世界の生理事情をのぞいてみると、より広い視野で自分の体と向き合えるのでは…? そう考えたyoiは、世界10都市に暮らす女性たちに、“半径10mの生理事情”をリサーチ。ドイツ・ベルリンでアーティストとして活動中の伊東さん、南アフリカで“日本人女性初の政府公認サファリガイド”として働く太田さん、アメリカで10年以上暮らしていたYouTuberのNARUMIさんなど10人にご登場いただき、現地ならではの生理期間の過ごし方、生理との付き合い方などを教えていただきました!
- 【世界の生理・ドイツ編】元TBSアナウンサー・アーティストの伊東 楓さんに聞くデリケートゾーンケア習慣や自然療法
- 【世界の生理・南アフリカ共和国編】日本人サファリガイド・太田ゆかさんに聞くサバンナでの生理必需品
- 【世界の生理・アメリカ合衆国編】滞在10年以上の日本人YouTuber・NARUMIさんに聞く生理事情&SDGs視点の生理用品
- 【世界の生理・インド編】アッサム州出身のインフルエンサー・クリティさんに聞く生理中のルーティン
- 【世界の生理・台湾編】台湾・台北市出身・『DAYLILY』の王さんに聞く"清涼感"ナプキンや生理中に飲む漢方って?
- 【世界の生理・スウェーデン編】「8歳から性教育が始まり、生理や性行為について学びます」モデルのヘーク 恵利加さんが登場!
- 【世界の生理・ベトナム編 】ベトナムで人気の生理用品は?ショップオーナーのRyokoさんに聞く!
- 【世界の生理・韓国編】ソウル在住の会社員・MOENOさんに聞く“生理の貧困”対策事情
- 【世界の生理 ・フランス編】アーティスト・MIZUKIさんが見たパリ五輪の生理用品広告&デリケートゾーンケアアイテム
- 【世界の生理・タンザニア編】生理用品の製造・販売を行う菊池モアナさんに聞いた現地の生理事情
【世界の生理・ドイツ編】元TBSアナウンサー・アーティストの伊東 楓さんに聞くデリケートゾーンケア習慣や自然療法
TBSアナウンサーとして活躍後、ドイツ・ベルリンに渡ってアーティストとして活動中の伊東 楓さん。「ハーブティー文化」が根付くドイツならではの生理期間の過ごし方を教えてくれました。
伊東さん:ドイツは、生理をコントロールしている人が多い印象を受けます。その背景には、ピルの種類が豊富で、14歳から服用可能(※16歳未満は、場合によって親の同意が必要)かつ、22歳の誕生日までは無料でピルを処方してもらえることが要因のひとつとしてあるのかなと。ドイツの人が婦人科を受診する心理的ハードルは、日本人よりも低い印象があり、私の友人も生理トラブルが起きたらすぐに受診しに行っています。
私は生理痛が強いので、初日〜2日目は日本やロンドンで購入した鎮痛剤を飲んでいます。というのも、ドイツの薬局では薬を簡単に買えないんです。ロキソニンのような強い薬の場合は、病院で処方箋をもらわなければ手に入れられなくて…。そのかわりに、自然療法のひとつとして「ハーブティー文化」が根付いています。ドイツでは、薬局で不調を伝えると症状に合わせたハーブティーを処方してくれるんですよ。
また、ドイツに住むようになってから、デリケートゾーンケアに気を遣うようになりました。ドイツはサウナ大国で、男女混浴かつ原則全裸入浴のサウナ施設も多いため、アンダーヘアをきれいに処理している人が多いんです(スパなどは水着の着用がOKな場合も)。そういう文化の影響もあり、友人との会話にデリケートゾーンケアの話が当たり前に出てくるし、関連アイテムも豊富に売られています。
※今回の記事は伊東さんへの取材をまとめたもので、ドイツのすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理・南アフリカ共和国編】日本人サファリガイド・太田ゆかさんに聞くサバンナでの生理必需品
南アフリカで“日本人女性初の政府公認サファリガイド”として働く太田ゆかさんが登場。多様な人種で構成された多民族国家の南アフリカで、太田さんはどのように生理期間を過ごしているのかをたずねました。
太田さん:私自身は、ナプキンが買いづらいサバンナの自然保護区に住んでいるのと、使い慣れたものがいいという理由で、帰国の度に大量買いしている日本のナプキンを使用しています。
南アフリカでは、『ジョンソン・エンド・ジョンソン』の「Stay free」や、『P&G』の「Always」などのブランドが人気で、店頭でもよく製品を見かけますね。品質も高く、価格も日本と同じくらいです。
私の半径10mでは、生理が会話に出てくることはほぼありません。というのも、サバンナで働くガイドは男性が多くて。私の職場も、男性5人と私を含む女性2人という構成なので、日常生活でこのトピックについて話す機会がないんです。でも、生理で体調が優れないとき、それを同僚男性に伝えると気を遣ってくれますし、気兼ねなく仕事を代わってくれます。別に、生理について“話してはいけない”という雰囲気があるわけではないですね。
ちなみに、日本では、“生理に向き合おう”という雰囲気が生まれていると聞きましたが、私から見て南アフリカでは、まだそういった生理にまつわるムーブメントが大々的に起きている感じはしません。
※今回の記事は太田さんへの取材をまとめたもので、南アフリカのすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理・アメリカ合衆国編】滞在10年以上の日本人YouTuber・NARUMIさんに聞く生理事情&SDGs視点の生理用品
17歳からアメリカに10年以上暮らしていた、YouTuberのNARUMIさんが登場。セルフケア意識が高いアメリカならではの生理との付き合い方を教えてもらいました。
NARUMIさん:私はナプキン派ですが、アメリカではタンポンが主流で、私の友人も大半がタンポンを使用していました。ちなみに、ハーバード大学の公衆衛生大学院が行った街頭調査でも、タンポンを使っている人が47%といちばん多く、ついでナプキンという結果が出ていました。
また最近では、オーガニックのタンポンやナプキン、洗って繰り返し使える月経カップや吸水ショーツなどの、サスティナブルアイテムを選択する人が増えている印象です。この流れは、2018年にアメリカの大手化粧品専門店「Sephora」が、2018年に「Clean at Sephora」をローンチし、「クリーンビューティブーム」(刺激性や有害性があるとされる成分を含まない製品とそれらを提供するブランドを選ぶこと)が巻き起こったことが要因のひとつだと思います。
※今回の記事はNARUMIさんへの取材をまとめたもので、アメリカのすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理・インド編】アッサム州出身のインフルエンサー・クリティさんに聞く生理中のルーティン
インド北東部にあるアッサム州出身で、SNSを通して日本の情報を発信しているクリティさんが登場。ベンガル人であり、ヒンドゥー教を信仰している彼女に、多種多様な民族が暮らすこの地域における生理事情を聞いてみました。
クリティさん:現在は、母が20代だった頃の話と比べると、Z世代を中心に「生理」についてパートナーとオープンに話す人が増えていると感じます。例えば、生理用品をパートナーに買ってきてもらうという人もいます。まだまだ、“生理はタブー”“生理は恥ずかしい”という価値観も根強くはありますが、少しずつ話せる雰囲気が醸成されていると感じます。
私の半径10mでは、ナプキンが主流な印象があります。スーパーや薬局で購入できる、インドで生産された『P&G』の「ウィスパー」や『ユニ・チャーム』の「ソフィ」が人気で、私も愛用しています。
経血の量が多い1〜2日目は、生理痛がひどければ鎮痛剤を飲んで、湯たんぽで体を温めながらよく休息を取るようにしています。また、特に生理中は無性に辛いものが食べたくなるので、スパイスが効いた料理を作ることも多いです。実家にいた頃は、母が作ってくれる体を温める効果のあるシナモンティーも飲んでいました。生理時によく飲まれるドリンクのひとつなのですが、作るのが結構難しいんですよね。
※今回の記事はクリティさんへの取材をまとめたもので、インドのすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理・台湾編】台湾・台北市出身・『DAYLILY』の王さんに聞く"清涼感"ナプキンや生理中に飲む漢方って?
2018年に漢方のライフスタイルブランド『DAYLILY』を、小林百絵さんと共に立ち上げた台湾・台北市出身の王 怡婷(オウ イテイ)さんが登場。漢方文化が根付く台湾ならではの生理期間の過ごし方を教えてもらいました。
王さん:台湾では、男女関係なく生理についてオープンに話せる雰囲気があります。職場の同僚にも、パートナーにも、生理がつらければ、「生理なので今日は休みます」と気がねなく言えるところは台湾のよさかなと。
こうした背景には、生理に限らず、政治や教育など、いろいろなトピックについて、自分の考えを自由に発言できる環境が整っていることが関係していると思います。というのも、台湾の人は、自国が抱える政治問題を悪化させないためには、投票がいかに大切かを十分に理解しているから。自分たちの未来のために、“言いたいことを言うこと”が当たり前で、生理はそのひとつというだけだと思います。
台湾では、ナプキンのバリエーションも豊富です。蒸し暑い気候なので、スースーとした清涼感を感じられるナプキンがあったり、ナチュラルな漢方の香りが配合された製品も。
経血量が多い1日目〜2日目は、無理せず休むようにしています。また、台湾では「四物飲」や「生化飲」という漢方を生理時に飲む人が多く、私も初めて生理が来たときから飲んでいます。「四物飲」は、コンビニで買えるほど台湾人の生活に根付いた漢方で、私の場合は、漢方の薬剤師である父に自宅で作ってもらっていました。それから最近、火を使わない貼るだけのお灸『せんねん灸 太陽』を知人からもらったので、次の生理のときに使いたいと思っています。
※今回の記事は王さんへの取材をまとめたもので、台湾のすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理・スウェーデン編】「8歳から性教育が始まり、生理や性行為について学びます」モデルのヘーク 恵利加さんが登場!
スウェーデン出身のモデル・ヘーク 恵利加さんが登場。
スウェーデンでは「生理」について性別や立場など関係なく、誰とでもオープンに話すことができます。これは、8歳のときに性教育が始まることが大きく関係しているかなと思っています。授業では、男女が同じ教室で生理や性行為など、セクシャルヘルスについて幅広く学びます。例えば、生理の授業では、そもそも生理とは何か、生理用品の使い方、さらにはPMSといった月経にともなう症状やデリケートゾーンのケア方法などについて具体的に教えてくれるんです。
スウェーデンはタンポンが主流で、サイズやアプリケーターの有無、オーガニック素材やエコを意識したものなど種類がとても豊富。そのため、私はスウェーデンに帰るたびに買って日本に持参しています。
最近、スウェーデンでは環境と人体に優しい、アプリケーター無しのタンポンが人気。また、月経カップや吸水ショーツといったサスティナブルなアイテムを使う人も年々増えていて、私もスウェーデン発のフェムテックブランド「INTIMINA」の月経カップを愛用しています。
3年前に生理痛やPMSを抑える効果もあるミレーナ(IUS、子宮内に装着する避妊リング)を入れたので、生理期間中も普段と変わらない日々を送っています。ちなみに、スウェーデンは20歳まで医療費が無料(※銅の子宮内避妊具〈IUD〉の費用は、年齢に関係なく誰でも無料)のため、学生のときからミレーナを入れている人が多く、むしろ私はかなり遅いほうでした。
※今回の記事はヘークさんへの取材をまとめたもので、スウェーデンのすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理・ベトナム編 】ベトナムで人気の生理用品は?ショップオーナーのRyokoさんに聞く!
ベトナム在住、ダナンとホイアンでオーガニックコスメ&ライフアイテムグッズのショップ「taran.」を経営するRyokoさんが登場。
日本では生理用品を購入すると、紙袋や黒いビニール袋に詰めてくれますが、ベトナムではそういったことはありません。また、「生理=タブー、恥ずかしいこと」という意識もないので、親しい間柄であれば気軽に話すことができるトピックですね。
起床時間が早いベトナムには、お昼寝文化があり、昼休みが1時間半〜2時間ほどあります。しっかりと“休息時間を取ること”が当たり前の国なので、生理でつらいときは無理せずに休めるムードがあるように思います。
私が暮らすベトナム中部では、ナプキン以外のアイテムを使っている人は、ほとんど聞いたことがありません。スーパーやドラッグストアでもタンポンや月経カップ、吸水ショーツが売られているのを今まで見たことはなくて。もちろん、ネットでそういったアイテムを購入できるので、高所得者層やエコ意識の高い人の中には使用している人もいるようですが、値段はかなり高め。フェムテックアイテムがローカルな人にまで浸透するのはまだ先のように思います。
私はPMSや生理痛がかなり強いタイプなので、日本から持参した漢方を飲むほかに、EMSシートやインドのスパイク鍼指圧マットを使って血流を促すようにしています。
ベトナムはレディースクリニックをはじめ、病院の数がすごく少ないため、気軽に病院にかかることができません。そのかわりに、日本では処方箋が必要な強い鎮痛剤やピルをドラッグストアで簡単に買えるのですが、体への負担が大きいため、私は飲むのを避けていますね。
私の周りの経血量が多いことに悩むベトナム人女性は、生理期間中は、造血作用があるマンゴーを食べないようにしている人が多いんですよ。また、飲み物は白湯や温かいお茶にしたり、シャワータイムを短くして体が冷えないように心がけているそうです。
1.インドのスパイク鍼指圧マット「シャクティマット」。この上に寝転がるだけで、深い睡眠やリラクゼーション効果が期待できる。2.浴槽で使えるEMSヒップトレーニングマシーン「MYTREX AQUA LIFT」。3.むくみに効く漢方「五苓散」。4.頭皮用のEMSヘッドブラシ。5.「taran.」の薬草バスソルト。6.「せんねん灸太陽」の貼るタイプのお灸「火を使わないお灸」。7.全身のむくみ取りマッサージのときに使う「taran.」のグリーンパワーオイル。8.デリケートゾーンを洗うときに使う「taran.」の「タマヌ石鹸」。ホルモンバランスを整えるゼラニウムとラベンダーの香り。
※今回の記事はRyokoさんへの取材をまとめたもので、ベトナムのすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理・韓国編】ソウル在住の会社員・MOENOさんに聞く“生理の貧困”対策事情
韓国在住の会社員、MOENOさんが登場。
渡韓前、韓国ではフェミニズム活動が盛んなので、生理についてもオープンに話せる雰囲気があるんじゃないかな?と思っていたんです。でも実際は、儒教の国ということもあり、親しい同僚女性を除いて、私の周りではこのトピックについてフランクに話すことは難しいと感じています。
韓国では、2016年に「生理用品を買えない学生が、靴の中敷きをナプキン代わりに使用している」というニュースが話題になりました。それを受けて、国家行政機関の女性家族部が、低所得者層向けに生理用品購入費の支援を決めました。
ネット文化が浸透している韓国では、オンラインで生理用品を購入する人が多いんですよ。オフラインで購入する場合はドラッグストア「オリーブヤング」が定番です。一番使われている生理用品は、ナプキン。
ナプキンのほかに、タンポンや月経カップもドラッグストアで手に入ります。韓国でも吸水ショーツを使っている人はいるのですが、日本よりもずっと規制が厳しいため、限られた場所でしか売られていませんね。私は、日本の「ユニクロ」で吸水ショーツを買って、こちらに持ってきたんですよ。
韓国は、生理期間中を快適に過ごすためのアイテムも豊富で、よもぎをはじめとした数種類のハーブが配合された温熱パッドは人気です。
韓国では薬局で低容量ピルを買うことができるので、生理をコントロールするために飲んでいます。私の韓国人の知人には、気軽にピルを購入できるものの、実際に飲んでいる人はほとんどいません。その背景には、副作用に対する不安や、ピルに限らず鎮痛剤など“薬で体をコントロールすることはよくない”という考えを持つ人も多いこともあるかもしれません。
生理の時期に薬を飲む人は想像以上に少ないですが、サプリを飲んでいる人は多いですよ。ドラッグストアにも数多くのサプリが並んでいて、最近は、マルチビタミンとアミノ酸を配合した「プレスショット」が話題ですね!
※今回の記事はMOENOさんへの取材をまとめたもので、韓国のすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理 ・フランス編】アーティスト・MIZUKIさんが見たパリ五輪の生理用品広告&デリケートゾーンケアアイテム
フランス在住のアーティスト、MIZUKIさんが登場。
フランスは、“性”に関してオープンな印象があります。私が一時期通っていた語学学校の先生、友人、フランス人のパートナーなど、性別関係なく、生理やセックスについて当たり前のこととして話すことができます。生理=“隠すべき”、“恥ずかしい”という雰囲気がまだ残る日本との違いを感じましたね。
また、大手生理用品ブランド「Always」が、2024年パリオリンピック・パラリンピック競技大会のスポンサーで、スポーツ界における生理の不安やタブーに取り組んでいて素敵だなと思いました。広告に書かれていた「Les régles ne devraient jamais nous mettre hors jeu/ルール(生理)が私たちのプレーを妨げるようなことがあってはならない」(※régleは、ルール/生理、と両方の意味を持つ単語)というコピーを読んだとき、社会の生理に対する認識は、日本の半歩先を行っているように感じました。
フランスも、日本と同様にナプキンが最も使われています。人気のブランドは、『P&G』が展開する「Always」。私も使用しています。正直、品質は日本のナプキンのほうが高いですね。
フランスはデリケートゾーンケアに対する意識が高いようで、スーパーやドラッグストアで気軽に専用のソープを買うことができます。しかも、バリエーションが豊富! 私も先日、フランスのインティメートヘルスに特化したブランド「SAFORELLE」のソープをゲットしました。
生理痛がかなり重いので、日本にいたときから低用量ピルを飲んでいます。こちらでも、婦人科で診察を受けて低用量ピルを処方してもらいました。診察料は、セキュリテソシアル(フランスの国民保険)が7割、任意で加入できるミュチュエルという保険が残りの3割を保障してくれたので無料。ジェネリックのピルを1年分(80ユーロ/1箱3カ月分20ユーロ)処方してもらいました。ちなみに、26歳以下は診察料も薬代も無料なんですよ!
MIZUKIさんが、フランスで処方してもらった低用量ピル。「フランスは日本のように予約なしで医療機関を受診することができず、予約が必須。しかも、1〜3カ月先になることが普通です。それも要因なのか、日本では最大3ヶ月分(自費診療なら最大6カ月の場合も)しか処方してもらえないピルを1年分処方してくれて驚きました」
※今回の記事はMIZUKIさんへの取材をまとめたもので、フランスのすべての生理事情を代表するものではありません。
【世界の生理・タンザニア編】生理用品の製造・販売を行う菊池モアナさんに聞いた現地の生理事情
タンザニアで生理用品の製造・販売を行う「LUNA sanitary products」を経営する、菊池モアナさんが登場。
タンザニアは人口の約45%の人が貧困ラインと呼ばれる1日280円以下で生活しており、約200円する生理用ナプキン(1個8枚入り)を毎月購入できない女性たちが多く存在しています。こうした女性たちは、端切れをナプキンとして使用しているのですが、カビや雑菌が繁殖し、感染症の原因になっています。
衣類の切れ端やアフリカの伝統的なカンガ布などで作られた布ナプキンを見せてくれた、公立学校に通う女子学生。「宗教的(キリスト教徒とイスラム教徒がそれぞれ国民の約40%ずつを占め、残りの約20%は地域の土着信仰)な理由などから、生理がタブー視されている地域もあります。ある貧困層の村では、布ナプキンが男性の目に触れてはいけないため、洗濯後に外に干すことができず、マットレスの下に隠すように干している子もいます」(菊池さん)
貧困層は布ナプキンですが、中所得者層以上は紙ナプキンを使用していて、日用品などを売る「キオスク」と呼ばれる商店で購入することができます。
月経カップや吸水ショーツは、支援で配られたことがありますが、貧困層には使い勝手が悪い。というのも月経カップは使用後に煮沸消毒が必要。貧困家庭では、消毒に必要な鍋や薪、さらには清潔な水の準備が難しいためです。
日本で暮らしてたときは、月経カップ、吸水ショーツなど、生理用品はひと通り持っており使用していたのですが、タンザニアは断水することも多いため、衛生面の観点から紙ナプキンを使っています。生理痛がひどいタイプではないので、鎮痛剤は飲みませんが、そのときの気分に合わせて、日本から持参したアメリカの「ヨギティー」のハーブティーを飲んでいます。
タンザニアでは、1錠25円程度で生理痛を和らげる鎮痛剤を購入することができますが、貧困地域に暮らす女性は買うことができず、ただひたすら我慢して痛みが引くのを待つ人も多いです。
※今回の記事は菊池さんへの取材をまとめたもので、タンザニアのすべての生理事情を代表するものではありません。