私たちが人生でそれぞれに向き合う「家族」や「パートナーシップ」にまつわる選択に、確かな答えはありません。抱える迷いや不安、そして幸せのかたちも一人一人違うからこそ、必要なのは、その選択を応援してくれる専門家の的確なアドバイス。

「離婚したい」という本心に気づいた女性、パートナーに責められる日々から子どもとともに逃れた女性など、3人のストーリーをご紹介します。

“家長”を誇示する夫….。「離婚したい」という本心に気づいたJさん

“家長”を誇示し、価値観を一方的に押しつける夫….。「離婚したい」という本心に気づいたJさん

結婚して数カ月がたった頃、初めてパートナーに怒鳴られたときの恐怖で日常的に相手の顔色を窺うようになってしまったJさん。「夫に何を言われても、半ば諦めのような気持ちで生活してきました。しかも夫は“家長”という立場を誇示したいのか、子どもたちの前で私を怒鳴ったり、子どもたちの性格や気持ちを考えず頭ごなしに否定したりすることもあって…」

ある日、不機嫌になったパートナーからいつものように「離婚だね」と言われた瞬間、Jさん自身の口から自然に「仕方ないね、いつにする?」という言葉が出たのだそう。「今までずっと見ないふりをしてきた“離婚したい”という本心に気づけましたが、すぐに離婚するのは難しいとも感じています。身分には経済力が足りないし、夫は絶対に親権を譲らないと思うので…」

いつか離婚する日のために情報収集を始めたJさん。今、気になっていることを弁護士の水谷真実さんに相談してみることに。

Jさんが気になっていること
1. 離婚についてどんなタイミングで弁護士さんに相談するべき?
2. やっぱり経済力がないと親権は持てない?
3. “いつかの離婚”のために今から準備できることは?

夫の暴力から子どもと自分を守るために離婚したIさん

夫の暴力から子どもと自分を守るために離婚したIさん

もうすぐ6歳になる息子と一緒に実家で暮らすIさんが、7年間の結婚生活に終止符を打ったのは1年ほど前のこと。もともと友人だったパートナーは、結婚するとIさんに対して威圧的な態度を取り始めるようになりました。子どもが生まれてからも、機嫌が悪いと大声で怒鳴り散らす、部屋にこもるなど、パートナーの態度は一向に変わらなかったそう。

しかし、いつものようにパートナーが大声を出して家の中で暴れたある日、Iさんは離婚を決意します。そのきっかけをくれたのは、4歳になったばかりの息子でした。

「私を守るように夫の前に立ち、『ママをいじめるな!』って叫んだんです。それを見て目が覚めました。すぐに実家へ避難し、1年後に離婚。でも、息子のことが気になっていて…」

Iさんが今、いちばん気になっているのは、突然父親と離れて暮らすことになった子どもの気持ちと、親子のコミュニケーションにまつわること。そこで、自身も2児の母であり、モラハラ夫との離婚を経験した公認心理師の福山れい先生に相談してみることに。

Iさんが気になっていること
1. 子どもの気持ちにどう寄り添えばいいのか知りたい
2. 別れた夫との関係について
3. もし身近な家族が理解してくれない場合は?

パートナーの浮気やDVに消耗する日々…30代で離婚を経験したHさん

パートナーの浮気やDVに消耗する日々…30代で離婚を経験したHさん

Hさんが離婚したのは37歳のとき。大学時代からの友人でもあったパートナーと9年間の同棲を経て33歳で結婚。ところが、4年にわたる結婚生活の半分以上は離婚について考えていたといいます。その理由は、パートナーの浮気やDV。

パートナーは映像系企業に勤めていましたが、結婚の前年に独立。しかし仕事はほとんどなく、Hさんが生活費を負担する状況が続きました。

「生活費のことを相談すると逆ギレ。入籍の際のご祝儀にまで手をつけていたことがわかって…“もう無理だ”と気づいたんです。唯一事情を話していた友人があいだに入ってくれたおかげで、無事に離婚届を出すことができました」

苦しい日々を抜け出したHさんですが、今だから感じることや、自分自身のケアについて知りたいことがあるといいます。そこで、モラハラや離婚などの相談に多く携わる公認心理師の福山れい先生に話してみることに。

Hさんが気になっていること
1. 心が疲れている状態でもベストな選択をするには?
2. つらい記憶を拭い去る方法はある?
3. 自分の心をどうケアしていけばいいのか知りたい

不安を抱える女性たちへの専門家のアドバイスは、ぜひ元記事へのリンクからお読みください。

イラスト/naohiga 取材・文/国分美由紀 企画・編集/高戸映里奈(yoi)