フェムテック＆フェムケア事情はどう変わった？ yoi編集スタッフが、最新事情を語る！【第3回フェムテックアワード番外編】

木村　今回で「フェムテックアワード」も第3回です！　堀越さんには第1回から企画に参加していただき、木土さん前回の2回目より参加していただいていますね。今回、お二人にはアワードにノミネートするアイテムを決めるところから参加してもらっています。ノミネートしたのはすべて2024年以降に発売されたものですが、どんなアイテムが気になりましたか？　まずは吸水ショーツについて、いかがでしょうか。

木土　吸水ショーツは、軽やかなものが人気でしたね。『momoful』のシームレスなものや、アルパインブランドの『ミレー』が出しているメッシュタイプのものに注目が集まっていました。生理中だけでなく、普段からはきたい、という声も多かった！

木村　確かに、吸水ショーツが話題になりはじめた数年前は、「○ml吸収します！」って吸水量を押し出しているものが多かった印象なんだけど、今回のラインナップは吸水量というよりははき心地を重視していたり、吸水面がすっきりしているものが多い気がする。『ベア』や『ポーラ』からも、以前からある商品よりも吸水量を少なくしたライトタイプのものが発売されています。

堀越　たしかに、吸水ショーツっていわゆる生理用！という感じの、分厚くて大きい安心感のあるものが主流だったけど、どんどんコンパクトで日常的に使いやすいデザインが増えていますよね。

木土　吸水ショーツ＝量の多い人向け、というイメージだったのが、量が少ない人はもちろん、おりもの対策として普段から身につけられるものに変わった印象がありますね。

木村　吸水ショーツの愛用者は増えているけど、ナプキンやおりものシートを使っている人が多数派ではありますね。個人的に、『サラサーティ』のおりものシートが激推し！　ドライな肌当たりですっごく快適なんです。

堀越　なるほど！　表面が凸凹しているから、肌に当たる部分が少ないんですね。今までのおりものシートって、肌に当たる面がふわふわで柔らかいことに注目されがちだったけど、実際に使ったら実はドライな質感のほうが快適なのかも。

木村　そう！　しかもこのシートは前後で幅が非対称になっているのもすごい。おりものだと私はショーツの前側の方が汚れやすい気がするから、幅が広いほうを前にして使ってるけど、好みに合わせて前後を変えてもいいし。

木土　すごくニッチなところに気がつく！（笑）。『ナチュラムーン』の吸水パッドはおりものシートではなく尿もれ対策用だけど、ノンポリマーなのにこの吸水量を確保しているのがすごいんですよね。肌に当たる部分はオーガニックコットン100%だから、素材にこだわる人にとっては待望の商品なはず。

木村　『ソフィ』のはだおもいシリーズは使っている人が多いと思うけど、実は今年の6月以降、使う素材をPEFC認証^※資材のものにしているんだよね！　消費者のことだけでなく、地球環境のことまで考えている姿勢が素晴らしい…！
※PEFC（Programme for the Endorsement of Forest Certificationの略称）は、世界最大規模の国際的森林認証制度

堀越　ウォッシュ系のアイテムを並べてみると、おしゃれなデザインが多いですね。以前はもっと可愛らしいイメージのものが多かった印象だけど、すっきりとしたデザインのものが増えている。

木村　ジェンダーレスに使えるものも多いよね。ウォッシュ系は泡で出るフォームタイプがすごく増えた気がします。香りは『アロマティカ』のカモミール＆ティーツリーが大人気でした！　森川さんも買われたんですよね？

（撮影で同席していたフォトグラファー森川さん）　撮影中に皆さんの話を聞いていて、使ってみたいと思ったので昨晩ポチりました。フェムテックの知識が全然なかったので、もうどのアイテムも興味津々で（笑）。

一同　おお〜！　素晴らしい！（拍手）

木土　今まで使っていなかった方がこうして興味を持ってくれるって、うれしいです〜！

木村　あとは『&fem（アンドフェム）』のウォッシュと、『フェミモア』のミストも人気。価格が手頃だからっていう声が多かった。値段が高いものだとやっぱりどこかで「もったいない」と思っちゃうから、気負わず使えるのも大事！

木土　どちらも手頃だしドラッグストアで買えるから、習慣化しやすいですよね。『&fem』は『牛乳石鹸』の会社から生まれたというブランド力も強いし、入口として入りやすいのかも。

堀越　フェムケアブランドを知っている人はネットで調べて買えるけど、使ったことがない人はまず商品に出合うタイミングが少なかったですもんね。

木村　特にウォッシュ系のアイテムは、おしゃれな新しいブランドも増えているけど、ドラッグストアにも置かれるようになって、日常的に使う人も多くなった気がします。幅が広がってますね。

堀越　病気のリスクや、体の状態をチェックできるアイテムがすごく増えましたね！　ただこちらは、まだ全部のパッケージがピンク系。

木村　本当に増えた！　個人的には「ミルクリア」が素晴らしいと思う…！　母乳にアルコール分が含まれていないか調べられるアイテムです。お酒好きな人に希望を与えてくれるよね。

木土　Amazonでは買えるんですよね。これがドラッグストアに置かれる時代が来たらすごい…！

木村　あと膣内環境をチェックするキットは、多少お値段の壁はあるものの使いたい人は多いはず！

木土　そもそも婦人科に行って「膣内フローラの状態を診てください」って言えば検査してもらえるんですかね？　それすらも知らないし、病院へ行くことの気持ち的なハードルがある人にはピッタリ。

木村　婦人科系のチェックは最初の一歩は踏み出しづらいからなぁ…。こういうアイテムで興味を持って、きちんと病院でも検査をして、っていう流れが作れたら理想的だよね。

木村　インナーケアも増えていますね、特にサプリがすごい種類！　『Joho-Rhythm（ジョホリズム）』は唯一のタブレットタイプだから、ラムネ感覚で食べられる。味もおいしいの！

木土　鉄分のサプリって空腹のときに飲むと気持ち悪くなったりすることもあるから、お菓子感覚で食べてとれるのはすごくいいですよね。

堀越　本当だ、甘酸っぱい！　おいしいといえば、この「ケア・ミー」のお菓子もすごい。これだけ種類があると欲しい栄養素や味付つでも選べるし、どれも本当においしいですよね。

木村　甘いチョコレート系だけじゃなくしょっぱい系もあって、お酒のおつまみにもよさそう…♡

木村　今回お試し会を実施してすごく感じたのは、セルフプレジャーのアイテムを紹介したときにポジティブな反応しか返ってこなかったし、最後に気になるアイテムを聞いたときに「これが可愛かった」って純粋にセルフプレジャーアイテムを選んでくれる人が増えたこと。日本だと『iroha』さんとかが、ブランド立ち上げ当初からずっと頑張ってきたことが実ってる…！　と思って感動しちゃった。

木土　いやらしいもの、っていう認識が確実に変わってきてますよね。フランスのブランド『ピュイサント』のデザイン性も素晴らしいと思いました！　しかも肩とか腰とかのこっているところに当ててもいいそう。

堀越　あとは骨盤底筋関連のアイテムも盛り上がってますね。

木村　今年新しく増えたものもあるけど、『ラゼル』や『EMIGI』のものは、実は以前から発売されていたアイテム。でも新しいカテゴリができて「一般医療機器」として改めて販売できるようになったから、2024年の新商品としてノミネートしてるんだよね。「一般医療機器」になることで、“尿もれ改善・尿もれ予防をサポートする”と謳えるようになりました。これを機に、さらに骨盤底筋トレーニングのアイテムが増えてきそう！

堀越　以前、yoiで呼吸の専門家の先生に取材したんですが、骨盤底筋が衰えると内臓が下に下がるらしいんです。そうすると胸骨が狭まって、肺が十分に広がらなくなって、呼吸が浅くなることがあるらしくて。骨盤底筋ってどうしても尿もれ対策とか膣トレというイメージが先行しがちだけど、実は体全体に関わってくるんですよね。

木土　そうなんだ！　その話を聞いたらより鍛えなきゃ！って思いますね。お風呂で使える『MYTREX』のAQUA QUTTOも本当に革新的。

堀越　ちょっと話は変わりますが…『Dame』のセックス用のピローがめちゃくちゃ売れてるらしいです。セックス中の体勢が安定するので疲れにくかったり、奥まで挿入ができるようになるとか。

木村　おしゃれだから、普通に部屋に置いておいても問題なし。スマホいじるときにこういうふうに使うのもよくないですか？

堀越　めちゃくちゃくつろげてる！（笑）　多少お値段は張りますけど、パートナーと一緒に買ってもいいし、結婚祝いとしても素敵ですよね。

木土　今回エントリーしたアイテムを見て、いい意味でコスメや雑貨と感覚が近くなっている気がしましたね。

堀越　フェムテックアイテムが特別なものであるっていう認識もなくなってきているし、デザインもどんどん洗練されて。

木村　価格も手に取りやすいものが増えて、フェムテックアイテムの一般化が進んでいるように感じました！

撮影／森川英里　取材・文／堀越美香子　企画・構成／yoi編集部