昨年、第1回が開催され、大きな話題を呼んだ「フェムテックトーキョー(Femtech Tokyo)」は、女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決するための製品・サービスや、女性特有の健康課題をケアするフェムケア製品が一堂に会する展示会です。10月5〜7日に開催された第2回の展示会の様子を、yoi編集部員の木村と種谷がレポート!
目新しさから、より個の悩みに合わせてカスタマイズする流れに
木村:すごい活気だったね! 昨年と同様、200社のブースが出展していたとのこと。yoiも、メディアパートナーとして協賛していましたね。全体を見て、どんな印象を受けた?
種谷:市場全体が盛り上がっている印象を受けました! 社会全体が女性の健康課題に向き合おうとし、それが実際の製品やサービスにつながっているという勢いが感じられてうれしかったですね。
木村:数年前は、フェムテックといえば…のアイテムのひとつである吸水ショーツについても、まだまだ知らない人が多く、アイテムとしても新鮮だったけれど、今ではだいぶ浸透してきているよね。今回の展示会でも吸水ショーツがたくさん出ていたけど、数年前のような目新しさはなくなってきてはいるかも。テクノロジーとして「新しい!」と思うアイテムがたくさん出ているわけではないけど、より細かい悩みに合わせてカスタマイズされている商品が増えてきたな、という印象。
数年前は吸水ショーツを出しているブランドは多くなかったけれど、今ではいろんなところが出していて、吸水量にこだわっているものから、デザインにこだわっているもの、温熱機能がついているもの…など、選択肢が増えてきている感じ!
種谷:たとえ機能が同じでも、デザインのバリエーションがあるだけで、選ぶテンションが上がりますよね。消費者にとっては、すごくうれしいことだと思います!
誰もが知る有名企業の出展で、社会全体が動いていることを感じる!
木村:個人的にもうひとつ印象的だったのは、誰もが知っているような有名企業も多数出展していたことと、どれも製品やサービスがとてもよかったこと! フェムテック・フェムケアが一過性のムーブメントにならず、今後も大きな市場として定着する未来が見えてきた!
それに、これは想像でしかないけれど、各企業から出ている商品には、女性社員の意見が多く反映されているのではないかな…?と。企業の中で女性が活躍している雰囲気が間接的に感じられてうれしかったな。
種谷:大企業が参入することで、価格としても手に取りやすいものが増えるだろうし、自分の体をケアすることの大切さが広まるきっかけにもなりますよね!
yoiでも以前紹介しましたが、PMSや生理などによる体のゆらぎをケアするためのドリンクが明治から出ていたり、コンドームメーカーとして有名なオカモトが、女性でも手に取りやすいコンドームを発売していたり…。そういった商品を通して、「PMSや生理のつらさは、耐え忍ぶものじゃなく、ケアしてあげるべきなんだ」とか「コンドームは男性だけが用意するものではなく、自分の体やライフプランのために大切なアイテムなんだ」といったことへの気づきも生まれるかもしれませんね。
展示会で配布されていた、オカモトの「ピュアマーガレット」シリーズのコンドームと、明治フェムニケアフード α-LunAドリンク カフェオレ風味。
大切な体の問題だからこそ、企業にも消費者にも求められる“フェムテラシー”
木村:生理やPMS、腟や骨盤底筋、卵子や妊活などのワードがたくさん掲げられていましたが、医学的に正しい知識がみんなにあるかというと…まだまだ知らないことが多いという人も多いのではないかな? と思ったり。
種谷:医学的な知見を伴う表現については、yoiで記事を作る際も専門家にチェックをお願いするなどしていますが、個人がそこまで詳しくなるのは難しいですよね。切実に悩んでいるときは、効果がありそうなものは藁にもすがる思いで試してみたいと思うこともあるけれど、体に取り入れるものなんかは特に、専門家の意見を参考にしつつ慎重に選んでいきたいなと思いました。
木村:メディアとしては、企業と消費者の間に立って、製品やサービスを紹介する立場なので、消費者がどのような情報を求めているか、きちんと正しい知識を伝えられているかにしっかり注意を払って発信していきたいね。
女性の体やフェムテック、フェムケアについての正しい知識とリテラシー、“フェムテラシー”が大切な時代になってくるなと思います!
次回の開催情報はこちら!
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第3回 Femtech Tokyo
2024年10月17日(木)~19日(土)@東京ビッグサイト
https://www.femtech-week.jp/hub/ja-jp.html
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後編では、エディター2人が「yoi!」と思った4つのブースをご紹介!
イラスト・構成・取材・文/木村美紀(yoi)