仕事や家事に追われる毎日。そんな日常から少し距離を置いて、自分を見つめ直す時間をつくりませんか?今回はソロ活女子として注目されるASUKAさんに、一人で楽しむリトリート旅“ひとリート”の魅力や都内近郊でのおすすめのすごし方について教えていただきました。
「ひとリート」とはyoiが提唱している「一人で楽しむリトリート体験」を表す造語です。半日程度の体験や日帰り・1泊2日程度の旅を含む、心と体のセルフケアに役立つ時間の使い方です。
東京駅での迷子体験が“ひとリート”の入り口に
——ASUKAさんが“ひとリート”にハマったきっかけを教えてください!
ASUKAさん 学生時代に東京駅で迷子になり、「いっそ探検しちゃおう!」と歩き回ったのがきっかけで、一人旅や一人時間の楽しさをもっと追求したいと思うようになりました。
その頃、三鷹の森ジブリ美術館のキャッチコピー「迷子になろうよ、いっしょに。」にも感銘を受けて、「せっかくなら冒険しよう!」と前向きになれたんです。探検を通じて新しい発見があるかも、という気持ちが一人時間をより楽しいものにしてくれました。
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——東京駅で迷子になったときは、どこを訪れたのでしょうか?
ASUKAさん その時は、いつも大阪に住むおばあちゃんに会いに新幹線に乗るだけで通りすぎていた東京駅を、じっくり探検してみることにしたんです。ふと丸の内駅舎の天井を見上げて、「ドームがこんなにきれいだったんだ」と感動したのを覚えています。それがすごく新鮮で、東京駅が全然違う場所に感じられました。
リトリート先では一人脳内会議をしてセルフケア
——“ひとリート”はセルフケアになりますか?
ASUKAさん “ひとリート”をすると、日常から物理的に離れて「いつものわたし」を客観的に見つめ直せるんです。非日常の旅先で、自分を受け入れながら「これからどうしたいか」を考える、一人脳内会議はセルフケアになっていると思います。
“ひとリート”では、自分に問いかけたり選択する場面が多く、その中で「本当に好きなこと」や「今やりたいこと」が明確になっていきます。普段は気づけない自分の気持ちが浮かび上がってくる瞬間が新鮮です。
——確かに慣れ親しんだ場所だと、自分と向き合うスイッチは入らないですよね。
ASUKAさん そうなんです!“ひとリート”では、ワークブックやノートを持って「書く時間」を作るのが定番。特に「やりたいこと100」をリスト化するのがおすすめ。TODOリストだと義務感が出ますが、「やりたいこと」なら楽しく気軽に書けますよ。
わたしも2017年に作ったリストを今でも更新しています。最近達成したのは「白くて大きなテーブルでご飯を食べる」という目標。実現したら日常の満足度がぐんと上がりました。
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——「やりたいこと100」以外にも、書いていることはありますか?
ASUKAさん ほかにも、その場所がなぜ好きなのか、何が魅力なのかをノートに思うまま書き出しています。目の前にあるものには、自分が心地よくなるヒントが隠れていることが多く、書くことで「あぁ、こういうところにトキメクんだった!」と気づけるんです。これは、“ひとリート”先を選ぶときにも役立つと思いますよ。
ASUKAさん流!“ひとリート”先を選ぶポイント4つ
Point 1. 見晴らしがいいところ
ASUKAさん 自然を感じられる場所が大好きなので、見晴らしのよさはとても大切にしています。たとえカフェや図書館といった室内でも、緑や青空が見える大きな窓がある場所を探します。景色がいいと、それだけで心がほっとするんです。
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Point 2. 車なしで行ける場所
ASUKAさん “ひとリート”では、「頑張らないこと」も大事なポイントです。わたしはペーパードライバーなので、電車やバスでアクセスできる場所を選ぶようにしています。
Point 3. 温泉やサウナでデジタルデトックス
ASUKAさん 海外には、週に一度インターネットや仕事、日常の作業を手放し、心と体を休める安息日「シャバット」という習慣を持つ地域があるそうです。そういった習慣は素敵だなと思うものの、実践が難しいので、代わりに温泉やサウナでリフレッシュしています。温泉やサウナでは自然とスマホからも離れられるから、擬似的ですが体験している気持ちになります。
Point 4. 土日はオフィス街、平日は観光地へ
ASUKAさん 混雑を避けたいので、土日はオフィス街、平日は観光地で楽しむようにしています。
例えば、土日のオフィス街なら赤坂がおすすめ。おいしいご飯屋さんが多く、都会と思えない静けさのある日枝神社は、石段ではなくエスカレーターで登れる新鮮な体験も魅力。古さと現代の融合を感じられます。
平日の観光地なら新宿西口がおすすめ。窓の大きい高層ビルが並ぶ街並みや、SOMPO美術館、新宿中央公園など見どころが満載。平日ならではの静けさがさらに落ち着きを与えてくれますよ。
“ひとリート”をもっと堪能するための2つのルール
Rule 1. トキメク服装でいくこと
ASUKAさん もともとお洋服が好きなので、せっかく好きな空間に行くなら、自分の心がトキメク服を選ぶようにしています。ただし、天気は必ずチェックして、暑すぎたり寒すぎたりする服装を避けることは大切にしています。
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Rule 2. 15時には帰ってくる
ASUKAさん 予定は入れすぎず、日帰りでも旅行でも「1日1個達成できたらハッピー」というマインドでやることを決めています。そのほうが達成感を味わえるし、余裕も生まれるから。
また、15時には帰るのも快適にすごすコツ。朝早めに行動すれば混雑を避けられるし、朝割も活用できます。早く帰れば家でゆっくりする時間も楽しめて、一日が充実しますよ。
イラスト/Apricots Art 構成・取材・文/高浦彩加