yoi読者から寄せられた生理にまつわる疑問や悩みに、専門医がアドバイス! 今回は、生理中の経血のにおいについて伺いました。

生理 経血 ニオイ 婦人科 小野陽子

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Q.生理中のにおいが気になります。周囲の人に気づかれることはありますか?

「経血のにおいがとても強くて、まわりにバレているんじゃないかと心配になりますが、対策のしかたがわかりません。何かいい方法はあるのでしょうか」

お話を伺うのは…
小野陽子先生

産婦人科医/心療内科医

小野陽子先生

日本産科婦人科学会専門医。心身医療専門医。日本女性医学学会ヘルスケア専門医。日本女性心身医学会認定医師。女性の心身の不調の背景には社会的・環境的要因が影響していると感じ、産婦人科研修後、心療内科でも研修。女性が自分自身で心と体の対話を大切にできるようサポートしていく女性医療を心がけている。2020年にAddots GINZAを設立し、女性のためのオンライン相談室「女性の心と体の相談室」をスタート。

A.経血のにおい対策は、こまめにナプキンを替えることからはじめましょう

排出されたばかりの経血は無臭です。ところが、時間が経つにつれて経血が酸化し、雑菌が繁殖することによってにおいの原因物質が発生し、鉄が錆びたようなにおいや、酸っぱいにおいを感じるようになります。

雑菌の繁殖時間をできるだけ短くするためにも、こまめにナプキンを交換したり、ムレにくいアイテムを選んだりして対策を。タンポンはナプキンに比べてほとんど経血が空気に触れないので、比較的においを抑えられますが、交換を怠ると雑菌が増えて、腟や子宮での感染症を引き起こす可能性もあるので注意しましょう。

また、強いにおいがある場合は、腟症や性感染症の可能性があります。特に、魚が腐ったような生ぐさいにおいは、細菌性腟症の特徴のひとつです。細菌性腟症は、性行為の有無にかかわらず、疲れや抗生物質などの内服などで腟内の細菌のバランスがくずれることによって発症することもあるので自己判断は禁物。強いにおいが気になったら、症状があるときに婦人科を受診しましょう。

まわりが気づくほどにおいが強くはないので安心を

においが気になるのは、ナプキンやタンポンなどを交換したり、脱衣所で下着を脱いだりと、直接的ににおいを感じるシチュエーションが多いためでもあります。経血のにおいは、服を着て日常生活を送る中で周囲の人が気づけるほど強いものではありません。

生理中はホルモンバランスが変化するため、些細なことが気にかかったり、嗅覚が敏感になったりすることもあります。もし気になるようなら、デリケートゾーン専用のソープを使ってケアするのもいいと思います。

あまりにもにおいのことが気になりすぎて精神的にもしんどい…という場合や、不安で不安で仕方がない…というように日常生活にも支障が出る場合は、婦人科だけでなくメンタルクリニックで相談されてみるのもいいと思います。

構成・取材・文/国分美由紀