「フェムテック協会認定資格2級(認定フェムテックエキスパート)」を取得している伊藤千晃さんが、読者のフェムケアのお悩みに直球アンサー。より快適な日々を送るためのヒントとおすすめのアイテムもご紹介します。今回のお悩みは、心と体が一気に急降下するPMS(月経前症候群)についてのお悩み。

2017年、男女混合のパフォーマンスグループ「AAA」を卒業。2018年よりソロ活動を開始し、現在はアーティスト、モデル、タレントとして多方面で活躍。2022年3月に「フェムテック協会認定資格2級(認定フェムテックエキスパート)」を取得し、フェムテックに関する情報を積極的に発信している。
お悩み:毎月のPMS(月経前症候群)がつらすぎてどうしたらいいのかわからない
「PMSがひどくて悩んでいます。憂鬱な感情が拭えず仕事に行けなくなってしまう日が繰り返しあって、つらいです」(26歳・接客業)
「生理前は気分が落ち込み、肌があれます。酷いときだと鬱に近い状態になってしまい、悩んでいます」(29歳・会社員)
気分も体も絶不調。つらい気持ち、すごくよくわかります
——まわりの人にPMS(月経前症候群)について相談されることはありますか?
伊藤さん:実は私のマネージャーさんもPMSに長年悩まされているので、そういった話になることはよくあります。いろんな方の悩みを聞くたびに、症状の現れ方は人によってまったく違うんだな思うことが多いです。
私の場合は、生理がくる1週間前に必ずといっていいほどイライラしはじめ、落ち込みが激しくなる。さらに気持ちが沈んできてしまって、自分なんてこの世に存在しちゃいけないんじゃないかと思うこともあります。
体の変化でいうと、むくみがMAXに。何をするにも息切れしてしまったり、睡眠の質も落ちてしまったりと、あらゆる不調につながっていることを痛感しています。
——そんな時期、千晃さんはどう自分の体や心と向き合っていますか?
伊藤さん:以前よりPMS期との付き合いに慣れてきたのか、最近は自分の機嫌を自分でうまくとれるようになってきたような気がします。
そうすることで気持ちの浮き沈みや体のだるさを100%解消できるわけではもちろんないのだけど、昔よりは穏やかな自分でいられているなというのは実感しています。
——これは特に効果的!という方法はありますか?
伊藤さん:体を温めたり、ハーブティーを飲んだり、といったことをしつつ、個人的にいちばんいいなと思っているのは、多少の運動を取り入れること。
体も心もだるい時期なので、かなり重い腰を上げてやっとの思いでピラティスに行くのですが、少し体を動かすだけでもラクになる。特にPMS期に滞りやすくなる血流を運動することで促すことで、むくみも腰の痛みも軽減。ストレスも発散できて心の余裕も生まれます。
もちろん誰しもに当てはまることではないので、運動よりも休むことのほうが大事な場合も。無理して予定をこなそうとせず、ストレスがかからない方向へ持っていく。動くことではなく、インナーケアや心の余裕に目を向けられるような、リラックスできる環境を整えてみるのもいいんじゃないかな。
信頼できる婦人科に出合えれば、安心してPMS期を過ごせるはず

——相談者さんのようにあまりにもつらい方は、どうしたらいいと思いますか?
伊藤さん:PMSの悩みがまったくないという方もいますし、人に話しても共感してもらえないこともあると思うんです。でも、まずは自分を責めないようにしてほしいです。そして、できれば病院に行くこと。そうすると体だけじゃなく、心もぐっと軽くなると思います。
——PMSで病院に足を運ぶのはハードルが高いと思う方も多いような気もします。
伊藤さん:以前は私もそう思っていたのですが、かかりつけの皮膚科に駆け込むように、婦人科にもラフな気持ちで頼ってみるのが絶対にいい! 何より安心ですよね。 病院によっては女医さんを指名することができたり、女性の気持ちに理解があって、寄り添ってくれるような先生が多いように思います。
それに、自分で自分の健康管理をするのが当たり前、といった風潮も強くなってきているので、むしろ、婦人科に検診に行っているなんて、偉い!と、言ってあげたいです。
——その他、相談者さんにおすすめしたいことは?
伊藤さん:PMSのときって体がつらいのはもちろん、気持ちも急降下してしまうのがいちばんキツいところですよね。その状態が1カ月ずっと続くわけじゃないとわかっていても、すべてがどうでもよくなったり、不安になったり。
なので、とにかく自分にとって心地よいことを優先してみてください。特に、あらゆる情報を無作為に目にしてしまうSNSは遠ざけてみるのもおすすめです。
その代わりにドラマや映画、聴きたい音楽など、気持ちがほぐれることを意識的にチョイスしてみてください。 あとは、気のおけない友達やパートナーには、“この期間はこういうモードに入ってしまうの”と、事前に前置きしておくのも意外と大切。
原因がわからないままイライラしている姿を見せるとみんな心配してしまうから。そういうコミュニケーションがまわりとの中を深めるきっかけのひとつになったらうれしいなと思います。

伊藤千晃さんおすすめ「PMS対策アイテム」
生理前の晴れない気持ちを上向きにシフト

Seilly, 60日分 ¥5980/京福堂
伊藤さん:生理前のイライラや不安、もやもやした気持ちを軽減するフェムケアサプリ。生理前や生理中は体が冷えてよく眠れないことが多いけど、このサプリは睡眠の質の向上にもつながるそう。 女性のためのハーブ、チェストツリーやラフマ大豆乳酸発酵液GABA、ヒアルロン酸、ローヤルゼリーなど配合成分もパワフル。PMSを我慢するのではなく明るく乗りきるために私も使ってみたい!
じんわり温まってリラックスできるホットパットに今夢中

楽草ホットパット Lサイズ ¥8690/ゴーゴーパラダイス
伊藤さん:ヘア&メイクさんからプレゼントしていただいて以来、どはまり中の温パッド。ハーブ、穀物、ミネラルのみを使用した100%ナチュラルな蒸気温熱ホットパットで、電子レンジで温めてから使います。私の場合はそのままお腹や首肩にのせたり、腰に当てたり。背中に当たるように敷くのもじんわり温まって気持ちがいい。就寝時に使用するのも安心。ハーブの香りにも癒やされますよ。少し大きめのLサイズがイチ押しです。
いつでもどこでもいただける手軽さがうれしい

Cosme Kitchen HERBORISTERIE Femcafe スウィートベリー 28包 ¥3888/コスメキッチン
伊藤さん:紗栄子さんと森田敦子さんが手掛けた、女性のホルモンバランスやめぐりをサポートするチェストベリーやザクロ、アーティチョークなどのハーブがふんだんに入ったインナーケアドリンク。 持ち運びもできる顆粒タイプで、水やぬるま湯に混ぜていただけるから、ハーブティーは少しハードルが高いな、面倒だなと思う方にもぴったりです。スウィートベリーはほんのり甘くてすごく飲みやすい。パッケージも素敵なので贈りものとしても!
ブラウス¥97900/コート(イザ 0120-135-015)、 ピアス参考商品、リング(左手中指)¥41800/ともにムカサ(スタジオムカサ 080-4368-6158)、イヤーカフ¥12100、リング(右手人差し指)¥9900/ともにエミコ アマノ その他スタイリスト私物
撮影/松岡一哲(人物)、田村伊吹(静物) ヘア&メイク/松永奈巳 スタイリスト/藥澤真澄 画像デザイン/前原悠花 取材・文/通山奈津子 構成/渋谷香菜子