ』のゲームデザインも手がける米光一成さんという方が手がけているんですよ。
菊池 世代や属性を問わず遊べるゲームならではの、愛されるべきデザインってことか。ちなみにこれは5人まで遊べるゲームですが、オギさんが2人でやるのにおすすめするのはどうしてですか?
オギ 2人でやることで、お互いの性格からこんな言葉を書きそうだなと推理する楽しみが増すからです! もちろん大人数でワイワイやっても楽しいですよ。
声もジェスチャーもダメ! 2人の精神統一でクリアを目指す『ザ・マインド』

オギ まず最初にお伝えしておきますが、『ザ・マインド』は普通じゃないカードゲームです。
木村 えっ???
オギ 集中力を高めて、プレイヤーの心をシンクロさせるんです。
菊池 勝ち負けがあるわけではない…ということですか?
オギ そうですね。プレイヤーはラウンド(レベル)ごとに指定された枚数の手札が配られます。カードには1から100までの数字が書かれています。それぞれ手持ちのカードの番号が小さい順から出していくのですが、必ずしも交互に出すわけではなく、お互いに様子をうかがってカードを出していきます。
このゲームの「成功」は、カードが小さい順に場に出されることです。もし相手がカードを出したタイミングで、自分がそれより小さい数のカードを持っていたら「失敗しました」と宣言しなければいけません。
どのタイミングで出すのかが重要なのですが、会話をすることもジェスチャーを取ることもNGなので、お互いの間を見ながら出すのが実にスリリングなんですよ。
『ザ・マインド』をプレイしてみた!

1人に2枚のカードが配られる「レベル2」にトライ! 木村に配られたカードは69と95の2枚。
木村 ……。(100の中ではどちらも後半のカードだから、菊池さんが68以下のカードを持っている可能性のほうが高い。ここは少し待とう…)
菊池 ……。
木村 ……。

しかし菊池は動かない! それもそのはず、なんと菊池に配られたカードは91と99なのだ。
菊池 ……。
木村 ……。(全然動かない! 菊池さんのかたくなな表情、まさか私のカードのほうが数字が若いのか…?)

根負けした木村が69のカードを場に提出。
木村 ……。(え!? 菊池さんまだ動かないの!? さすがに95以上のカードを2枚持っている可能性はかなり低いから、早く出してほしいんだけど…。)
菊池 ……。
木村 ……。
膠着状態が続き、長い沈黙が流れる。お互いに、「もしかして相手も90台のカードを持っている…?」という思いが生まれ、意を決した菊池が91のカードを提出!
木村 !!(よかった〜!先に出さなくて。でも、これより大きいカードをまだ菊池さんは持っているということ!? それが95より大きいか、確率は半々だ…。)
またしばらくの沈黙が続くが、あまりにかたくなな菊池の表情に負け、木村が95のカードを提出!

菊池 私の最後のカードは、なんと99でした!
木村 すごい! 奇跡的な成功だ…!
菊池 1や100に近い数字を持っている場合は、出すタイミングが図りやすいけど、微妙な数字を持っているときは迷いますね。
木村 ルールを聞いたとき、何が面白いのだろう?と思ってしまったのですが(笑)、やってみて魅力がわかりました! 成功したときの達成感が半端ない!
菊池 究極の協力ゲーム! やる前より木村さんとの距離が縮まった気がする!
木村 この面白さ、写真と文章だけで伝わるのかが不安だけど…、騙されたと思って一度やってみてほしい!
撮影/細谷悠美 取材・文/菊池美里 企画・構成/木村美紀(yoi)